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東京、2月にリバイバル公開される映画

『時計じかけのオレンジ』『ポーラX 4K』など、スクリーンで再燃する狂気とカルト

Rikimaru Yamatsuka
テキスト
Rikimaru Yamatsuka
作家
時計じかけのオレンジ
『時計じかけのオレンジ』© Warner Bros. Entertainment Inc.
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早いもので2月である。新年は燃えたぎる大志を胸に「今年はこういう事をしてやる。ああいう事にも挑戦してやる」と鼻息荒く拳をにぎっていたのに、そのバイタルも日々の濁流の中に押しやられ消え去ってしまったという読者諸君も多いことだろう。

そんなアンニュイな読者諸君に勧めたいのは、映画鑑賞である。それも名作のリバイバル上映だ。映画は人生を変える可能性がある。人生とまでいかなくても、1年、いやさ1カ月、いや1日を確実に変えてしまう。

誰しも経験があるだろう、胸が空くようなアクション映画を観た後、なんだか自分も強くなったような気がして、肩をいからせながら雑踏を歩いたりしたことが。名作が放つパワーを劇場の大スクリーンで浴びることは、人生におけるドーピング行為と言ってもいい。

本稿では、2月に公開されるリバイバル映画の中から、珠玉のオススメ作品を紹介する。

『ファーゴ 4K』(1996年)

ファーゴ 4K
FARGO © 1996 Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

「アカデミー賞」7部門にノミネートされ、見事主演女優賞・脚本賞に輝いたコーエン兄弟の代表作がスクリーンにカムバック。

借金返済のために妻の狂言誘拐を目論んだ男が、どんどん最悪な事態に陥っていくというブラックユーモアをふんだんに散りばめたクライムサスペンスで、リアルな残虐描写と滑稽なギャグの絡み合いがとにかく強烈に面白く、かつ独特の余韻を残す傑作である。

フランシス・マクドーナンドの重厚な存在感や、小物を演じたら世界一なスティーヴ・ブシェミの芸達者ぶりなど俳優陣の演技も際立っているし、カーター・バーウェルによる劇伴も素晴らしい。98分という尺も非常に適切だ。

新宿ピカデリー」「MOVIX亀有」ほかで、2月13日(金)から2週間限定上映

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『レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター』(2000年)

レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター
REQUIEM FOR A DREAM © 2000 Requiem For A Dream, LLC. All Rights Reserved.

鬱映画の金字塔として、公開から26年がたつ今も世界中を絶望のドン底に陥れている衝撃的傑作が、よりによって4Kリマスターで鮮やかに蘇る。一言で言ってしまうと、夢を叶えるべく麻薬売買に乗り出したジャンキーたちが超絶不幸になるという話なのだが、本当に嫌な映画だ。マジで本当に落ち込む。

ジャズミュージシャンの菊地成孔は本作を試写会で観て危うく失神しかけたそうだが、蓋し納得である。ストーリーは陰鬱そのものでありながら、サグい音楽とスピード感あふれる映像が鬼カッコいいので目が離せないというのもまた最悪である。アカデミー賞にもノミネートされたエレン・バースティンの超絶的怪演に、ぜひ震えながら落ち込んでほしい。

新宿武蔵野館」ほかで、2月6日(金)から上映

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『ザ・ストーン・ローゼズ メイド・オブ・ストーン』(2013年)

2025年11月20日に他界したストーン・ローゼズとプライマル・スクリームのベーシスト・マニの追悼として2日間限定の緊急上映が決定。文字通りロックの歴史を塗り替え、後のブリットポップ・ムーヴメント勃興のきっかけとなった伝説の英国バンド、ストーン・ローゼズの再結成後の活動に密着したドキュメンタリー映画である。

監督は『THIS IS ENGLAND』で英国アカデミー賞にノミネートされたシェイン・メドウズ。とにかくメドウズのバンドに対する愛情が爆裂しまくっていて、ドキュメンタリーとして公平性に欠く場面も見られるが、それゆえファンの心を打つ珠玉の傑作に仕上がっている。

彼らを追うファンの姿にも多くの尺を割いた、現場主義的な構成も斬新&爆涙だ。

シネマート新宿」で、2月14・15日限定上映

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『ポーラX 4K』(1999年)

ポーラX 4Kレストア版
『ポーラX 4Kレストア版』

フランスを代表する鬼才レオス・カラックスが、世紀の傑作『ポンヌフの恋人』から8年の沈黙を破り発表した衝撃作が、4Kリマスターでスクリーンに登場。『白鯨』で知られるハーマン・メルヴィルの長編小説が原作で、狂おしく生々しく破滅的な恋の悲劇が、緑色を積極的に活用したヴィヴィッドな映像美とともに描かれている。

圧倒的存在感を放つカトリーヌ・ドヌーヴとギョーム・ドバルデューの演技がとにかくすばらしいし、ウォーカー・ブラザーズのスコット・ウォーカーによる不穏&美麗なサウンドトラックも強烈。公開当時、賛否両論を巻き起こした問題作だ。

ユーロスペース」ほかで、2月21日(土)から全国順次上映

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 『時計じかけのオレンジ』(1971年)

時計じかけのオレンジ
『時計じかけのオレンジ』

言わずと知れた巨匠、スタンリー・キューブリックによる、映画史のみならず世界中に多大な影響を今なお与えまくる強烈無比なSFヴァイオレンス映画のウルトラ超傑作が、ついにスクリーンへと舞い戻る! 

暴力とセックスに明け暮れる不良グループのリーダー・アレックスの転落と復活を描いた作品で、強迫観念すら感じるほどの完璧な画面構築や、あまりにも格好いい舞台美術やら、電子音楽リミックスしたクラシック音楽やら、確信犯的(誤用)なブラックユーモアやら、もう見どころが無数にありすぎるので、とても記しきれない。

徹頭徹尾、暴力の本質に向き合った映画でありながら、かつポップで超スタイリッシュというところが本作の真に恐ろしいところだと思う。よりによってカッコよくて面白いのだ。

グランドシネマサンシャイン池袋」「TOHOシネマズ日本橋」ほかにて2月13日(金)から2週間限定上映

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