Kyotographie 2022
Photo: © The Guy Bourdin Estate 2022/Courtesy of Louise Alexander Gallery

KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭が開幕、4の魅力を紹介

国内で活躍する女性写真家10人を紹介する展示も

Emma Steen
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Emma Steen
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京都市を舞台に開催される写真展、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭 2022』 が開幕した。会期は2022年5月8日(日)までで、10回目の節目を迎える今回は「ONE」がテーマ。あらゆるものが一つにつながり、関わり合って存在しているという意味の仏教用語「一即一切、一切即一」に着想を得ており、「個々の存在を祝祭(Celebrate)すると同時に、その多様性についてたたえたい」という思いが込められている。

今年も京都市内の各所に写真が展示され、第一線で活躍する国内外の写真家による新作や撮り下ろしが集められた。ここでは、写真展で見るべきことをまとめて紹介する。

Kyotographie 2022
Photo: © Maïmouna Guerresi, Courtesy Mariane Ibrahim Gallery

1. 世界的なフォトグラファーが集結

過去2回の展示は新型コロナウイルスによる渡航制限のため、海外の写真家の参加が困難になっていた。今年は規制が緩和され、約2年ぶりに国内外の写真家による数々の作品が展示されている。

イタリア系セネガル人のマルチメディアアーティスト、マイムーナ・ゲレージや、シュルレアリスムにも関わった写真家、ギイ・ブルダンなど、現代を代表する写真家の作品がずらりと並んだ様子は圧巻だ。数十年にわたるキャリアを持つ著名な写真家が名を連ねる一方で、新世代の気鋭写真家の作品も多数集められている。上京区の出町桝形商店に展示された鮮やかなポートレートは、26歳のガーナ人アーティスト、プリンス・ジャスィがスマートフォンで撮影したものだ。

京都市美術館別館ではスタジオポートレートの巨匠として知られるアーヴィング・ペンの作品を展示。これまで公開されてこなかった作品も含め、80点全てがオリジナルプリントという豪華な内容に注目したい。

Kyotographie 2022
Photo: Momo Okabe, ILMATAR, 2020 ©︎ Momo Okabe

2. 現代日本女性写真家たちの祝祭

10周年を記念して、今後活躍が期待される10人の日本人女性写真家の作品を紹介するプログラムも開催中だ。芸術や文化の分野で活躍する女性の才能に光を当てることを目的とする「ウーマン・イン・モーション」の活動の一環でもある。

キュレーションはKYOTOGRAPHIEの共同創設者で共同ディレクターのルシール・レイボーズと仲西祐介、そしてインディペンデントキュレーターであり写真史家のポリーヌ・ベルマールが担当。それぞれの写真家が「写真」というメディアと被写体に対して、全く異なるアプローチをしているのが興味深い。

ホソオ・ギャラリーでは岡部桃や殿村任香が自らのセクシャリティーやジェンダーアイデンティティーに迫った衝撃的な作品を展示。また京都出身の稲岡亜里子は、アイスランドで撮影したシュールな風景写真の数々を公開する。

Kyotographie 2022
Photo: Tears of Sirens © Samuel Bollendorff

3. さまざまなイベントが同時開催 

期間中は写真展だけでなく、より多くの人が参加できるイベントも同時開催している。フランス人の写真家サミュエル・ボレンドルフによるアーティストツアーや、2020年『世界報道写真コンテスト』を受賞した千葉康由を特別ゲストに招いたパネルディスカッションなど、見どころ満載だ。

Kyotographie 2022
Photo: Naoyuki OginoHosoo Gallery

4. 文化的価値の高い名所の数々が会場に

写真とともに、京都の趣深い建造物が楽しめるのも大きな魅力だ。出町桝形商店街などの公共空間や、京都最古の禅寺として知られる建仁寺山内の両足院など、京都市内の10会場で展示が行われる。そのうち8カ所は入場券が必要となるが、5,000円(学生3,000円)のパスポートチケットを購入すれば、全10会場にスムーズに入場することが可能だ。

京都の風情ある街並みに思いをはせながら、写真家たちが作品に込めたメッセージを感じ取ってみてほしい。

『KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭』の詳細はこちら

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