TOKYO MUSIC BOX #19 Rock Bar REDSHOES

テキスト:
Kunihiro Miki
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in collaboration with KKBOX 

Rock Bar REDSHOES

値段:¥¥

音量:

照度:

出会い:★★

ポイント:ジム・ランビーのアート、奥田民生のアンプ、池畑潤二のドラムセット

この一杯:レッドシューズ40

※プレイリストは記事下部

定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 

第18回に紹介するのは、言わずと知れたロックバーの名店、Rock Bar REDSHOES。ロックを共通言語に様々な交流が生まれるこの店は、国内外の多くの著名ロックアーティストに愛されている店としても知られる。80年代にオープンした西麻布の初代店舗から現在の南青山店まで、40年以上におよぶ紆余曲折の歴史には、まさに伝説と呼べるようなエピソードが数多ある。「今夜は、誰がいるか。何が起こるのか」。レッドシューズを訪れる客は、みんなそんなドキドキを胸に、店の扉を開けてきた。

かの有名なライブハウスグループ、インクスティックのオーナーでもあった松山勲が1981年に初代レッドシューズをオープンしたことが、歴史の始まり。当時の西麻布はまだ閑散としたエリアだったが、松山は風営法改正によってディスコが締め出しを食らっていた時代に、レッドシューズから「カフェバー」という業態を展開し、一大ブームを巻き起こした。間もなくロックミュージシャンたちが集まりだし、ローリング・ストーンズやデヴィッド・ボウイ、ジョー・ストラマー、ブライアン・フェリー、トッド・ラングレン、矢沢永吉、X JAPANなど、国内外のアーティストが現れるようになった。そのころに同店で働き始めたのが、現オーナーの門野久志だ。

「福井県から上京してきたのは、ロックが大好きで、そういうお店を自分でやりたかったから。人づてにレッドシューズを紹介されて、働き始めました。その後、僕が店長になるわけですが、1995年に初代レッドシューズは閉店します。南青山で現在のレッドシューズを再開させたのが2002年。この狭間の時期に僕が始めたラリーというバーに、X JAPANのhideがよく来ていたんですよ。オープンの噂を聞きつけて、ネットも携帯もない時代にわざわざ探してやってきてくれたんです。以来、自宅よりラリーにいることのほうが多いくらい、来てくれてましたね。寡黙に飲んでる時もあれば、暴れるときもあったな(笑)。今のレッドシューズのスタッフや常連客にはhideのファンが結構いますよ」。

 キャンドル・ジュンが置いていってくれたという巨大キャンドル

先代から引き継いだ風神雷神が奥でにらみをきかせる現レッドシューズの店内には、ルースターズの池畑潤二が寄贈したドラムセットや、奥田民生の私物だったアンプが設置されており、いつでもライブやジャムセッションが行えるようになっている。ここで繰り広げられた数々のサプライズな出来事のなかでも、ジャック・ホワイトがシーナ&ザ・ロケッツらとセッションした夜は特に印象的だったと門野は語る。

「その日は夜にシーナ&ザ・ロケッツのシーナさんのイベントが入っていたんだけど、昼間には店でジャック・ホワイトのインタビューをやっていたんだよね。で、夜に出演予定だったThe 5.6.7.8'sがリハーサルにやってきたらさ、なんでジャックがいるわけ?!ってなるじゃない(笑)。彼女らはレコーディングでジャックのスタジオを使ったこともあったから、ジャックに今夜遊びに来てよと声をかけたら本当にきてくれてね。鮎川誠さんたちとセッションしたんですよ」。

そのほかにも、この店での出会いや話がきっかけでウィルコ・ジョンソンがシーナ&ザ・ロケッツやプライマル・スクリームのライブに参加したり、中村獅童やJ(LUNA SEA)、仲野茂(ex.アナーキー)、内藤幸也(A.R.B)らがバンドを結成したりと、奇跡的な繫がりを生むサロンのような存在として、同店は音楽史に足跡を残してきた。こんなにも長きにわたってアーティストや常連客に愛される秘訣とは何なのか。

「特別なことはしてないですけどね。一人で来ても全然大丈夫な店だし。うちのバーカウンターって、ギターの『レスポール』のボディの形をしているんです。この形って、どこに座ってもカウンターにいる客のほとんどの顔が見渡せるんです。みんなと仲良くなれるようにね。コミュニティーを作る秘訣があるとすれば……自分が繋ぎになるってことじゃないですかね。潤滑油というか。人との繫がりって、誰に紹介されたかで大きく左右されるじゃないですか。だから、僕が繋げたことが価値を生むような、そういう人間でいたいとは思っていますね。そのためには音楽の存在ももちろん重要だしね」。

同店がかいくぐってきた40年間で、世の中にはインターネットや携帯電話が普及し、街場に繰り出さなくても無限に娯楽を享受できるようになった。しかし、自分次第ですべての情報にアクセスできる時代だからこそ、不意に現れる運命的な出会いが待ち受けているレッドシューズのような場所は貴重なのかもしれない。

そんなレッドシューズを音楽で表現してもらうべく、営業中にプレイした曲がウケた時が最も楽しい瞬間だという門野にプレイリストを作成してもらった。第1弾のテーマは「R&R Is Alright」。「『ロックの迎賓館』レッドシューズがお送りするプレイリスト#1は『R&R Is Alright』と題し、究極の王道ロックンロールナンバーをセレクト。どんな気分の時も必ずテンションが上がり、最高な気分になれる、そんな選りすぐりの10曲です」。 

プレイリストリンク 先:KKBOX

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プレイリスト]

  

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