トニー・エリオット
Photograph: Andy Parsons

タイムアウト創業者トニー・エリオットの軌跡を振り返る

タイムアウトCEOジュリオ・ブルーノによる回想録も

テキスト:
Time Out editors
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トニー・エリオットが1968年に配った最初のタイムアウトマガジンは、現在の雑誌で8ページ相当の折りたたまれたポスターだった。

その内容は、ロンドンで起きていたベストな出来事と当時問題となっていた事柄に絞ったもので、これが今日のタイムアウトブランドが扱っているカテゴリーとブランドカルチャーとの基礎になっている。何年もかけて、エリオットはタイムアウトをグローバルなメディアブランドに変え、2010年11月には支配株式をオークリーキャピタルに売却。弊社のブランドが共同統治のもとで立ち直るため、またデジタルプラットフォームを発展させるためにオークリーから運用支援と支援を取り付けるための措置であった。

1968年からタイムアウトの編集長であり続けたエリオットは、2020年7月に彼が肺がんで死去する前の2010年11月からはタイムアウトの社外取締役となっていた。

エリオットはクリエートロンドン(Create London)やファクトリートラスト(The Factory Trust、マンチェスター)など数々の文化団体の委員長や理事であった。しかし、2017年末には、副会長も務めたラウンドハウス、サマセットハウス財団、サマセットハウスエンタープライズ有限会社のディレクターや理事を辞任している。さらに、かつてはヒューマン・ライツ・ウォッチのロンドン支部(創設時の支部長)、ヒューマン・ライツ・ウォッチ国際委員会、フィルムロンドン(Film London)、ソーホー劇場、フォトグラファーズギャラリー、英国映画協会(会長)、同協会製作委員会(委員長)ディレクターや理事を務めてきた

2014年5月にエリオットは、栄誉あるグッドマン賞を受賞。同賞は、篤志家として長きにわたって諸芸術に対して目覚ましい貢献を成した個人を顕彰するものだ。2017年には大英帝国勲章のコマンダー(CBE)に叙された。

トニー・エリオット(1947〜2020年)

タイムアウトグループCEO、ジュリオ・ブルーノから敬意を表して

「トニーはタイムアウトが大好きでした。これは彼の生涯をかけたプロジェクトです。会議であれ、トニーが好きな店でランチするときであれ、会話の端々にはいつも、このブランドに彼が傾けた情熱を感じ取れたものです。2016年にこの会社を上場させたときには、本当に誇らしそうにしていたのを思い出します。『ジュリオ、ここからが次の章への始まりなんだ。時流に乗りながら、改革もしなくてはならない。タイムアウトはこれからも続いていくのだから』と言っていました。

彼にはとても感謝していますし、彼が遺してくれたものを生かし続けなくてはなりません。雑誌、デジタル、タイムアウトマーケット経由での具体的な成果、そのいずれにせよ、タイムアウトは続いていくのだから。新しい編集者、デザイナー、マーケター、違うやり方でのマネジメントになるかもしれませんが、タイムアウトの使命は変わらないのです。より良いお出かけ体験の手助けをするという使命は。

トニーの奥さまのジェニー、ご子息のルフュス、ブルース、ローレンス、そして彼のご家族とご友人に心からお悔やみ申し上げます。私たちはいつもあなた方のことを思っています。

トニーよ、安らかに」

愛を込めて

ジュリオ・ブルーノ、タイムアウト CEO

原文はこちら

トニー・エリオットとタイムアウトをもっと知りたいなら

  • Things to do
  • シティライフ

タイムアウト創業者のトニー・エリオット(1947〜2020年)が長い闘病の末、2020年7月17日に死去した。73歳だった。葬儀は家族と近しい友人同僚のみで執り行われる。 トニーは先見性に富んだ出版人にしてシティーカルチャーの倦(う)むことなき擁護者、そしていつも頼もしい味方だった。その生涯と業績は、彼を個人的に知る機会に恵まれなかった数多くの人々をも照らし続けている。

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全ては1968年に始まった......

1960年代ロンドンのカルチャーに魅せられ、そこで起きているイベントの信頼できる情報が必要だと考えたトニー・エリオットは、1968年キール大学の夏季休暇中に「タイムアウト」を創設。

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