店の壁面に描かれた鯛が示すように 錦糸町の麺魚では鯛出汁のラーメンが食べられる。11時からの通し営業をしているが、瞬く間に行列店になったため、夕方には売り切れてしまう。店内には魚の香りが漂い、隣で麺を啜る人が目に入ってもラーメン屋であることを忘れてしまいそうになる。カウンター8席ほどの狭い店には至るところに木彫りの鯛、鯛の盆など鯛グッズが置かれ、期待が高まるが、築地直送の鯛を惜しげもなく使用したスープは、その期待を上回るほどの鯛感。全粒粉の細麺に、桜木でスモークしたチャーシュー、小松菜と、シンプルな構成要素は、上品なのにインパクトがある。チャーシューに乗った柚子のアクセントも良い。『真鯛らーめん雑炊セット』にすれば、薬味の乗った白米をスープに入れシメにできる。ラーメンライスの背徳感を消し去るほどの満足感が得られるだろう。『真鯛らーめん』に鶏白湯を合わせた『濃厚真鯛らーめん』もあるが、こちらはさらに早く売り切れてしまうので注意が必要だ。
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次々に新店がオープンする東京のラーメンシーンのなかで存在感を示すのは至難の技だ。変わった素材で出汁をとったり、異なるジャンルの料理からインスピレーションを得たり、話題になった店は皆趣向を凝らし個性を打ち出している。ここでは、変わり種の魚介系や、新感覚の鶏白湯、原点回帰の中華そばなど、ラーメンハンターがセレクトした注目店20軒を紹介。見逃していた店舗がないか今のうちにチェックしておこう。