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渋谷でアートとテックの祭典「DIG SHIBUYA」が開催、注目すべき7のこと

1月14日まで、スクランブル交差点での映像鑑賞やNFTスタンプラリーなど

テキスト:
Hanako Suga
DIG SHIBUYA
Photo: Yusuke TsudaDIG SHIBUYA|Little Cloud Skyka by FriendsWithYou
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渋谷を舞台にテクノロジーとアートを掛け合わせた最新のカルチャーを体験できるイベント、「DIG SHIBUYA」が2024年1月14日(日)まで開催されている。会場となるのは「代々木公園」や「渋谷パルコ」など9カ所以上の商業施設や公共空間だ。

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Photo: Yusuke Tsudaオープニングイベントが行われるSpotify O-EAST

渋谷区が共催する同イベントは、最新のデジタルアートやインスタレーション、パフォーマンスなどを街のあらゆる場所で展開。メインプログラムアーティストには、世界中で個展を開催するアートコラボレーショFriendsWithYouを招致したほか、公募で採択された多種多様なクリエーターによる13のプロジェクトがあらゆる場所で観賞できる。

本記事では、同イベントの革新的な7つの見どころを紹介しよう。

1. ハッピーな19個の雲の下を歩く。

「Little Cloud Sky by FriendsWithYou」
会場:代々木公園ケヤキ並木通り

DIG SHIBUYA
Photo: Yusuke TsudaLittle Cloud Skyka by FriendsWithYou

まずはここを訪れて記念撮影とパンフレットをゲットしよう。FriendsWithYouによるポップな雲のインスタレーションは、人間と自然との関係を称え合うシンボルとして制作された作品だ。希望と平和への思いが込められている。直径2メートルの19個の雲の下を歩けば、自然と笑顔になるだろう。

2. アートストリートのパレードに繰り出す。

「ハッピーダンシング・レインボー・アライアンス」
公園通り車両規制エリア

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画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会

13日(土)12〜15時は、公園通りを歩行者天国にし、参加型のアートパレードを実施(パレードは13時まで)。FriendsWithYouによる作品が一同に集結し、闊歩(かっぽ)する。路肩には、アートペインティングや採択プロジェクトのアート展示も並ぶ。ストリート全体がアート空間になる特別なひと時を見逃さずに。

3. 渋谷でブラックホールとつながる。

「Black Hole Recorder by Useless Prototyping Studio」
会場:勤労福祉会館 2階

Black Hole Recorder
画像提供:理化学研究所Black Hole Recorder

ここでは、理研iTHEMSが立ち上げたデザインスタジオ「Useless Prototyping Studio」による体験型の作品が展示されている。薄暗い会場には、人工ブラックホール搭載の蓄音機型のデバイス「Black Hole Recorder」が鎮座している。

これは、量子ブラックホール理論に基づいて制作されたサイエンスアート作品で、ブラックホールの内部に情報を蓄積し、デバイスとして利用する未来を見据えて開発された「ブラックホールストレージ」のプロトタイプでもある。

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Photo: Yusuke TsudaBlack Hole Recorder

実際にBlack Hole Recorderに記録された過去の空間のデータをヘッドフォンで聴けるのもおもしろい。近い将来、会場で録音された音源を宇宙に向けて発信する研究も進められているという。ブラックホールを研究する科学者たちの実際の研究内容を、アート体験として楽しんでみてほしい。

4. 人体培養が当たり前になった未来を覗き込む。

「あなたの人生の培養技術 by Academimic」
会場:勤労福祉会館 2階

あなたの人生の培養技術 by Academimic
Photo: Yusuke Tsuda培養された心臓の一部を位牌と捉えたインスタレーション

Academimicは、科学とポップカルチャーの融合を掲げるクリエーティブレーベル。過去に発表されたさまざまな学術研究を、テクノロジーを利用しながらエンターテインメントとして作品化する。

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Photo: Yusuke Tsuda世界初の人体細胞を埋め込んだアクセサリー

今回展示されているのは、「あなたの人生の培養技術」と名付けられたインスタレーション。「愛する人とのつながり方」をテーマにピックアップした文献を読み解き、「性愛」「婚姻」「死別」というライフイベントに焦点を当てながら、培養技術の可能性を掲示する。

DIG SHIBUYA
Photo: Yusuke Tsuda「培養肉の発達で愛する人を食べられるようになったら」というテーマの作品

培養されたニワトリの心臓の一部を位牌と捉えたインスタレーションや、実際に販売予定である人体の細胞を埋め込んだアクセサリーのプロトタイプ、安心・安全な培養肉の開発によって、愛する人を食べられるようになったらどう思うかというディープなテーマを扱ったものなど、実際に目の当たりにすると少しドキドキする展示だ。

5.「PFP」ムーブメントからNFTを振り返る。

「Decoding PFP Culture by Proof of X」
会場:GALLERY X BY PARCO

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Photo: Yusuke TsudaProof of X

NFTの流通量が劇的に減退した2023年。多くのマーケットプレイスやプロジェクトが閉鎖に追い込まれ、アーティストやコレクターもその姿を消していく状況から、空前のNFTブームが終焉したと言われている。そのような状況の中でもNFTの新たな展開を模索し、推進し続けているプロジェクトやアーティストが存在することも確かだ。

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Photo: Yusuke TsudaProof of X「CryptoPunks」

本展では、2021年のNFTブームを牽引してきた「PFP(プロフィールピクチャ)」というスタイルのNFTに焦点を当て、その可能性から問題点までを探求する。

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Photo: Yusuke TsudaProof of X「Milady Maker × FRUiTS」

会場では、2017年にPFPのスタイルを生み出し、その後のPFPブームの起源にもなった「CryptoPunks」を展示。そのほか、現在もSNSを賑わし、ファッション性や次世代のキャラクター要素を持ったPFPプロジェクト作品、ツイッターなどのアイコンとしての普及、PFPの技術的な拡張の実験や批評を行う作品などを紹介する。今までNFTカルチャーに触れたことがなかった人も、興味を持つきっかけになるはずだ。

6. 深夜の渋谷スクランブル交差点で映像作品を鑑賞する。

「Shibuya Crossing Night Art」
会場:渋谷スクランブル交差点

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画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会

イベント期間中の24〜25時にかけて、スクランブル交差点から見える4つの大型スクリーンを連動させた映像プログラム「Shibuya Crossing Night Art」が展開。Asako FujikuraやYOSHIROTTENなど、30組以上のアーティストの作品が3夜にわたり上映される。

7.渋谷の街を巡ってNFTアートをゲットする。 

「NFTスタンプラリー」
会場:渋谷各所

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Photo: Yusuke Tsuda「NFTスタンプラリー」

イベント期間中は渋谷の街40カ所にQRコードを設置し、街全体を歩きながら参加できる「NFTスタンプラリー」を実施する。人気クリエーターやアーティストが作成した限定NFTを、宝探し感覚で探して集めてみてほしい。「QRコード」の設置場所は、公式ウェブサイトからチェックできる。

Bonsai Collectors
Photo: Yusuke Tsuda

そのほか、宮下パークではシブヤピクセルアートが主催する体験型のプログラムを開催。「Spotify O-EAST」の12日の展示では、「Bonsai Japan Club」を運営し、世界中の盆栽コレクターのコレクションも管理するBonsai Collectorsが、 NFTと盆栽アートを使ったユニークな体験を提供していた。各プログラムの開催場所や詳細は、公式ウェブサイトをチェックしよう。

テクノロジーとともに進化する渋谷で繰り広げられる、最先端のアートとテックの融合を体感してほしい。

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