Chowbus founder Linxin Wen
Photograph: John R. Boehm Photography

シカゴ発アジアの食に特化し成功したデリバリーサービス

Chowbus共同創業者が語る成功の秘策は「信頼」

作成者:
Morgan Olsen
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成功しているテック系スタートアップのほとんどは、問題を解決するために創設されたといえるだろう。例えば、Uberは移動を助けてくれ、Pinterestはインスピレーションの整理に、Airbnbは個人物件のレンタルに役立っている。

シカゴを拠点にしたフードデリバリーベンチャーであるChowbusも、共同創業者であるリンシン・ウェンが個人的に抱えていた問題をきっかけに起業した。彼は、自分が好きな個人経営のアジア系飲食店を、人気のデリバリーサービスでなかなか見つけられず、またこうしたサービスで注文すると配送料が高額になると感じていたのだ。

ウェンは「その時、私は『彼らの料理を提供するプラットフォームが構築できるかもしれない』と思いました」と、Chowbusを起業した当時の考えをこう語っている。

Chowbusでは、アメリカで人気のデリバリーサービスであるGrubhubやPostmatesとは異なり、独立系アジア料理店や食料品店のみを掲載している。このように気の利いたサービスを求めていたのはウェンだけではなかったようで、Chowbusは2016年の創業以来、ロサンゼルス、トロント、ミネアポリス、メルボルンなど、世界の26都市に進出。2020年には、3,800万ドル(約41億4,000万円)の資金調達に成功している。これはパンデミックを機会として、Chowbusのビジネスがさらにブームになるだろうと、信任投票を得たようなものだ。

ウェンと共同創業者兼最高技術責任者(CTO)のスユ・チャンは、過去数年間に大成功を収めたにもかかわらず、Chowbusは今でも「信頼」に根ざしていることを強く主張している。彼らの定義する信頼には二つの側面があるようだ。

一つは店からの信頼。ウェンとチャンは、一般的にデリバリーサービスへの参加をためらうような、小さな店のオーナーと強い関係を築かなければならない。Chowbusでは料金を低く抑え、自分たちがコミュニティーに入り込むことでそれを実現している。ウェンによると、Chowbusでは店のオーナー同士の口コミによる紹介が、大きなビジネスにつながっているという。

そしてもう一つは、ユーザーからの信頼だ。フードデリバリーのビジネスモデルは、たとえそれまで知らなかった店の料理でも、消費者が自分に合った料理を安心して注文できるかどうかにかかっている。そのためのChowbusの秘密兵器は、ずばり「おいしそうに見える写真」だという。

Chowbus
Photograph: Courtesy Chowbus


ウェンはユーザーとの信頼関係について、「大切なのは料理とお客さまの間に信頼関係を築くことです。これはAirbnbと似ています。彼らはサービスを立ち上げた初期の段階では、(物件の)写真を撮っていませんでした。しかし、自分たちで写真を撮り始めた途端に、ホストと借り手の間に信頼関係が生まれることが分かったのです。
これと同じことで、なじみのない料理や店との信頼関係をどう築くか。私は、写真は素晴らしいメディアだと思います」と語っている。

しかし、単に写真の見栄えが良ければいいというものでもない。ウェンとチャンは、写真をユーザーが本物の料理をイメージできるようにするための手段として捉えている。彼らはChowbusのユーザーがもう一歩進んで、スイート&サワーチキン、クラブラングーンといった、アメリカナイズされた「無難な」アジア料理メニューばかり注文することから抜け出してもらいたいと考えていているのだ。ちなみにウェンは、シカゴのチャイナタウンにあるSzechwan JMCの激辛麻婆豆腐とMango Mangoの黒米入りスノーホワイトマンゴージュースがお気に入りだそう。

ウェンは消費者の変化についてこう指摘する。「かつては二つのメニューを用意していた店もあったでしょう。アメリカナイズされたメニューと本格的なメニューです。しかし、最近では店側にその必要性を感じなくなっていると思います。彼らは好きな料理を作って、きちんとお金を稼ぐことができるのです。数年前に比べて消費者がより冒険的になっている。これは素晴らしい傾向でしょう」

ウェンとチャンはすぐに、ユーザーが新しい料理を試したいがために、注文する店を一つに絞るのに苦労していることに気付いた。そこでサービス改善に着手し、現在ではユーザーが一度に複数の店に注文できるようになっている。「飲茶を注文したいけど、タピオカミルクティー飲みたい時があります。でも配送料を別々に払いたくないですよね? 隣り合っているのだから、ドライバーに(両方の注文を)同時にピックアップして、配達してもらえばいいじゃないですか」というのがウェンたちの考え方だ。

パンデミックが始まった2020年の初め、Chowbusはアジア食料品店をラインアップに加えた。今ではユーザーは、ライチやチンゲンササイ、冷凍食品やベーカリー商品などあらゆるものを買い求めることができる。この新サービスは、シカゴで外出禁止勧告が出されている間、大好評だった。

Chowbusはまだ革新を続けている。数百万ドルの資金を得た共同創業者たちは、これからの数カ月間を生き抜くために、今、間違いなく支援を必要としている飲食店のオーナーに目を向けている。

「デリバリーだけでなく、あらゆる面で飲食店を支援したい。マーケティングやインフラなど、今後数年間はこの分野に注力していきます。私たちは、彼らオーナーの生活をより快適にしたいと思っていますし、喜んでお手伝いします」とウェンは今後の意気込みを見せた。

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