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Photograph: Time Out/Shutterstock

逆境の中でもホテルより「エアビー」が増える理由

2023トラベルトレンド:民泊サービスのさらなる拡大と多様化

テキスト:
Grace Beard
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
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2008年の創業以来、Airbnbは「世界征服」としか言いようのない快進撃を続けている。同社は元々、小遣い稼ぎのために何人かの友人が集まり、リビングルームを貸し出したのをきっかけにビジネスをスタート。今では世界最大の民泊サービス会社に成長し、2022年時点で220の国と地域における10万都市の物件を掲載している。また、その飛躍の過程では、模倣者やライバルも登場した。

民泊への反発

しかしそうしたブームの中で、「民泊への反発」も次々と湧き出ている。バルセロナ、アムステルダム、ベルリンなどの都市でAirbnbや類似プラットフォームが人気を博し、その結果、家賃の高騰、住宅不足、地域全体の「観光化」などが表面化、非難されるようになったのだ。例えばイギリスでは、​毎日平均29軒の住宅が民泊市場に流出しているという。

こうした状況に対する動きは、世界中のコミュニティーで活発だ。2019年には、ヨーロッパの10都市が欧州連合(EU)に宛てた書簡に共同署名し、民泊に対する規制強化を要求した。

自治体単位では、厳しいルールをすでに導入しているケースも見られる。2017年、ロンドンでは民泊サービスを提供する場合、年間90泊までに制限され、スペインのパルマ・デ・マヨルカではAirbnbスタイルで物件を貸すことが事実上禁止になった。

南カリフォルニアのサンタモニカでは、全戸貸しの場合は連続30日未満という制限が導入され、1つの部屋を貸し出す場合は、その家にホストが住んでいることが求められている。2022年12月、ニューヨーク市はより厳しい規則を発表。これにより同市では、2023年に1万件のAirbnbレンタルが消滅する可能性があるとの試算もある。

しかし、民泊に対する苦情は、地域社会や政府だけが上げているわけではない。2022年、Airbnbは隠れた料金、門限、家事リストに関する宿泊客からの新たな批判の波に直面。ソーシャルメディア上では多くの人々が民泊よりもホテル滞在の良さを称賛した。ベッドメイクやゴミ出し、夜中の3時に薬局を探す手伝いをしてくれるのを嫌がる人はいないということだろう。

民泊の逆襲

一瞬、民泊に対して激しい向かい風が吹いたように見えた。しかし同時に、2023年になっても、その需要がなくなったわけでもないことも明らかなのだ。Airbnbはこのパンデミックから無傷で脱出したどころか、2022年第1四半期の予約件数が2019年の同時期と比較して80%増加したと報告。そして、民泊の市場全体は拡大を続けており、全戸貸しプラットフォームであるVrbo(1995年に設立、最近ブランドを変更)は、Airbnbの主な競合の一つとして台頭している。

Airbnbは、批判や競争をただ受け止めているだけではない。同社は宿泊客からの反発を受け、隠れた手数料を廃止した。旅行業界の情報サイトであるSkiftは、この動きは2023年の民泊市場に波及するであろうと指摘している。

ワーケーションとキッチン

さまざまな批判はあるものの、民泊にはホテルと比較して重要な利点がある。特に、家族連れや複数の部屋を必要とするグループには常に人気なのだ。

それに加え、近年の「リモートワーク革命」が追い打ちをかけ、デジタルノマド、長期滞在、「ワーケーション」での利用が爆発的に増加している。こうした目的には、ホテルよりもアットホームな雰囲気を提供できる民泊の方が向くのだろう。実際、ホテルでは平均2泊するのに対し、民泊では5日半も滞在するというデータもある。

さらに、ホテルの部屋にはほとんどないものが民泊にはある。そう、キッチンだ。エクスペディアは、2023年には旅行者が外食費を抑えるために、料理ができる設備のある宿泊施設を探すようになると予測している。

2016年のHotel Tech Reportで、ホテルよりも民泊を選ぶ理由の第1位に挙げられているように、「キッチンがあること」はかねてから民泊の魅力だ。世界的に食料コストを押し上げているインフレが起きている今、民泊ニーズとキッチンの関連性はさらに高まっているといえる。

我々もそれに同意せざるを得ない。レストランはもちろん素晴らしく、新しい旅先を知る上で不可欠な要素だ。しかし、海外のスーパーマーケットで買い物をし、その土地の生活を垣間見ることも、何にも代えがたい体験なのだから

次世代の民泊

Airbnbは基本的に網羅的なアプローチを取っている。もし、違う選択肢を探しているのであれば、よりこだわったモデルを提供する民泊サービスが増えつつあることは朗報といえるだろう。

例えば、「Fairbnb」は、地域貢献意識が強い地元住民が所有する物件のみを掲載。一人の人間が物件を独占することを避けるために「1ホスト1ホーム」ルールを順守している。環境に配慮した民泊だけを紹介する「Biostays」や「Ecobnb」といったサービスもある一方、ゲストが不愉快な思いや安全上の問題に遭遇するのを防ぐために、掲載物件を一つ一つ吟味することを約束している「Plum Guide」のようなサービスも出てきている。

昔ながらのB&Bに泊まるという選択肢も見逃してはならない。ホテルと民泊の中間に位置し、両者の長所を兼ね備えたこのスタイルは、Airbnbが当初目指した地元の人々との本物の宿泊体験と、ホテルのフレンドリーなサービスを組み合わせたものといえる。また、B&Bは一般的に観光エリア内にあるため、地元の人々が観光によって住居を奪われたり、近隣の環境が変化したりすることを防ぐことができるという点も評価に値する。

もちろん常にホテルでの快適な滞在を好む人はいるだろう。しかし、コストアップの時代にあって、価格競争力があり、快適な民泊は魅力だ。そして、コミュニティーを重視する旅行者の選択肢も増やしている。

我々はこう言いたい。2023年、民泊への反発があろうとなかろうとう、この市場はかつてないほど大きなものになるだろうと。

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