ディキ・ジェイムズに聞くフエルサブルータの秘密

Kaila Imada
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Kaila Imada
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In association with WA !日本公演製作委員会

パフォーマンス集団フエルサブルータの芸術監督であるアルゼンチンのクリエイター、ディキ・ジェイムズから、品川ステラボールで開催されている日本オリジナルの新作WA ! –Wonder Japan Experienceについて話を聞いた。

ー日本公演での新しいショーはどのように準備、制作されてきたのですか。

制作は順調に進み、本公演は私にとって大きな経験になりました。何よりもずっと、私は日本に心ひかれていました。小さな頃から、祖父母が日本に旅した時の話をしてくれていたんです。ガラス張りの船底から魚が見える船の話や、人形や芸者の話をしてくれました。

ショーの制作に入る前に、日本を何度も訪れました。多くの土地を訪ね、様々なショーや本に目を向けて、インスピレーションを得ようとしました。ショーのアイディアは、日本に関する自由なイメージを表現することです。芸者とは、侍とは何か。歴史の話を作ろうという訳ではありません。日本について私たちが抱いている空想を見せたいと思っています。

日本の人たちに、ショーを観て日常生活とは少し異なる体験をしてほしいと思います。南アメリカの人々は頻繁なボディタッチや抱擁、キスを通して自分自身を表現します。日本の観客はとても礼儀正しいのですが、ショーでは日本人の観客が常識外れなことをしてしまうかもしれない、普段とは違う場所に連れて行きます。私はそんな体験を観客にしてもらいたいと思っています。

ーいつごろからショーのアイディアを思い描き始めたのですか。

10年ほど前に、日本文化をテーマにした、常識外れなショーの上演に向けて準備を始めました。私はすぐにイエスと答えました。今まで依頼されたなかでも最高のプロジェクトになったと思います。まとめ上げるのに長い時間がかかりましたが、共同作業はとても順調に進みました。観客の皆さんはショーの最中に、様々な日本の要素を発見することができますよ。

前作のフエルサブルータから今回のショーに引き継いだ要素はありますか

新作には、完璧に調和することができる要素だけを残しました。新しいことをする良い口実にもなって、新しい舞台装置や仕掛け、セットを制作しました。たとえば、走る侍が登場しますが、このコンセプトはフエルサブルータのショーで不可欠な要素の「走る男」と同じ役割です。

ーひとりひとりのパフォーマーがすごい体力ですよね。このショーのためにどれくらいの訓練や準備を積むのですか。

パフォーマーはショーが始まるずっと前から、準備が整っていなければなりません。リハーサル同様、訓練も数多くこなします。最も重要なのは、健康状態を整えておくことです。それと同時に、ショーの間に彼らは並外れたことをするので、集中力も高めておかなければなりません。

ー観客は何を期待できますか、初めてショーを観る人たちにアドバイスをください。

初めてショーを観るというのは、私たちが想定した完璧なシナリオです。何も知らない人たちにこそ、ショーを観に来てほしいと思っています。最近はインターネット上で物事を簡単に調べられますが、何も調べないで来た方が楽しめると思います。ただ、気軽にショーを楽しみに来てください。考え過ぎず、ただ気軽に楽しむことです。 

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