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TOKYO MUSIC BOX

プレイリストとともに巡るミュージックカフェ、バーの名店

in collaboration with KKBOX

都内のミュージックカフェ、バーなど、コミュニティを通じた音楽体験ができるヴェニューを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介。普段はなかなか公にされることのない、名店で日々プレイされている定番曲や珠玉の名曲を紹介する。

本企画の特設サイトはこちら

TOKYO MUSIC BOX #31 Bar Bonobo
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TOKYO MUSIC BOX #31 Bar Bonobo

      in collaboration with KKBOX                  Bar Bonobo 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★ ポイント:踊れるけれど会話もできる音の良さ   テキスト:Ken Hidaka (hangouter) 撮影:鈴木大喜 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 神宮前2丁目にあるBar Bonoboは、音楽の真髄が感じられる隠れ部屋的な、まるで外国のホームパーティのような雰囲気が漂うDJバーだ。今年で14周年を迎える同店は、フレンドリーで個性が溢れるスタッフが温かく迎え入れてくれ、老若男女、古今東西のDJやクリエイター、音楽好きや自由人たちの憩いの場として親しまれている。クラブ界の重鎮たちから若手DJ、色々なスタイルのライブなど、濃い音楽がほぼ毎晩、1階のメインフロアと2階の畳部屋で響き渡っている。         Bar Bonoboは、1990年代をニューヨークで過ごした成浩一が2003年の末にオープンした。成は、先日逝去した御大デヴィッド・マンキューソの本拠地であるザ・ロフトや、CBGB、ニッティングファクトリーなどといったニューヨークの伝説的な音楽スポットで洗礼を受け、また知る人ぞ知る京都の伝説的なニューウェイブバンド「のいづんずり」のニューヨーク版のメンバーにもなり、異色な音楽修行を現地でたっぷり体感した人物である。   プレイリストではDJとしても活躍する成が、Bar Bonoboベスト10を選んでくれた。「これはいわゆるフュージョンな音ですが、展開やメロディがミニマルで、後半のラテンなブレイクも良いです。 最初は大丈夫かな、と思いつつかけてみましたが、やはりこの繰り返しの感じがポイントで、こういう音楽でもフロア受けが良いのが嬉しかったです」 「イタリアのアーティストで、今は歌手になっているが、初期はこういう実験的なものを作っていた。クラブでかけると、本当に小難しい音楽とか、シュトックハウゼンをかけても誰も踊らないじゃないですか。こういうものを少し見つけてプレイしようと心がけている。ボノボでかけて手ごたえを感じたら、確信を持ってどこでもかけられる」         成いわく、Bar Bonobo前史はこうである。「バブル末期に僕は24、5歳で、高校生相手にブルーハーツを教えるヤマハのギターの先生でした。でも、あるタイミングで自分の中でSOS信号が出て、この環境から脱出しようと決心した。元々Televisionなどのニューヨークパンクが好きだったので、ニューヨークに渡った。セントラルパークでボケっとしていると、皆裸で読書したり、サッカーしていて、六本木よりも落ち着いている。意識改革が起きてしまって、もう一度音楽を真剣にやろうと決心するきっかけになった」。 田畑満が初代ギタリストとして在籍し、戸川純も一時期メンバーだったのいづんずりのリーダー、福田研も同じ時期に移住し、彼が貼ったメンバー募集を5番街の札幌ラーメン店で見つけた成は、ニューヨーク版のいづんずりに加入する。バンドはその後、ニッティングファクトリーでライブをするグループにまで成長していった。「バンドの勢いが増して人気が出たけれど、僕がちょっとバンドに対して悟るのが遅すぎた。

TOKYO MUSIC BOX #30 JAZZ喫茶 映画館
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TOKYO MUSIC BOX #30 JAZZ喫茶 映画館

