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神田の近江屋洋菓子店が被災地の経済回すためのチャリティーバッグを考案

デザインから配送まで全工程を石川県で実施、オーダーキャンセルなどで抱えた在庫生かす

テキスト:
Genya Aoki
近江屋洋菓子店
Photo: Kisa Toyoshima
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神田にある創業130年の老舗洋菓子店「近江屋洋菓子店」が、「令和6年能登半島地震」で被害に遭った被災地を支援するため、原料から一次加工、印刷・郵送など全ての過程を石川県内で行うチャリティーエコバッグを作成した。全収益は、地震の義援金として送付される予定だ。

近江屋洋菓子店
Photo: Kisa Toyoshima

石川県は、ナイロン、ポリエステルなどの合繊長繊維織物における全国の約40%を生産する一大産地である。しかし、地震の影響によって甚大な被害を免れ、稼働できる工場への注文もキャンセルが相次ぎ、原料も過剰な在庫を抱えてしまっているという。

近江屋洋菓子店の店主である吉田由史明は、石川県にある製作会社の担当者からそうした状況を耳にし、支援できないだろうかと考えた。そこで供給先を突如断たれてしまった原料を使い、石川の経済を止めないことに重点を置き、全過程を石川県内で行うオリジナルのエコバッグという形での支援を決めたという。

菓子販売での義援金も検討したが、賞味期限があり、全国配送や大量生産に向かないため断念。以前ノベルティバッグなどを作成した折に好評だったこともあり、同形式にしたのだとか。

2024年1月7日に、公式Xで、所在地が石川県でバッグを作成できる企業や、石川県在住もしくは出身でデザインできる人などを募集。個人、会社含めて20件を超える賛同者が集まり、以下のような形で全工程を細分化して分担することになった。

デザイン:金沢
繊維(糸) 作成中能登
生地作成:金沢
生地染色:小松
バッグ縫製:小松
デザイン印刷:金沢
配送作業:野々市

経済を止めないため、作成にかかる諸経費は各会社に適正に支払われる。

近江屋洋菓子店
画像提供:近江屋洋菓子店チャリティーエコバッグ(タテ330㎜×ヨコ270㎜×マチ120㎜、持ち手500㎜)

バッグのデザインは「能登半島と近江屋洋菓子店がつなぐ、心を一つに」という思いが込められており、イラストには同店の看板商品である「苺サンドショート」と能登半島がハートでつながっているようなイメージになっている。 全体の色は、近江屋洋菓子店のイメージカラーであり、世界農業遺産である「能登の里海里山」のカラーでもある青色を採用した。

近江屋洋菓子店
Photo: Kisa Toyoshima「苺サンドショート」

商品は、2月1日(木)9時から公式オンラインショップで購入できる。素材はナイロン100%で、価格は1,650円(税込み、別途送料)だ。5月から順次配送される予定である。

被災地では、交通規制や断水など依然厳しい状況が続いているが、27日から石川県では、ボランティア派遣への募集が始まった。NHKニュースによると、1万4500人が事前登録を行ったという。被災地のためにできることはないかと考えている人は、復興のための経済活動を始めてみては。

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