Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima | Tiny Toria Tearoom
Photo: Kisa Toyoshima

東京、イギリス気分を味わえるスポット10選

パブやカフェから音楽バー、ファッションスポットまで

Camille Hine
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タイムアウト東京 > Things to Do> 東京、イギリス気分を味わえるスポット10選

伝統的な東京の街並みとまばゆいネオンの間を、「ユニオンジャック」がはためいている。窓の向こうに見えるのは、まるでイギリスの街角のような光景だ。

ロンドン出身の私が東京で暮らし始めてまず取り組んだのが、都内のおすすめのイギリス系パブやスポットを探すことだった。数え切れないほどのパブ巡りやクリームティー、ショッピングを重ね、今では「故郷に帰ったような場所」を求める人に向けて、イギリスらしさが感じられる場所をまとめて紹介したい。メアリー・ポピンズ風に言えば、東京で味わう「イギリスのひとさじ」といったところである。

言うまでもなく、日本で語られるイギリス像は、まずい食事と雨ばかりの天気といったステレオタイプに長く縛られてきた。しかし、このガイドを見れば、それだけではないことが分かるはず。東京に住む人がイギリスへの愛情から自分らしいアレンジを加えてまったく新しい場所を作った店もあれば、イギリス出身者が営み、ホームシックなイギリス人から「名誉イギリス人」まで誰でも歓迎してくれる店もある。

近年の経済的な逆風により、長年愛されてきた店の中には閉店を余儀なくされたところもある。それでも、ここで紹介する10軒は今も健在だ。常連客がビール片手におしゃべりに花を咲かせ、家庭的な料理に舌鼓を打ち、イギリスらしいアイテムを買い込んで帰っていく。羽田空港から飛行機に乗る必要はない。気になる場所を選んで、午後のひとときだけでも東京にいることを忘れてみよう。

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  • 六本木

「ホブゴブリン 六本木店」は、誰もが知るイギリス系パブの代表格。イギリス人がまず訪れるパブの一つで、東京におけるイギリス食品の主要な輸入業者でもある。パブクイズの夜やサッカーの試合がある日は特ににぎわい、ビール片手にスクリーンを囲むサッカーファンで活気づく。

ダークグリーンのカーペット、装飾が施されたパブミラー、年代物の醸造所の看板など、店内に足を踏み入れれば、日本からイギリスへ瞬間移動したような気分になるだろう。実際、インテリアは「Hobgoblin Brewery」がイギリスから持ち込んだものだ。

もちろん、「Hobgoblin」のエールをはじめ、ギネスビールビールや「アスパール・サイダー」なども楽しめる。しかし、ここで味わえるのはドリンクだけではない。気軽に立ち寄れる大衆パブのような雰囲気で、一般的な大衆パブよりは少し値が張るものの、アンティークな趣を楽しめることを考えれば納得できる。

料理もドリンクも一通り揃っていて、サンデーローストは種類も豊富。「フル・イングリッシュ・ブレックファスト」もある。故郷の味が恋しくなったら、きっと何か見つかるはずだ。

年末になると、店内には華やかなクリスマスライトがきらめき、まるでイギリスの村にある地元のパブのような雰囲気に包まれる。

東京のど真ん中にあるイギリスのスーパーマーケット。それが「The British Shop」だ。東京に住み始めた最初の週、イギリス人の駐在員たちに教えてもらったのが、渋谷スクランブル交差点からすぐの場所にあるこの店だった。

店内には、「Cadbury」のチョコレートやジャファケーキ、スコーン用のクロテッドクリーム、イングリッシュベーコン、チェダーチーズなど、イギリス人にとって欠かせないものがずらり。渋谷まで足を運ぶのが面倒なら、オンラインショップも利用できる。

店の奥にはイギリス風のデリもあり、出来たてのビーフパイやサクサクのコーニッシュパスティ、熱々のソーセージロールに加え、豊富なチーズも購入できる。最後は、チョコレートスティックが添えられた「99 Flake」のソフトクリームを。多くのイギリス人にとって、子どもの頃を思い出す懐かしい味である。

輸入品なので決して安くはないが、日本での暮らしから少し離れてイギリス気分を味わいたい人にも、イギリスの食文化が気になる人にも、頼りになる一軒だ。

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  • カフェ・喫茶店
  • 人形町

イギリスを何度も訪れてきた「タイニートリア ティールーム」のオーナー・慶本佐知子は、イギリスの田舎にある小さなティールームに魅了されたという。そこで、イギリスのおばあちゃんの家からそのまま持ってきたようなアンティーク家具を組み合わせ、コッツウォルズのおとぎ話に出てくるような小さなカフェを造った。

ラベンダー色の壁には、遊び心のある小物や雑貨がずらり。中でも私のお気に入りは、隅から顔をのぞかせる「PG Tips」のモンキーだ。まさかここで出合うとは思わない、愛嬌(あいきょう)のある存在である。