      in collaboration with KKBOX                  JAZZ喫茶 映画館 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★★ ポイント:オープンリールや映写機、カメラ、映画ポスターなど、店内の様々な機材やアンティーク   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回は、都内で最も個性的なジャズスポットのひとつであるJAZZ喫茶 映画館を紹介する。サイフォンで淹れたコーヒーをすすりながら、スピーカーから流れるジャズに耳を傾け、静かに贅沢を味わう。そんな光景が、この店では40年間変わることなく続いてきた。       扉を開け、店内に足を踏み入れると、時間の流れがひどくゆっくりになる。奥に鎮座する大きなスピーカーをはじめ、店内のあちこちにオープンリールや、映写機、カメラ、映画ポスターなど、様々な機材やアンティークが置かれている。ドキュメンタリー映画を製作していた経歴を持つ店主、吉田のマニアックな趣味だ。       ホーンやプレイヤーの木製部分はすべて吉田の自作だ     1976年から白山で営業するこの店は、もともとは吉田が仲間と一緒に映画を上映するためにこの店舗スペースを借りたのが始まりだ。その後、次第に現在のジャズバーへと変容を遂げ、素晴らしいオーディオシステムに加えて、貴重なジャズレコードの数々、さらには棚には多くのフィルムや写真集など、ジャズマニアや映画マニアたちが惹きつけられやってくる店となっていった。 「ジャズは曲単位ではなくLP単位で聴くものですし、私が選ぶ曲はデータで聴いても面白くない曲ばかりかもしれないですが……。10曲ということでしたら、スタンダードなジャズナンバーから色々なバージョンを選んでみますか」。ということで、スタンダードナンバーを軸にプレイリストを作ってもらった。                 「ジョン・コルトレーンの『My Favorite Things』は、これだけで30枚以上あります」とのこと。今回は、アルバム『My Favorite Things』のテイクと、彼が亡くなる3ヶ月前に録られたライブ録音『The Olatunji Concert:The Last Live Recording』からのテイクの2パターンを選んでくれた。     「このエリック・ドルフィーの『Out To Lunch』は、オリジナル盤は溝が深くて、非常に迫力のある音がするのです。この作品は、大友良英さんがお気に入りということで、以前にdoubtmusicからカバーアルバムを出していました(『ONJO plays Eric Dolphy's Out To Lunch』)」。     「日本人で選ぶなら、美空ひばりはすごいジャズシンガーでした。美空ひばりをかけるジャズ喫茶は、あまりないと思いますが(笑)。ひばりさんの息子さんも、来店されたことがありますよ」。   ジャズとレコードに深い愛情を注ぐ吉田は、リクエストにも気軽に応えてくれる。昔ながらのジャズ喫茶の雰囲気を味わいたいひとは、ぜひ訪ねてみてほしい。   JAZZ喫茶 映画館のプレイリストはこちら 『TOKYO MUSIC BOX』特設サイト

TOKYO MUSIC BOX #29 天狗食堂
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TOKYO MUSIC BOX #29 天狗食堂

      in collaboration with KKBOX                  天狗食堂 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★ この一杯&一品:ハイウーロンと餃子   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回は三軒茶屋で最もディープなDJバー、天狗食堂を紹介。今年9年目を迎える同店だが、週末は深夜から早朝まででは収まらず、昼すぎまでぶっ続けで営業する、ハードな遊び人と飲んべえたちの終着駅である。   店内奥には良い感じにラフなDJブースが。DJは基本的に平日も含め毎日入っており、ジャンルもディスコ、レアグルーヴ、ワールドミュージックからハウス系までと幅広い。アニバーサリーイベントではDJ NORIが出演したりと、大御所が登場することもしばしばある。DJバーにしては珍しく、踊れるスペースがしっかりとあるのが嬉しい。     店主の千田顕一郎は、1990年代のクラブカルチャー最盛期に青春時代を過ごした世代。秋田から上京した大学時代から20代半ばまで、今はなき青山MIXをはじめとするクラブで夜遊びに明け暮れたという。「大学に入ってからレコードとかを買い始めて、仲間と渋谷のクラブでパーティーをしたり。青山MIXは敷居の高い箱でしたが、そこでレギュラーパーティーをやっているDJの鞄持ち的なこともやったり、照明をやったりしていました。やっと、翌月からオープンの時間にDJブースに立たせてもらえることが決まって、やった!と思った矢先に、青山MIXが閉店してしまって(笑)。それが2005年くらい。『Body&Soul』が盛り上がってた時期で、俺も買ってるレコードはハウス寄りのものが多かったかな」。 同店を開く以前は都内でカレーのキッチンカー営業やケータリングを生業にしていたが、2007年に独立を決意し、三軒茶屋で同店をスタートさせた。泥酔客だろうが来る者は拒まない千田のスタイルが成立するのも、三軒茶屋という土地柄ならではだという。「ここ数年で、世代的に家庭を持ったりで平日も朝まで飲みに来てくれるような常連さんは減ってしまいましたが、音楽好きはもちろん、最近三軒茶屋に引っ越してきたお客さんとか、ほかの店の店主が自分の店の酔い潰れた客を預けに来たり(笑)。多分、普通の店だったら止めさせることも、俺は止めない、っていうか俺が率先して乗っかっちゃったりするんで(笑)。まあ、これが渋谷とか新宿だったらめちゃくちゃになっちゃって無理なんでしょうけど。三茶でうちに辿り着く時点で、ある程度お客さんも匂いが近い人が来ているというのはありますね」。   千田が語ってくれた9年間のエピソードの数々は、過激さゆえにここに詳細を書けないのが残念なのだが、とにかく濃い。ここでは、クラブや普通のバーとも違う、アルコールと音楽が同居する空間でだからこそ起こるドラマチックな瞬間があるようだ。「明け方に音楽を聴いて泣き出す人とかいますよ。お客さんが2人くらいしかいなくても、なんかその場にいる全員の波長が合っちゃって、朝日が差し込んで来て、この曲が今かかっちゃって、ジーンときちゃうみたいな。うちの店、日差しがめっちゃ入るんですよ(笑)」。というわけで、今回、彼が作成してくれたプレイリストのタイトルはずばり「朝日が差し込む天狗食堂で聴きたい曲」だ。  

