横浜美術館
みなとみらいにある横浜を代表する美術館で、2024年3月にリニューアルオープンを果たしたばかり。日本を代表する建築家・丹下健三の設計による美しい建築はそれ自体が見どころで、 3年に1度開催される現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」の主会場の一つとしても有名である。
所蔵作品は、印象派から現代アーティストの奈良美智まで幅広い。特に写真コレクションは、量もさることながら質も高く必見だ。
リニューアルした横浜美術館など美しく刺激的なベイエリアを紹介
タイムアウト東京 > Things to do >アートの街、横浜でしかできない34のこと
これに併せて、横浜に集まったアーティストやクリエーターが企画する多様なプログラムが街中に広がる。ここでは、そんなアートで盛り上がる横浜の注目スポットやアートイベントを紹介しよう。
横浜美術館
みなとみらいにある横浜を代表する美術館で、2024年3月にリニューアルオープンを果たしたばかり。日本を代表する建築家・丹下健三の設計による美しい建築はそれ自体が見どころで、 3年に1度開催される現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」の主会場の一つとしても有名である。
所蔵作品は、印象派から現代アーティストの奈良美智まで幅広い。特に写真コレクションは、量もさることながら質も高く必見だ。
象の鼻テラス
横浜開港の地にある象の鼻パーク内に建つ、アートスペースとカフェを併設したレストハウス。「横浜トリエンナーレ2001」参加アーティストである椿昇による全長6メートルのシンボルオブジェクト「時をかける象(ペリー)」などのパブリックアートが常設展示されているほか、音楽・ダンスなどのパフォーマンスや映像上映などさまざまなイベントを開催している。
カフェでは、地場の食材を使ったオリジナルフードや象の顔の形をした「ゾウノハナソフトクリーム」を味わうことができる。
※営業時間は都合によって変動する可能性がある
BUKATSUDO
みなとみらいの造船ドック跡地に位置するシェアスペース。シェアキッチンやスタジオ、ギャラリー、コーヒースタンド、会員制のワークラウンジやレンタルスペースなどから成る複合施設である。
オフィスワーカー、居住者、来街者などが肩書きを外して集い、趣味や、街を豊かに変える活動を行う場だ。ギャラリーでは定期的に写真・美術など様々な作家による作品展を実施している。
里武士 馬車道
歴史的建造物である旧生糸検査所をスタイリッシュにリノベーションした空間で、醸造・蒸留設備を眺めながらクラフトビールが楽しめるブリューパブ。
長野県野沢温泉村のブルワリーAJB Co. が運営しており、素材の香りと風味を最大限に生かしたクラフトスピリッツなどの蒸留、カクテル開発も行う。
酒のペアリングにはスパイシーな「JFCバターミルクフライドチキン」を召し上がれ。
ホテルニューグランド
1927年に開業した横浜唯一のクラシックホテル。当時のたずまいを今に残す本館は、横浜市認定歴史的建造物に指定されており、大階段や2階ロビーは建築の美しさを物語る。
本館1階「ザ・カフェ」では、「ホテルニューグランド」で誕生し、全国に広がった「シーフードドリア」「スパゲッティナポリタン」「プリン ・ア・ラ・モード」など、数々の洋食メニュ ーが堪能できる。
初黄・日ノ出町地区
初黄・日ノ出町エリアでは、2008年からアートを生かした新しい街づくりを目指すイベント「黄金町バザール」がスタートし、2024年で15回目を迎える。
世界中からアーティストが集まり、日常的に滞在制作や展示、パフォーマンスなどが行われている。
古書店の「黄金町アートブックバザール」では美術書の品揃えが充実。隣接するギャラリーではアート作品も購入できる。
横浜マリンタワー
横浜開港100周年記念として1961年に建設された横浜のシンボルの一つ。360度大パノラマの展望フロアからは、気持ちの良い開放感とともに富士山や横浜港の景観が広がる。
夜のタワーでは、約230個のLED照明を採用した光の演出が楽しめる。2022年にリニューアルオープンし、レストランやバー、メディアアートギャラリーなども併設。吹き抜けのホールには、山下清の壁画や横浜マリンタワーが灯台だった頃に使用されていた灯具が展示されている。
横浜人形の家
