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ロンドン屈指の紳士クラブがついに女性にも開放

1857年創業の「Pratt’s」がジェンダー平等に向けて一歩

India Lawrence
テキスト:
India Lawrence
翻訳:
Minami Imai
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ジェンダー平等に向けた(なんとも遅まきの)一歩がロンドンで踏み出される。上流階級の紳士限定の会員制クラブ「Pratt’s」が、166年間の歴史のなかで初めて、女性の加入を認めることになった。同クラブには少なくとも十数人の国会議員が会員として所属しているのだが、このたびついに、加入希望者の性別をより平等に取り扱うことを決めた。ようやくだ!

同クラブは、酒を飲みながら打ち解けた会話やビリヤードを楽しむ場だが、1857年の設立以来、厳格に男性限定とされてきた。これまでも軽い昼食のゲストとしてであれば女性の立ち入りが認められてきたものの、夜は入館不可だった。

だが、今はもう19世紀ではない。2023年5月下旬、同クラブのオーナーであるバーリントン伯爵のウィリアム・キャベンディッシュ(William Cavendish)から全会員宛てにメールが送られた。そして、「女性を会員として迎えるためにクラブの慣習を変えることに全会一致で合意した」「直ちに施行する」と伝えられたのだ。伯爵らは、新規則を「クラブを強化し、活性化するための、前向きで必要かつ発展的な変更」と述べている。

若い会員たちは、組織を男性限定とすることの法的根拠を「危うい」と考えており、この変更を歓迎したと「ガーディアン」は報じている。しかし、このインクルーシブな新方針を喜ばない会員もいる。ある会員は「テレグラフ」の取材に対し、女性の加入は「まったくもって恐ろしい」と述べ、「私たちの知っていた『Pratt’s』の終焉だ」と付け加えた。

多くの貴族の会員を抱える高級クラブとして知られる「Pratt’s」は、由緒あるセント・ジェームス通りのタウンハウス(貴族用の市街地、多くの場合ロンドンでの居宅を指す)内にある。また、作家イアン・フレミング(Ian Fleming)の小説「ジェームズ・ボンド(007)」シリーズに登場する架空のクラブ「Blades」の着想源のひとつにもなった。

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