TOKYO MUSIC BOX #28 頭バー
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TOKYO MUSIC BOX #28 頭バー

      in collaboration with KKBOX                  頭バー 値段:¥¥ 音量:★★★ 照度:★ ポイント:気軽に入れる雰囲気この一杯:開店当初から人気のウーロンハイ テキスト:高岡謙太郎     定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回紹介するのは、恵比寿と渋谷の中間にあるDJバー、頭バー。渋谷川と明治通りに挟まれた一戸建てを改築した店舗。2階建ての壁一面にはグラフィティが施されているので、一目でそれとわかるだろう。1階がDJブースつきのカウンターバーで、2階の座敷ではくつろぐこともできる。         都内のDJバーにしては珍しく大通りに面しているので一見の来店も多い。バーカウンターの距離は狭すぎず空きすぎず、客同士の距離感を縮め、フレンドリーになりやすい間合いだ。「酔っ払いすぎて夕方まで帰らない人もたまにいるんです。前の店長の木村はくっつけ上手で、ここから何人も結婚した人がいるんですよ」と語るのは、昨年から2代目店長になった押川大二郎。   DJイベントは日々行われている。過去にはイギリスの大御所ダブエンジニア、エイドリアン・シャーウッドがお忍びでプレイしたことも。押川も時折DJを披露する。プレイリストの3曲目までは客から曲名を聞かれることの多い曲だそうだ。「1曲目はアフリカ、コンゴの電気リケンベ(親指ピアノ)グループ、Konono No.1。彼らにしてはダークな曲だったので気に入っていますね」。 レギュラーイベントも幅広く、アダルトな夜遊び企画も。「ノイズから歌謡曲、四つ打ち系もあり、日によってジャンルが違います。毎週水曜日は『妖怪倶楽部』というイベントで、フリーマイクでラッパーたちが自由にフリースタイルを披露できます。そのほかに、おしんこさんという、服を脱いだ素人の女性の写真を撮る催しもありますね」。 この店では台湾人女子が働いていたときから台湾料理がメニューに登場するようになったのだが、「働いていた台湾人の子の婚活パーティを店でやって、2回目で彼氏ができて店をすぐ辞めちゃいました(笑)」。今は彼女の味を改良して出しているそうで、魯肉飯(ルーローハン)、煮玉子、水餃子を中心に屋台料理が楽しめる。   一度この店を訪れたことがある人なら、同店が醸し出す独特なムードを知っていることだろう。非日常感あふれる店の成り立ちを聞くと、「GAS BOYSのイマイさんが立ち上げたスニーカーブランド『マッドフット』の事務所が原宿にあって。そこで週末は内輪の飲み会的なパーティが行われ、『頭バー』と呼ばれていました。100円で買ったチューハイを200円で売ったりして(笑)。それがどんどん広がって知らない外国人も来るようになって、頭バーをリアル店舗化することになったんです」という。 押川の音楽の原体験は、10代の頃。音楽好きの友人の兄がリーダーの、エレクトリックミュージック・ユニットGeodegikにメンバーとして参加。テルミンやサンプラーを担当し、2回目の『フジロック』に出演するという希少な体験をしている。「最近はリーダーの下城さんに全然会っていないですね。頭バーでもライヴしてほしいですね」。 その後、ターンテーブリストとして名を馳せたDJ BAKUのVJ

