国の受動喫煙防止法が成立、東京都の条例との違いを図解で知る

テキスト:
Hiroyuki Sumi
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何十年か後には、喫煙者は絶滅危惧種になってしまっていることだろう...。

受動喫煙の対策強化を目的とする改正健康増進法が18日に可決、成立した。飲食店など多くの人が集まる屋内での喫煙を原則として禁止し、違反者には罰則を課す。2020年4月に全面施行する。

だが同法では、個人や中小企業が経営する小規模飲食店は条件付きで例外とされており、十分な効果があがるかは不透明だ。「より厳しい」と言われる、東京都が今年6月に成立させた受動喫煙防止条例との違いを解説する。   

規制対象と例外

どちらも屋内での原則禁煙をうたっているが、違いは「例外」の多さだ。国の法令では、個人や中小企業などが経営する、客席面積100平方メートル以下の飲食店は「喫煙可能」などと店頭に掲出すれば、規制の対象から外れる。全体の約55パーセントの店が対象外となる見込みだ。一方、都条例では面積は関係ない。家族経営など従業員がいない飲食店が例外(子どもが出入りする場合は規制対象)で、約16パーセントが該当する。

どちらも、喫煙専用室では喫煙できる点は共通している。

保育園・幼稚園・小中学校・高校

敷地内禁煙という点は国も都も共通しているが、法令では、国が定める条件をクリアした屋外なら喫煙スペースの設置を認めている。都条例は認めていない。

大学・病院・行政機関など

規制内容はどちらも同じで、敷地内は禁煙だが、屋外に喫煙スペースを設置できる。

罰則

国の法令では、禁煙場所で喫煙した場合に30万円以下の罰金が、灰皿などを設置した施設管理者には50万円以下の罰金が、それぞれ課される。都条例は5万円以下の罰金としており、科料としては国の規制の方が重たい。

「国の法案は例外が多すぎる」などの声はこれまでにも上がってきたが、いずれにしても、規制を厳しくしていくという方向性は、今後変わることはないだろう。

関連記事『従業員のいる飲食店は禁煙、都受動喫煙防止条例案の骨子案が発表

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