Photo by Andre Benz on Unsplash
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国内旅行は7月から活発に?「新しい日常」を過ごす外国人の声

ポストコロナの「生活」と「旅」に関するアンケート結果を発表

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止のために行われた緊急事態宣言が全面解除された。2020年6月19日には県外移動自粛の解禁。それを受け、タイムアウト東京では日本語、英語サイトの読者に向けた『New Normal Survey(ニューノーマル・サーベイ)』(以下、サーベイ)』を実施した。

2020年6月26日〜7月2日の期間中、タイムアウト東京英語サイトで実施したサーベイには計146の回答があった。ここでは、その結果を紹介したい。

New Normal Surveyから見えた9のこと

旅への意欲に関して

1. 現状、県外を出る動きは少ない

県外移動自粛が解禁された6月19日以降、在住する県の外へ旅行に行きましたか」という質問に対し、69が「いいえ」と回答。その理由として挙がったのは、「まだ外出は安全ではないから」(32)「時間がなかったため」(30)。この結果から、旅行に不安を抱える人も一定の人数がいる一方で、今後は県外へ行く人が増えてくることが予想される。

2.  国内旅行は7月から一気に活発になる見込み

「今後、旅行の予定はありますか」という問いに対して、71%が「はい」と回答。 「いつ行く予定ですか」という質問では42%が7月、22%が8月と回答しており、60%以上の回答者が夏休みに旅行を計画していることが分かった。反対に「来年まで待つ予定」と回答した人は9%、「時期は未定」と回答した人は18%となった。

旅の期間は1週間と答えた人が最も多く39%。次に2泊3日が29%となっており、日本語サイトの読者よりも長い期間の旅行を考えていることが判明している。

また、「どのくらいの予算を考えていますか」という質問に対し、「6〜10万円台」と回答した人が最多の49%。参考として、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」では、2020年1〜3月期の日本人国内旅行の一人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が4万9,600円(前年同期比2.2%減)。これは日本人の平均単価よりも多い予算である。

3. とにかく都会から出たいという声が多い

今後の旅の予定について、最も多く挙げられた行き先は沖縄(17%)、北海道(15%)、京都(10%)。 旅の目的に対しては、「自然やアウトドアのアクティビティ」が31%で最も多く、次いで「旅先の文化に触れる」が17%だった。今、最も求められているのは自然を感じられる場所で、そのために沖縄や北海道を選ぶ人が多いという結果になっていると考えられる。

4. 「Go Toトラベルキャンペーン」は認知度が低いが、利用への関心は高い

「Go Toトラベルキャンペーン」について知っているかという質問に対し、半数以上となる53%が「いいえ」と回答。 しかし、「利用したいと思いますか」という問いには86%が「はい」と答えており、情報をきちんと届ければ、日本在住の外国人もキャンペーンの特典を利用して国内を旅行する可能性が高い。

5. ワーケーションによる新たな働き方も肯定的な見方が強い

「ワーケーションをしてみたいと思いますか」という質問に対して77%の人が「はい」と回答した。理由として挙がったのは「リラックスできる環境でストレス解消したい」(31%)、「自然に囲まれて仕事をしたい」(24%)。自宅での生活が長引いたことが影響したからか、都会を出て働くことに関心を示す声が大きかった。

インバウンドは厳しい状況が続いているが、まずは国内旅行が早くも夏から回復してくる。特に自然やアウトドアのアクティビティがある場所は人気となるだろう。

「Go Toトラベルキャンペーン」も国内旅行を後押しする強力な施策となり得るが、日本在住外国人に向けた英語での情報は欠かせない。日本在住の外国人は数としてはそう多いわけではないが、彼らがコロナ後の日本各地を安全に旅することができれば、将来のインバウンド再開に向けて大きな意味を持つことになる。移動や滞在地の衛生管理や安全性、また、魅力についてなど、彼が直接、体験し発信することの影響力は非常に大きい。

ライフスタイルに関して

6. 外出はしているが、衛生管理への不安は残る

「緊急事態宣言解除後、何をするようになりましたか」という質問に対して、「不要不急以外は外出をしない」という回答は8%にとどまった。最も多かった回答は「外食」(24%)で、次いで「買い物」(19%)、「アウトドアのアクティビティ」(19%)となった。日常が少しずつ戻りつつあることが分かる結果となっている。 

外出への不安は多少残っている様子も伺え、「外出先のコロナウイルス対策についてどのように感じますか」という質問に対して「十分だと思う」と回答した人は51%。半数は納得しているものの「不十分だと思う」と答えた人は31%であった。

7. 日常に幸せを感じる人が4月に比べて増加

4月に実施したサーベイの結果と比べ「普段以上に幸せを感じる」と答えた人は約8%増加(全体のうちの14%)した。また、57%が「普段通り幸せを感じる」と回答。これも4月の結果に比べて7%の増加である。緊急事態が解除され、外出できるようになったことが気持ちの変化に寄与したのではないだろうか。

8. 英語でのサポートが不足しているという不満は根強い

「コロナ禍に日本で生活するに当たって大変だと思うことは何ですか」という質問に対して、「英語の医療サポートが不足していること」という回答が最も多く挙がった(37%) 。日本政府の対応への満足度を調査した質問の「PCR検査の情報」に対しては、「非常に不満」「不満」と回答した人が41%。「なんとも言えない」と回答した34%と合わせると、75%の人が満足していないという結果だ。

4月の調査では、「PCR検査を受ける方法を知っているか」には、78%が「いいえ」と回答していた。つまり、検査方法は約2カ月経っても依然として周知されていないことがわかる。

9. 日本のコロナへの対応に対する批判の声も大きい

回答者のうち、60%もの人が不安や問題点を細かくコメントしてくれた。最も挙がっていたキーワードは「検査」「レスポンス」「情報」 だ。

コメントを抜粋して紹介すると、以下のような声があった。

「どこで検査すれば良いか分からないとし、その情報をどこで得られるのかも全くわからない」

「意図的なのかどうかわからないが、他の国に比べてコロナ発症へのレスポンスが遅いと感じた。本当にうまく対処できているのかどうかが見えてこない。発症した件数だけでは判断ができない」

「決定したことの開始日や陽性と診断された件数以外、今後どうしていくのかという情報が常に不透明と感じた」

生活に関しては、外出の機会が増えて前向きな気持ちで生活する人の様子が見受けられる一方で、迅速で透明性が高い政府の対応や英語での情報発信は足りていないという見方が強い。日本在住の外国人が今後もより安心して毎日過ごせるには、多言語の情報発信や対応を充実させ、彼らが情報から隔離されない十分な体制が必要である。

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