TOKYO MUSIC BOX #27 JUHA
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TOKYO MUSIC BOX #27 JUHA

      in collaboration with KKBOX                  JUHA 値段:¥¥ 音量:★★ 照度:★★ ポイント:北欧を感じさせる佇まいの内装この一杯:一橋学園駅の名店 南風配達人の豆を使ったコーヒー テキスト:高岡謙太郎     定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回紹介するのは、西荻窪駅にある喫茶店、JUHA。大場俊輔と大場ゆみの夫婦で切り盛りしている同店がオープンしたのは、2010年3月。店名の由来は、フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキによる無声映画『JUHA(邦題:白い花びら)』から。独特なテンポと静けさが魅力のカウリスマキ作品にも通じる、落ち着いた雰囲気の一軒だ。   錆び加減が味わい深い入口のドアは、映写室で実際に使われていたもの。映画『JUHA』で流れるような楽曲を総称して「ロマンスミュージックカフェ」と名付け、開店当初は劇中で流れるような戦前タンゴやクラシックを店内でかけていた。現在は主にモダンジャズのレコードが多いという。 今回のプレイリストのテーマについて聞くと「ジャズは女性ボーカルの方が人気があるので、男性ボーカルの特集があまりないんです。チェット・ベイカーやルイ・アームストロングは有名ですが、こういう小粋なものもあるんだよ、という紹介がしたくて。年代と曲名と小編成のものでまとめました。実際、お客さんの反応も良くて、ここからジャズに入ってくれる人もいます」と語ってくれた。   「この曲は珍しくオスカー・ピーターソンが歌いながらピアノを弾くんです。オスピーが歌っていることを知らない人が多いので。声がナット・キング・コールに似ていて、びっくりする方も多いですね」。 客層は、杉並区という土地柄なのか作家や漫画家が多いという。時には客席でゲラのチェックが行われる光景も。「基本的に本を読みに来る女性の方が多いです。なので、彼女たちの邪魔をしないように、けれど、心に残るような選曲を心がけています」。 フレッド・アステアのこの曲とは、自らが客として出入りしていた喫茶店で出会った。「アステアは小粋の極地なんです。僕の好きな店、吉祥寺のかうひいや3番地で知りました。かうひいや3番地もジャズ専門とは謳っていないけれど、50年代のモダンジャズをよくかけていますね」。     喫茶店という空間で音楽と出会ってもらえることを意識して、プレイ中の曲はレコードジャケットが飾られる。     もともとガレージパンクを聴いていた大場俊輔は、喫茶文化に触れて昭和から続く喫茶店に通うようになる。新宿の珈琲らんぶるで働きながら、同じ通りにあるレコードショップで毎日のようにジャズのレコードを買い求める日々。一方、妻のゆみは、今はなき下北沢の名店、ジャズ喫茶マサコで働いていたという経歴を持つ。その当時に、写真家の沼田元氣による喫茶文化に関する書籍と出会い、さらに、2005年の雑誌『Pen』のジャズ特集と植草甚一特集の号に触発されたことをきっかけに、より喫茶文化やジャズに傾倒していったという。ちなみに、店内の椅子はジャズ喫茶マサコから引き継いだものだ。           プレイリストでは、彼らのルーツであるジャズとパンクを繋ぐ曲も選んでくれた。「モーズ・ア

TOKYO MUSIC BOX #26 Hey Jude
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TOKYO MUSIC BOX #26 Hey Jude