ヴィクトリア朝風のメイド服を着たスタッフが、繊細な絵付けが施されたティーポットを運んでくる。まるで、子どもの頃の茶会が現実になったような気分になるだろう。アフタヌーンティーは予約必須。ふわふわのケーキ、自家製クランペット、焼きたてのスコーンが並び、イギリスのティータイムへと誘ってくれる。唯一の悩みは、クリームとジャムのどちらを先に塗るかだ。

ケーキは、ヴィクトリアスポンジをはじめ、定番がラインアップしている。食べ終わる頃にはすっかり満腹で、眠気に襲われること間違いなし。それでもまだ食べられそうなら、焼きたてのスコーンをテイクアウトするのもいい。イギリスをテーマにした土産物やオリジナルレシピ本も販売している。

クリスマスには店内が華やかな冬仕様に変わり、白いホリデーシーズンの魔法を少しだけ味わいたい人にもぴったりだ。

「Nutty’s Caff」は、1960年代のロンドンにあるコーヒーバーのような雰囲気を、東京で味わえる店。かわいらしいアフタヌーンティーではなく、イギリスのロックやテレビ番組が流れる中で食べる、ボリュームたっぷりの朝食を思い浮かべてほしい。

チェック柄の床の上には、ヨークシャーティーをはじめとするイギリスの食品が棚いっぱいに並ぶ。一方、店内はシンプルな造りで、主役はあくまでしっかり食べられる朝食だ。

メープルシロップをかけた人気のフレンチトーストや、カリカリのベーコンと目玉焼きを添えたパンケーキを目当てに訪れる人も多いが、ここではさまざまなイギリスの朝食が楽しめる。「フル・イングリッシュ」から、チーズを乗せた「ベイクドビーンズ・オン・トースト」、バターとジャムを塗ったトーストまで、どれも注文を受けてから作られる。

朝は紅茶でスタートするのもいい。紅茶では物足りなければ、ギネスビールで目を覚ますのもあり。どちらにしても、イギリスらしい朝の時間が過ごせる。

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マグレガーの庭に隠れるようにたたずむ「ピーターラビット™ガーデンカフェ自由が丘」では、新鮮なニンジンをかじるピーターラビットが出迎えてくれる。店内は、細部まで物語の世界観で統一。ティーカップや皿、ナプキンには小さなモチーフがあしらわれ、壁には物語の場面やイラストが飾られている。

一人で訪れても心配はいらない。各テーブルには、ティータイムのお供になってくれるぬいぐるみを用意。ビアトリクス・ポター(Beatrix Potter)の世界を初めて知る人にも、懐かしい物語を読み返したい人にも楽しめるよう、小さな絵本も置いている。

日差しをたっぷり浴びながら、バックに流れるのはヨーロッパの音楽。私たちがイメージする、どんよりとしたイギリスとは少し違った雰囲気かもしれない。とはいえ、赤い電話ボックスやアフタヌーンティーなど、イギリスの魅力はしっかりと満喫できる。

しかもアフタヌーンティーには、なんとかわいらしいピーターラビットのクッキー付き。思い切って食べてしまおう。コーヒーにはおなじみのキャラクターたちのラテアートが施され、まるで物語の世界に迷い込んだような気分にさせてくれる。

時間がなくて食事ができない人も、まだ帰りたくない人も、ギフトショップをのぞいてみてほしい。かわいらしいティーカップやトートバッグが購入できる。

  • ショッピング
  • 青山

「MI6」の肩書はなくても、「007」のようなスタイルを楽しんでみたい? 店内にはイギリスのロックが静かに流れ、まるでメイフェアの隠れ家のような「ヴァルカナイズ ロンドン 青山」。仕立てのよいスーツに、英国の伝統を受け継ぐブランドや現代的なブランドを組み合わせて取り揃えている。

ショップが発行しているマガジンを片手に、「Parker」や「N.Peal」、英国王室にも愛用されている「Smythson」「FOX UMBRELLAS」などを見て回ろう。ここに来たからといってジェームズ・ボンドになれるわけではないが、マティーニをどう頼むかは心得ていそうな雰囲気にはなれるはずだ。

ラックに並ぶアイテムの向こうに目をやると、地下鉄のエスカレーターを写した大きな写真が階段スペースいっぱいに広がっている。首都の日常を切り取った一枚が、2つのフロアをつないでいるようだ。

ショッピングの合間にひと息つきたくなったら、店内のカフェへ。「グローブ・トロッター(GLOBE-TROTTER)」のスーツケースを買う理由を、頭の中で考えるのにもぴったりだ。そして帰る前には、店内のユニオンジャック探しに挑戦してみよう。大きなビンテージのユニオンジャック柄ソファ、果たして見つけられるだろうか。