100か国以上、1万点以上の人形を収蔵する人形専門の博物館。展示資料を通して、世界の民俗・風習・歴史・文化等に触れる機会を提供している。昭和初期に日米親睦の架け橋となった人形「青い目の人形」や、人間国宝の平田郷陽による「生き人形」など貴重な作品も多く展示。特に、日本全土と世界各地の郷土人形が一堂にそろった展示室は圧巻だ。
またフィギュアやアニメなど世界的に注目される新たな日本の「人形文化」の視点も取り入れた、子どもから大人まで楽しく学べる施設である。
三溪園
本牧エリアの一角にある三溪園は、古建築と自然が調和した四季折々の景色が楽しめる日本庭園だ。約17万5000㎡におよぶ園内には、京都や鎌倉などから移築された建造物が巧みに配置されている。
また、園内にある「三溪記念館」では、創設者の原三溪が支援した横山大観らが手がけた近代日本画などの芸術作品に触れられる。花見や紅葉など季節ごとのイベントも見どころだ。
隣接する本牧市民公園内には、誰もが気軽に安心して陶芸を楽しめる「陶芸横浜市陶芸センター」もある。
OTABISHO 横浜能楽堂
「横浜能楽堂」が休館中、日本の古典芸能「能」と「狂言」の魅力を発信するギャラリー&ショップを、ランドマークプラザ5階にオープンする。
「見る、知る、体験する、学ぶ」の切り口で、能面や装束の展示や関連書籍の閲覧コーナーのほか、ここでしか手に入らないグッズも販売。定期的に体験講座も開催される。
「能・狂言ってなに?」と思ったら立ち寄ってみてほしい。
Bar Bar Bar
ミュージックバーやレストラン、ギグスポットが点在する横浜は、日本のジャズ発祥の地といわれている。そんなカルチャーを感じたいなら、1984年に創業した関内の老舗ジャズレストランBar Bar Barを訪れてほしい。
2023年3月に、旧店舗から徒歩2分ほど離れた地下へ移転したが、変わらずほぼ毎夜、ジャズの生演奏とともに、おいしい料理と酒とともに楽しむことができる。
CAMBUSA
横浜駅の喧騒(けんそう)から目と鼻の先にあるれんが造りのレストラン。看板は出ていないが、来店客は後を絶たない横浜界隈(かいわい)ではいわずと知れたイタリアンの名店だ。
ナポリで修行を積んだ高田太郎が手がける窯焼きのピッツァや、農家を訪れて目利きした良質な旬の食材を用いたコース料理など、食通をとりこにするハイレベルなメニューは必食だ。
KAAT 神奈川芸術劇場
横浜で上質な舞台芸術を楽しむことができる劇場。2021年から、劇作家で演出家・俳優としても活躍する長塚圭史が芸術監督を務める。最大約1200席を有する大ホールや大スタジオから成り、演劇、ミュージカル、ダンスなど多彩な作品を上演している。
館内には、 託児室や車椅子スペースを完備(取り扱いは公演により異なる)。多様な人々が観劇を楽しむための環境が整備されている。
カントナ
横浜中華街の老舗「萬珍樓」で修業した店主が作る、無化調で優しい創作中華料理と各国のナチュラルワインが楽しめる店が、ここ「カントナ」だ。
タスマニア産の粒マスタードが乗った「タスマニア焼売」やエビの卵を練り込んだ麺を使用した「蝦子麺とパクチーのタルタルサラダ」など、個性豊かな「変化球中華」を堪能しよう。
BAR 崖と階段
店名通り「崖と階段」に囲まれた場所にひっそりとたたずむ一軒家の小さなバー。日が暮れ始めると、あかりがともったユニークな看板に気付くだろう。
小さなアート複合施設の一角にあり、曜日ごとに異なるアーティストやキュレーターがカウンターに立つ。また店内には、現代アートの作品や書籍などが所狭しと並んでいる。
夜もアートな空気感に浸りたいならいちおしだ。
JICA横浜
ここは地域の国際協力の拠点であると同時に、日本人の海外移住の歴史も学べる場所だ。館内には著名な現代アーティストによるインスタレーション作品が常設展示され、図書館も併設されている。
3階にある多国籍レストラン「ポートテラスカフェ(Port Terrace Cafe)」では、ハラルやベジタリアン用メニューを含む国際色豊かなメニューを提供。晴れた日には、テラス席から横浜赤レンガ倉庫や横浜ベイブリッジが見渡せる。
旧第一銀行横浜支店
文明開化の街・馬車道にほど近いY字路に建つ、フォトジェニックな歴史的建造物。銀行建築の第一人者である西村好時の設計によって、1929年に「第一銀行横浜支店」として建築された。
2004年からは横浜市の「クリエイティブシティ・ヨコハマ」における街づくりの拠点として、アート・デザイン・地域・産業などさまざまな創造的活動を展開してきた。
2021年から休館しているが、「第8回横浜トリエンナーレ」では会場の一つとなり、一般公開される。
シネマ・ジャック&ベティ