      in collaboration with KKBOX                  Hey Jude 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★ ポイント:ビートルズのゴールドディスクのレプリカと、絶品の魚介料理   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回は、2016年4月にオープンしたピアノ弾き語りバーHey Judeを紹介。ビートルズはもちろん、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクルにクイーン、マイケル・ジャクソン、エアロスミスなど、1950年代から90年代までの洋楽ヒットソングを生の弾き語りでリクエストできる、ロック親父殺しな一軒だ。   同店の店主は、島根県益田市で長年弾き語りバーを経営してきたPaul Machida。娘が中学生になるタイミングを見計らい、長年の夢であった東京進出を果たした。五十路を過ぎての思い切ったチャレンジだが、益田市出身者たちの力強いネットワークの助けもあり、宮益坂上の路地裏に構えた店は連日賑わいを見せている。 実家が経営するイタリアンレストランでの修行と、中学生時代から精を出していたバンド活動、それら2つの軸がこのユニークな業態を生み出した。幼少期から洋楽に親しんでいた彼に楽器を手に取らせたのは、ほかでもないビートルズだった。 「当時、カーペンターズをはじめとする洋楽を聴いていたのですが、カーペンターズの曲にビートルズのカバーがあったんですね。『涙の乗車券』という曲。その時はまだビートルズという単語すら知らなかったのですが、クレジットを見ると『涙の乗車券』の作詞作曲はカーペンターズではなく、レノン=マッカートニーとある。そして、原曲であるビートルズ版を聴いたら、こっちのほうが良い、すごく良いと。それが出会いでした」。 そこから、ビートルズ一筋の人生がスタートする。学生時代に組んだビートルズのコピーバンドは社会人になっても続けていたが、メンバーの結婚などを契機に一時解散。しかし、7年前にイベントへの出演を頼まれ、スリーピースで再びビートルズバンドを組んだところ、メンバーと息がぴったりと合った。この時結成されたビートルズトリビュートバンドNOW HEREは、その後、地元のイベントなどで実績を積んだのちに、2014年にイギリスのリヴァプールで開催されたビートルズの祭典『International Beatleweek』に出場。4ヶ所6ステージでライブを行なった。その際、イベント会場であったキャヴァーン・クラブのほかに、偶然、もうひとつのビートルズの聖地でも演奏することとなった。         「観光目的で『ペニー・レイン』の曲中で歌われている床屋を訪れたところ、たまたま店の庭で地元のバンドがイベントをやっていたんですね。僕らは『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のジャケットでメンバーが着ている衣装を真似して着ていたもので、バンドマンたちに声をかけられたんです。それで、なにか演奏してみろってことで楽器を借りてやってみたら、お前ら上手いな!と。それで続けて数曲演奏しました。この床屋でライブをした日本のバンドは、僕らだけだと思いますよ」。 プロのビートルズプレイヤーとして申し分ないキャリアである。それゆえに、店のリクエスト

TOKYO MUSIC BOX #25 Roji
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TOKYO MUSIC BOX #25 Roji

          in collaboration with KKBOX                  Roji 値段:¥¥¥ 音量:★★ 照度:★★★ この一杯:ceroの曲名にちなんだカクテル テキスト:高岡謙太郎     定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回は、阿佐ヶ谷駅北口、居酒屋の連なるスターロードの2階にあるカフェバー、Roji。どこか懐かしさを感じさせる、味わい深い雰囲気のこの店は、西東京や中央線界隈のミュージシャンに親しまれ、ライブハウスでは語りきれなかった話を腰を据えて話すことのできる希少な場となっている。そうした常連客が集うこの店は、『フジロック』などにも出演するバンドceroのメンバー、高城晶平がカウンターに立つ。   隣の中野や高円寺とは違った、阿佐ヶ谷ならではの落ち着いた街の雰囲気に溶け込んだ内装。店内に揃えられた教会の椅子やアンティーク調の飾りガラスは、一昨年に逝去した高城の母親の趣味だという。2016年の10月で10周年を迎える同店だが、当初はバーとしてスタートした。母親がほぼ毎日立ち、音楽好きの父親が裏方、大学生だった高城がバイトという家族経営だった。店を開く際、店名の候補として挙がっていた曲が、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのこの曲だったという。 「最後まで迷った店名の候補が、『アワ・ハウス』なんです。うちの父親はCSNY(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)が好きで、『アワハウス』がいいんじゃないかと言っていましたが、母の意見でRojiに決まりました。曲を知っていたらいいと思いますが、直訳すると『私たちの家』なので宗教くさいなと思って(笑)。子どもの頃に父親がかけていたので、すごく好きな曲です。改めてこの曲を聴くと、この店の裏テーマになっているかなと思います。みんなの憩いの家っていう感じが店にあるかなと。西東京の雰囲気に自然と合うというか、そういうところにすごく惹かれます」。 現在は音楽を介して知りあった高城の友人や、もともと客だった人が日替わりでバーテンを担当している。「僕自身は、ほぼ週1で月曜日だけ立っています。あとは店でイベントがある時に、PAをやったりDJをしたり。最近は音楽活動の方が忙しくなって、なかなかお店に毎日立てないんですよね」。     おすすめのフードメニューは、開店以来のメニューであるチリビーンズを使った『チリコンカン』や『焼きチーズカレー』など。母親が大阪出身だったことから、お好み焼きもメニューに並んでいる。ドリンクでオーダーが多いものは、ceroの曲名にちなんだカクテル。「僕が出勤していない間に、父親とか友人が勝手に作っちゃったんですよ(笑)。でも店にとってプラスになればいいかな。ceroのライブを東京に観に来た人が、Rojiに寄って注文してくれるんですよ。あとは地元にちなんだ『阿佐ヶ谷ハイボール』がよく出ますね」。 開店当初は近所の客が多かったが、高城のミュージシャン仲間であるシンガーソングライターの王舟が遊びに来てから、彼が連れてくる音楽仲間との交流が始まり、関係が広がっていった。 「店に来てくれる自分の友達のなかで、『KKBOX』にあるものを入れてみました。王舟をはじめ、MANNERSの見汐さんとか、シャムキャッツの