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  • 恵比寿

イギリスのロックンロールを聴きながら、ボリュームたっぷりのパブフードとたっぷり注がれたドリンク。恵比寿の街を見下ろすような場所にあり、重厚な鉄の扉の向こうにある「What the Dickens!(ワット ザ ディッキンズ)」は、まるでイギリスへ続く秘密の扉だ。

東京で最も歴史の長いイギリス系パブの一つで、1990年代から営業を続ける、知る人ぞ知る店。薄暗い2フロアの店内は、素朴な「シェイクスピア劇場」のような造りで、ステージを囲むように小さな居場所が設けられている。

ステージではイギリスの往年のヒット曲をはじめ、ジャズ、コメディー、詩の朗読など、さまざまなパフォーマンスが毎晩繰り広げられる。

満足感のある定番パブフードと、ドラフトビールやエールなど豊富なドリンクを味わいながら、ぜひバターの風味豊かなアップルパイも試してほしい。東京の真ん中で故郷を思わせる味を楽しめる一皿だ。

クリスマスシーズンに訪れるなら、ホームシックな気分も吹き飛ばしてくれるはず。いつものビールとクリスマスらしい料理、そして本場のパブで過ごす冬の夜のような雰囲気が待っている。

  • 音楽
  • 六本木

六本木の地下にある伝説的なライブバー「ABBEY ROAD」では、今日もザ・ビートルズの音楽が響いている。

ステージを率いるのは、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)本人と共演したことでも知られるトリビュートバンドのThe Parrots(ザ・パロッツ)。その名声は東京にとどまらない。ボン・ジョヴィ、スティング、オアシスなど世界的なミュージシャンもThe Parrotsに会うために訪れ、ステージに飛び入り参加したり、壁にサインを残したりしている。

客がテーブルに着き、楽器の準備が始まると、店内には少しずつ期待感が高まっていく。スーツ姿のThe Parrotsが最初の曲を演奏すると、魅力的な歌声とともに懐かしい空気が広がる。きらめく照明が音楽に合わせて揺れ、観客も手拍子やリズムに乗りながら一体になっていく。

リクエストカードがあるため、どの夜も同じステージにはならない。誕生日を祝う場面では、もちろんザ・ビートルズの「Birthday」も演奏される。ステージの合間には、もう1杯ギネスビールを頼むのを忘れずに。ビートルズをテーマにしたカクテルもおすすめだ。演奏中は、それどころではなくなるかもしれない。

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「Mash Bros」のパイ&マッシュポテトは、とにかく絶品。黄金色のパイ生地に包まれたパイは、焼きたての熱々で運ばれてくる。待ちきれず、すぐに頬張ってしまうほどだ。

ガーリックバターをたっぷりかけたクリーミーなマッシュポテトから、ジューシーなソーセージロールまで、全て自家製。食材は毎朝新鮮なものを選んでいる。電話で事前に伝えれば、ヴィーガン向けの料理にも対応してくれる。

しかし同店を特別な店にしているのは、それだけではない。オーナー兼シェフのサード(Saad)だ。アニメや日本のポップカルチャーに引かれて日本へやって来た彼は、イギリス料理も一緒に持ち込んだ。

店内のあちこちに彼の個性が表れている。チョコレートフィンガーやクリームエッグのパッケージが壁にテープで貼られ、片隅にはダーツ、別の場所にはレトロなアーケードゲーム機。レストランというより、近所のリビングルームのような雰囲気である。

「Queer for Fear」のようなコミュニティーイベントも開催され、さまざまな人が集まる場所になっている。新宿近くで、気軽に過ごしながら好きなものについて語り合い、おいしいイギリス料理を楽しみたいなら、同店へ。ここでは誰もが「bro」だ。

「FULL MONTY」という名前に、イギリス人なら名作コメディー映画を思い出してクスッとするかもしれない。しかし「the full monty」には、「全部入り」「全て揃ったもの」という意味もある。そして、その名の通り、このパブではイギリスらしさを丸ごと味わえる。

中でも注目したいのがサイダー。日本で最も歴史の長いサイダーハウスとして、ヘレフォードシャーやサマセットのボトルや樽生をはじめ、世界各地のサイダーを輸入している。

2004年から、ロンドン出身のクライヴ・プール(Clive Poole)と彼の日本人の妻・カエが店を営み、地元の人が通うパブのような温かな雰囲気を作ってきた。サイダー初心者にも、それぞれの好みに合った一杯を親切に教えてくれるので安心だ。

訪れるなら、キッチンがしっかり稼働している週末がおすすめ。フィッシュ&チップスや自家製パイといった定番のイギリス料理から、ハギスやスコッチエッグまで、ちょっと変わったメニューも提供している。料理をつまみながら、サッカー観戦を楽しもう。

本格的なイギリスのパブを探しているなら、ここへ。東京にいながら、まるで故郷に帰ったような時間が過ごせる。

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