若葉町で、1991年に開館した2スクリーンのミニシアター。「ジャック」と「ベティ」の2つのスクリーンがあり、単館系の新作ロードショーを中心に、インディペンデント系などシネコンで上映の機会が少ない良質な映画を、ジャンルを問わずセレクトして上映している。また、監督・俳優特集や映画祭なども積極的に行っている。
THE BAYS
「Sports×Creative」をテーマとして新たなライフスタイルや産業を生み出す複合拠点「THE BAYS」。1928年に建設された横浜市指定有形文化財である「旧関東財務局横浜財務事務所」を活用したものだ。横浜スタジアムを本拠地に活躍するプロ野球チーム・横浜DeNAベイスターズが運営している。
日常に野球をプラス(+)するライフスタイルショップ 「+B」では、人気キャラクターや人気ブランドとコラボレーションした洋服や雑貨などが並ぶ。
また球団オリジナルの醸造ビールが楽しめるクラフトビアダイニング「&9」も併設している。
2416 MARKET
「ニュウマン横浜」の6階にある「もっと地元が好きになる」をコンセプトにした大型マーケット。神奈川にフォーカスした7つのショップから食品、雑貨、アパレル、コスメなど、ローカルな土産を手に入れられる。
レストラン「2416 MARKET PASTA&(マーケット パスタアンド)」では、三浦市にある丸清製麺所で製造した生パスタや、地元の旬の野菜や食材を使用した料理が楽しめる。
華蔵
個性あふれる飲食店が軒を連ねる横浜・野毛エリアにたたずむ店。炭焼きの香ばしい香りが食欲をそそるこの店では、旬の酒と本格備長炭で焼き上げる串焼きが楽しめる。
秋田から直送されたジューシーな比内地鶏串や、新鮮な国産鶏の白レバーは大人気だ。焼き鳥のほか、魚串も提供する。季節に合った日本酒や焼酎とともに堪能しよう。
丸々1羽をさばいた鶏ガラスープの「鶏そば」を締めに食べるのを忘れずに。
豚の味珍
横浜駅西口にある小さな横丁飲み屋街「狸小路」の誕生時から存在する「豚の味珍」。ここは、1956年創業当時の雰囲気を色濃く残す、貴重な一軒だ。
メニューは醤油ベースの秘伝のスープで2日間煮込んだ豚の珍味たち。頭、耳、舌、胃、足、尾の6種が楽しめる。いずれも臭みがなく、絶品だ。
からしと酢で作る特製のたれに付けて、なみなみ注がれた焼酎とともに味わおう。
横浜赤レンガ倉庫
明治末期から大正初期に模範倉庫として建設されたレンガ造りの歴史的建造物であり、横浜のシンボルの一つ。1号館のホール&スペースではダンス・演劇・音楽・ 美術などを通して横浜の今を、2号館では、ショッピングとグルメなどフロアごとに異なるシーンを楽しめる。
「横浜ベイブリッジ」や「大さん橋」を一望できるロマンチックなロケーションも人気を集める要因だ。屋外広場で開催される四季折々の多彩なイベントも楽しい。
馬車道十番館
1970年に建てられた6階建ての飲食サロンで、建物は明治時代の洋館を再現している。1階が喫茶と売店、2階がバー、3階がレストランとなっており、自慢のオリジナ ルコーヒーとケーキ、季節のデザートなどはいずれも逸品だ。待ち合わせや横浜散策の途中に立ち寄ってみては。
BankART1929
元銀行を活用した活動開始から今年で20周年を迎えるBankARTは、現在、新高島駅に直結する地下スペース「BankART Station」と、中区北仲通にある歴史的建造物の復元施設内「BankART KAIKO」で、さまざまな展覧会やパフォーマンスなどを実施している。
カフェ、パブ、ショップなどを併設し、作品鑑賞後も余韻(よいん)を楽しめる。BankART KAIKOは「第8回横浜トリエンナーレ」の会場の一つとなり、BankART Stationでは連携プログラム「BankART Life7」 が開催される。
3年に1度開催されるアートの祭典「第8回横浜トリエンナーレ」が横浜で開幕。国際的に活躍するアーティスティックディレクター(以下AD)を招き、世界のアーティストたちが何を考え、どのような作品を制作しているかを紹介する。
第8回目となる今回のテーマは「野草:いま、ここで⽣きてる」。先行きの見えない現代を、野草のように無防備ながらたくましく生きようとするアーティスト一人一人の姿に目を向ける。ADには北京からリウ・ディン(劉⿍)とキャロル・インホワ・ルー(盧迎華)を迎え、日本初出展者を含む多様な国と地域を持つ全93組のアーティストが参加する。そのうち日本初出展は31組、新作を発表する作家は20組となる。