TOKYO MUSIC BOX #24 gatosano
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TOKYO MUSIC BOX #24 gatosano

    in collaboration with KKBOX                  gatosano 値段:¥¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★★ ポイント:健康とアート この一杯:44種類の薬酒、薬膳酒。カツアバパウダー   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主やスタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回は、中年に差しかかって夜遊びは体力的に辛い、という人には特におすすめしたい一軒、2015年11月にオープンした原宿のバーgatosanoを紹介しよう。クラブに行く前に挟む店としてちょうどいい、と言うとよくあるDJバーのようだが、この店に夜な夜な訪れる人々が求めるもの、それは40種類以上を揃えた同店自家製の薬酒である。まずは、エナジードリンクよりも効果的かつ健康的であるという薬酒の魅力を店主たちに語ってもらった。             店主の高田は、近年は『ZIPANG』などの音楽イベントを企画しているイベンターでもあり、同店で働くほかのスタッフたちもDJやイベントオーガナイザーとしての顔を持つ。いつまでも音楽を聴いて元気に踊っていたい、というシンプルな音楽愛が薬酒に行き着いた動機だという。 「まず(体の状態を)プラスマイナスしたい、お酒を飲んで元気になりたいということで薬酒に注目しました。例えば日本酒を沢山飲んだときって記憶が飛んだり翌朝が辛かったりと結構ダメージがあると思うんですが、薬酒を事前に飲んだり挟んだりすると、気持ちの良い状態が一定に続いて後に残らないんですよ。うちは元気系が得意ですが、安眠系ももちろんありますよ。うちを聞きつけて来る人たちはやっぱり、激しめの仕事をしている疲れてる人たちですね」と高田は話す。 というわけで、その元気系の薬酒をいくつか試飲。すべて焼酎ベースのもので、臭みのあるものはジンジャエールで割られてるため飲みにくさはない。一番強力な一杯を尋ねると、棚からでてきたのがこちら。タツノオトシゴを焼酎に漬けたものだ。             高田いわく「動物性は効き目が違う」とのこと   同店のスタッフで、今回のプレイリストの選曲にも参加してくれた石田は、薬酒の効果に目覚めてからというもの、薬膳の研究をはじめたほどのハマりようだという。現在店にある44種類の薬酒から、自分に合ったものに出会うことが大きな効果を実感できる秘訣だという。 そんな薬酒による「健康」とともに、同店のもうひとつテーマとなっているのが「アート」である。店内には日本人作家のアート作品の販売展示が定期的に行われており、新しい日本らしさを発信する場としていきたいという。         アート発信の一環としてDJを招いたイベントも頻繁に開催しており、店内奥のDJブースではこれまでに、大物から若手まで色々なジャンルのDJがプレイしてきた。今回、高田と石田に作成してもらったプレイリストは、クラブミュージックからロック、ワールドミュージックまで、同店の自由でジャンルレスなカラーが反映された幅のある選曲となった。   10曲で構成されたプレイリストのテーマは「酒と旅」。幕開けと締めの1曲はクァンティックの『Mi Swing Es Tropical』がバージョン違いで入っているが、これには旅好きの高田ならではのロマンティック

TOKYO MUSIC BOX #23 8bitcafe
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TOKYO MUSIC BOX #23 8bitcafe

