Reira Iwabuchi
Photo: Christian Petersen/Getty ImagesReira Iwabuchi at the Women's Snowboard Big Air World Cup finals in 2021

北京オリンピック、女子スノーボードの3人の結果を振り返る

村瀬は最年少メダリスト、岩渕の大技挑戦を各国選手称賛

Emma Steen
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Emma Steen
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北京冬季オリンピック2022、スノーボードでの日本選手の活躍は目覚ましかった。2022年2月11日には、平野歩夢が『トリプルコーク1440』を決めて金メダルを獲得し、オリンピック史にその名を刻んだ。「トリプルコーク1440」は、空中で横に4回転して、同時に縦に3回後方宙返りするという非常に難易度の高い大技。こうした快挙は、15日の女子スノーボードビッグエア決勝でも起きた。

2月14日の女子スケートボードビッグエア予選では、村瀬心椛(むらせ・ここも)、岩渕麗楽(いわぶち・れいら)、鬼塚雅(おにつか・みやび)がそろってベスト5入りした。2020年の『X Games Aspen 2020』では、この3人が金、銀、銅メダルを総なめにしており、今回も日本人が表彰台を独占するのもあり得ない話ではないと思われた。しかし、現実は厳しかったようだ。本記事では、この3人について15日の決勝の結果とともに紹介したい。

村瀬心

村瀬は2008年、弱冠13歳にして『X Games』において最年少で金メダルを獲得したことで名をはせた選手。現在17歳の村瀬は、2018年の平昌オリンピックでキム・クロエが輝いたオリンピック最年少金メダリストの称号を奪還するものと期待されていた。

予選ではベストスコア171を獲得して2位。176.5で1位となったニュージーランドの20歳の選手、ゾイ・サドフシスキシノットとの差はわずか5.5ポイント。金メダルは射程圏内と思われたが、ふたを開けてみると、村瀬は3位で171.5、サドフシスキシノットは2位で177.0という結果に終わったのは残念だ。

1位となったのは、予選6位のオーストリアのアンナ・ガッサー。ガッサーは、平昌オリンピックでもビッグエアで金メダルを獲得、今回も決勝で2位以下に大きく水をあける185.5で2連覇を果たした。

金メダルには届かなかったが、17歳3カ月でのメダル獲得は、浅田真央が持つ19歳5カ月を更新して日本人冬季女子オリンピック選手の最年少記録。読売新聞によると、村瀬は銅メダル確定後のインタビューで「私だけで取れたメダルではないのでみんなに感謝しかない」「めっちゃ楽しみました」と語ったという。

 

岩渕麗楽

岩渕麗楽は、平昌オリンピックに続いて2回目の出場。2018年のデビュー時は16歳で、女子スロープスタイル決勝14位、ビッグエア決勝4位という結果を残している。現在20歳の岩渕は躍進めざましく、6日のスロープスタイル決勝では5位という好成績だった。

今回の予選では村瀬に続いて158.5で3位で、決勝では高難易度の「トリプルコーク」に挑戦、着地に失敗するも166.0で4位となった。

平昌オリンピックと同じ4位でメダルには届かなかったが、NHKの中継ではこの挑戦に対し、パフォーマンス後に各国選手が駆け寄って岩渕をたたえる場面もあった。読売新聞の報道では、「悔しい気持ちの方が多い」「競っていた選手に一緒に喜んでもらえてよかった」とコメントしている。

鬼塚雅

鬼塚の獲得したメダル数は、ほかの追随を許さないものだ。弱冠23歳にして、『X Games』やワールドカップなどでの5回の優勝を含めて、表彰台に上ったのは15回にもなるというから驚異的だ。予選では154.25で5位にとどまったが、ほかの選手がほとんどまねできない大技「キャブダブルコーク1260」を隠し持っており、メダルも期待されていた。

決勝ではこの技にチャレンジするも、着地に失敗して転倒して結果は11位、平昌オリンピックでの8位の雪辱を果たすことはできなかった。日刊スポーツのインタビューでは、「着地に失敗したのは残念だが、挑戦できたのは幸せ」と語っている。

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