作品を鑑賞できるのは、3年にわたる工事休館を終えてリニューアルオープンを迎える「横浜美術館」「旧第一銀行横浜支店」「BankART KAIKO」の3会場(「野草:いま、ここで⽣きてる」鑑賞券の購入で同3会場に入場可能)。ほかに、「クイーンズスクエア横浜」「元町・中華街駅連絡通路」など町の中にも作品が展示される。
街がアートと一体化するこの機会に、ぜひ足を運んで体験してみよう。
アートの祭典「横浜トリエンナーレ」の開催に併せて毎回おこなわれてきた、大規模な連携企画展「BankART Life」。2004年から20年にわたり、横浜のオルタナティブなアートスペースとして活動を続けてきた「BankART1929」の新拠点「BankART Station(バンカートステーション)」を基点に、公共空間や店舗など人々が日常的に過ごす空間に作品を展開する。
直径2メートルの土玉が印象的な柳幸典の作品「Ground Transposition」と、川俣正の作品「Nest」が、会場入り口のあるみなとみらい線新高島駅の地下1階に出現。これまでの20年間にBankARTで大型個展を開催してきたアーティストたちとともに、気鋭の作家たちが都市に挑んだ作品を紹介する。
参加アーティストは淺井裕介、岡﨑乾二郎、片岡純也+岩竹理恵、小林椋、鷹野隆大、中谷ミチコ、三田村光土里、葭村太一、blanClass+神村恵など42組を予定している。
会場となるのは、BankART Stationを起点にした、みなとみらい21地区、関内地区、ヨコハマポートサイド周辺地区の3つのエリア。多様なガイドたちによるツアーも行われる。さらに、かつて周辺が生糸貿易の中心地だった馬車道駅コンコースでは、石内都の「絹の夢-silk threaded memories」を紹介する。
神奈川県横浜市中区の黄金町地域一帯で「アートによるまちづくり」を推進している「NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター」が主催するアートフェスティバル。アートとコミュニティーの関係、アジアとの交流をテーマに2008年から開催されている。
黄金町に関わりのあるアーティストをはじめ、中国・韓国・台湾などのアジアやほかの都市からも招聘(しょうへい)し、全8章にわたり作品を紹介。これまでに交流のなかった地域からアーティストを集めて新たなネットワークを生み出す「草枕プロジェクトⅢ」では、身近な「横浜」を組み入れた。さらに黄金町のまちづくりの歴史を振り返り、その20年の軌跡をたどる。
参加するのは青木真莉子、安部泰輔、井上修志、ウ・ボウェイ(吳柏葳)、マー・イェンホン(馬延紅)など、総勢33組。京急線日ノ出町駅〜黄金町駅間の高架下スタジオや周辺のスタジオが会場となる。
一つの街から派生する創作のつながりを、じっくりと感じに出かけてみては。
「第8回横浜トリエンナーレ」のイベントの一環として、「アメリカ山公園ペーパーランプイベント 野草の灯」が開催。ろうそくで火を灯した「ペーパーランプ」を並べ、公園の敷地全体を使用して「野草」にちなんだ地上絵をアーティストが描く。
来場者もろうそくの設置や点灯に参加できる。幻想的な美しい光が浮かび上がる様子を見に行こう。
創造的なまちづくりを推進する、世界の港町との文化交流事業「ポートジャーニー(PORT JOURNEYS)」のメンバーが展示企画する「SEVEN SEEDS」が開催。激動の世界を見つめ直し、持続可能な未来をつくるための7つのメッセージを次世代に伝えていく作品を紹介する。
メンバーの一人であるミヒャエル・クレス(ハンブルク/ドイツ)による映像とサウンドインスタレーション作品「I WAS」のほか、持続可能な社会のためのアイデアを世界公募し集まった作品群を展示。戦争、災害、環境問題、AI ・ テクノロジーなどのイシューを今一度受け止め、持続可能性を実践するヒントが得られるだろう。
「第8回横浜トリエンナーレ」の公式グッズや、横浜ゆかりのアーティストやクリエーターが制作したグッズを販売するショップ「横浜クリエイティブCOOP」が、「BankART KAIKO」内のショップエリアに期間限定でオープンする。
会場内に、横浜のアート情報を入手できるインフォメーションセンターを設置。また、オープン期間中の土曜日には、アーティストたちが集いトークやイベントを行う「横浜クリエイターズ・ナイト」も開催する。
横浜に集積したクリエーターたちの「いま」を感じよう。
2024年に第2回を迎える国際アートフェアが、昨年同様「パシフィコ横浜」のC・D ホールで開催。世界各国から約75のギャラリーが集結し、現代アートの売買をはじめトークプログラムやイベントなどを行う。