    in collaboration with KKBOX                  8bitcafe 値段:¥¥¥ 音量:★★  照度:★★ ポイント:店内を埋め尽くす往年のゲームグッズ この一杯:ゲームをモチーフにしたカクテル  テキスト:高岡謙太郎   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回紹介するのは、今年で11年目を迎える8bitcafe。新宿御苑からほど近い新宿3丁目駅のC5出口の向かいのビル。その5階にある同店は、国内初のゲームをコンセプトにしたカフェバー。80年代、90年代のゲームを中心としたポップカルチャーを話題にしながら盛り上がることのできる、大人の秘密基地として評判だ。   店内でまず目を見張るのが、所狭しと置かれている20世紀末ごろのゲームグッズ。ファミコンなどのゲーム機本体はもちろんのこと、ゲームソフト、説明書、パワーグローブなどの特殊なコントローラーだけでなく、ほかでは手に入らないゲームボーイの販促品の巨大な筐体なども置かれ、ゲーム好きには格別の居心地の良さがある。店の奥にあるドラクエの顔ハメや玉座は自作したという。    数多くのゲームが制作され、ある意味日本から育ったといっても過言ではない、ゲームミュージック。黎明期のゲーム機本体の音源チップは、現在のように多様な音楽的な表現ができなかった。しかし、当時の制限された音数のなかで工夫が凝らされた楽曲は、現在もリスナーの心を揺らす。店内のBGMは、ゲームミュージックの影響を受けた現在の音楽なども流れる。店長のナヲにプレイリストを選定してもらい、まずは8bitサウンドを取り入れたチップチューンと呼ばれるジャンルのアーティストとの出会いから話を始めてももらった。   チップチューンとジャズの融合にチャレンジし続けるYMCKとの出会いは、開店した1週間後。新宿のタワーレコードでのインストアライブに遊びに行った後、店を開けたら打ち上げでメンバーが来たという。アルバムに参加していたファミコン名人として有名な高橋名人も同席していて驚いたそうだ。「この曲は店の周年イベントのライブで毎回やってくれる曲です。『カレーだよ!』ってフレーズを替え歌にして歌ってくれる、お祝いソングですね」。 ヒゲトライバーとは所属レーベルが店でやっていたイベントが出会いの切っ掛け。そこから店の常連になり、ヒゲドライバーという名前のカクテルも作られ、ファンが訪れることも。「この曲が一番キラーチューンでめちゃめちゃ反応がいい。まさにアンセムです。ネット上で10年以上やっていてキャリアが長い方です」。 ライブでは悪のヒーローのような被り物をするサカモト教授。普通に客として来ていて、素顔はわからず気付かなかったそうだ。「サカモトさんはゲームミュージックを牽引する方で、この曲を弾いてくださいってカセットを渡すと寸分違わず弾いてくれる。しかもバカテクなんですよ。この曲はファミコンの『マザー』の曲で、名曲過ぎて」。 ゲームボーイやDSなどの小型ゲーム機を使って、巫女の格好でライブパフォーマンスをするOmodaka。寺田創一名義で90年代にハウスをリリースしていた作品が最近再評価が高まっている。「元々この曲が店で超人気になっていて、友人の結婚式でご本人に会う機会があり声を掛

TOKYO MUSIC BOX #22 バレアリック飲食店
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TOKYO MUSIC BOX #22 バレアリック飲食店

      in collaboration with KKBOX                  バレアリック飲食店 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★(ランチは明るい) ポイント:南の島の郊外に佇む大衆食堂や酒場を彷彿させる店内 この一杯:季節に応じた大衆的サワーカクテルや酎ハイ   テキスト:高岡謙太郎    定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフがセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 今回紹介するのは、2015年4月にオープンしたバレアリック飲食店。小田急線の豪徳寺駅から世田谷線沿線を歩くと、線路沿いの一角に「Ballearic」と鮮やかに輝くネオン管が看板になっている飲食店が目に入る。白を基調とした店内にはたくさんの観葉植物が配置されており、南国のリゾート感溢れる爽やかな内装。波の音が聞こえてくるかのようだ。   店長の國本は、松陰神社前駅のカフェSTUDYを立ち上げた元店長。それ以前にDJ活動をしていた國本は、約10年前からバレアリック、コズミック、イタロハウスなどのジャンルに傾倒。自分の好きな音楽の要素を含めつつ、より潜んだスタンスで飲食店を運営したいと思い、昨年春に開店したという。 まずは國本に店のコンセプトと密接な曲を選んでもらった。なかでも『ノスタルジア・オブ・アイランド』は、店を象徴する1曲だという。「細野晴臣さんなどが参加した企画コンピレーション『PACIFIC』の1曲です。山下達郎はすごい好きなんです。終盤に一瞬だけコーラスが入るんですが、達郎さんの曲でインストって珍しいですよね。この曲は店のイメージにぴったりで、むしろこの曲に似合う店をやろうと思ったくらい」。     バレアリック飲食店という一風変わった店名。その由来を聞いてみると「エゴイスティックな店をやろうと思ったので、店名からそれを表したくて。そもそもお店の名前なんてなんでもいいと思っているのですが、自分らしい要素は入れたいなと。『バレアリック』って国民の9割以上が知らない単語だと思うけれど、だからこそ先入観がないし、変わった名前でも根付いてしまえば問題ないかなと。飲食店という単語も、店名で使ってるとこ珍しいし、ちょっとミステリアスな印象でいきたかった(笑)」とのこと。 約30席ほどの店内を包み込む音響は5.1チャンネル。日中はBluetoothから音源をスピーカーに飛ばしている。DJブースは店の奥にある。 店を始めるとなかなかパーティーに繰り出せないため、逆にDJを呼びよせて週末を中心にプレイしてもらうようになった。日中はオンライン上にあるDJミックスや、店でのDJプレイを録音した音源をBGMに使うことが多いという。       一般的にはあまり浸透していないバレアリックという単語。國本の「バレアリック」の捉え方が店の雰囲気に反映されている。 「約10年前、シスコハウスやディスクユニオンでよくレコードを買ってたのですが、特にシスコハウスのバイヤーだったDr NishimuraさんやDubbyさんといった方達が紹介してたコズミック、バレアリック、イタロハウス周辺のダンスミュージックにズッポリはまっていたのが出会いです。最初はスペインのイビサで生まれたなんでもありのダンスミュージックの形態のようですが、近年はチルアウトなニュアンスが強いと思います。厳密な定義が

