パリ〜ベルリン間が1時間、スペイン企業が目指す「ハイパーループ」網

飛行機移動のストレスを解消できるか?

Ed Cunningham
テキスト:
Ed Cunningham
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
広告

次のような光景を思い浮かべてみよう。時は2050年、パリでポッドに乗り込んで少し寝ると、わずか1時間後にはベルリンに到着している……。例えば、1000キロメートル以上もあるヨーロッパの主要都市間を飛行機よりも短時間で移動できるとしたら、とてもすてきなことだとは思わないだろうか。

しかし、それは単なる奇想天外な空想というわけではない。スペインのハイパーループ企業である、Zeleros社が現在提案している「未来」なのだ。ハイパーループとは、ポッドやチューブを使った輸送方式。空気抵抗を最小限に抑え、現在よりもはるかに速く長距離を移動できる可能性を秘めている。

Zeleros hyperloop designs
Image: Zeleros
Zeleros hyperloop designs
Image: Zeleros
Zeleros hyperloop designs
Image: Zeleros

Zeleros社によるハイパーループのデザインには、エアロックが付いた加圧ポッドが登場する。このポッドで最大200人の乗客を時速1000キロメートルで運ぶことができるという。動力は100%電気で、再生可能エネルギーを供給すれば、環境にも非常に良いということになる。

今、飛行機のない未来が魅力的に見えるのは、地球を救うためだけではない。パンデミック後に航空需要が回復して以来、航空業界は遅延、結欠航、手荷物の紛失、長蛇の列に悩まされている。そうしたストレスのない未来は、実に魅力的なものに思える。

Zeleros社は、パリ〜ベルリン間以外のルートでもハイパーループ路線の建設を計画し、世界中の都市間の移動を短縮できるグローバルな「チューブ」のネットワークを構築しようとしている。例えば、サンフランシスコ〜ロサンゼルス、パリ〜バルセロナ、シドニー〜メルボルン、ボストン〜ワシントンDC間などは、移動の所要時間を全て1時間未満に短縮することが可能だという。

Zeleros社の計画が具体的にいつ実行に移されるかはまだ不明だが、その取り組みや路線網についての詳細は、公式ウェブサイトで確認できる。

関連記事

This futuristic high-speed rail route will take you from Paris to Berlin in just one hour(原文)

ヨーロッパの未来を変える? 期待を集める超高速鉄道ハイパーループ

2022年世界のトレンド:鉄道の「第2次黄金時代」が到来

ニューヨークのマンハッタンに新しい鉄道駅が開業

東京、走らない列車レストラン5選

飲みながら学ベる? メキシコでテキーラ飲み放題の鉄道旅へ

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら  

最新ニュース

    広告