TOKYO MUSIC BOX #21 サッシペレレ
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TOKYO MUSIC BOX #21 サッシペレレ

    in collaboration with KKBOX                  サッシペレレ 値段:¥¥¥ 音量:★★  照度:★★★ ポイント:毎日開催されているサンバ、ボサノバ、MPBのライブ この一杯:カピリーニャ     定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 シーズン2として今夏から連載再開となる本企画の1軒目に紹介するのは、四ッ谷のブラジリアンレストラン、サッシペレレ。四ッ谷駅から市ヶ谷駅へと向かう大通り沿いの地下に店を構える同店は、1972年オープンの老舗である。当時はブラジルの料理や音楽が一般的にほとんど認知されていない時代だったため、本格的なブラジル料理と生のサンバ、ボサノバライブが楽しめる初めて店として注目を集めた。毎日生演奏が行われるライブレストランという形態の先駆けともなったが、同店に出入りしていた多くの国内外のミュージシャンによって日本におけるブラジル音楽文化の礎が築かれたといっても過言ではない。何を隠そう同店は、日本におけるボサノバアーティストの代名詞である小野リサの実家であり、彼女のミュージシャンとしてのキャリアの出発点なのだ。小野リサの父であり、日本とブラジルを文化的に結んだ功労者であった小野敏郎(2012年逝去)が開き、現在は小野リサの妹里笑が経営を継いでいる同店の歴史を、小野敏郎の妻 小野和子に聞いた。   ー1958年にご家族でブラジルに渡られたとのことですが。 小野:「ブラジルは(商売をするには)いいぞ」と友人からの進言があり、(敏郎は)決断したようです。住み始めた当時はサンバなどのカーニバルの音楽やボレロ風のものが主流で、ボサノバは少したってから現れました。 ー敏郎さんが開店し、サンパウロで15年間営業したというクラブICHIBANがサッシペレレの原型になっていると伺っていますが、当時、現地でネットワークを作るのは大変なことだったのではないでしょうか。 小野:日系人が多くいましたから、なんとかなったんじゃないですかね。元々、音楽が大好きな人だったのでね。生のバンドを入れた店がやりたいというのが初めからあって。地道に地元のミュージシャンに声をかけていって集めていったんだと思いますよ。日曜日以外は毎日演奏が入っていましたね。料理に関しても、現地でスタッフを雇って。そういえば、渡辺貞夫さんが来てくれたことがあったわね。うちのお店で現地のミュージシャンとセッションするうちにブラジル音楽にハマったみたい。 ライブ盤『ナイト・ウィズ・ストリングス』より、ボサノバに傾倒した渡辺貞夫が1967年に発表し日本のボサノバブームに火をつけた『ジャズ&ボッサ』にも収録されている『イン・ザ・ウィ・スモール・アワーズ 』 ー日本に戻ってもブラジルのお店をやるという敏郎さんの考えに、奥さんも賛成だったのですか。 小野:私は大人しい女でしたから(笑)。四ッ谷を選んだのは、このビルを経営している知り合いから、ここを使っていいよという話が主人に行ったから。元々は穴蔵のバーみたいだった場所で、当時は今の半分くらいの広さだったのを段々広げていったのです。 ー当時はまだ日本人はブラジルの音楽や料理について何も知らない状況だったと思うのですが。 小野:そうですね。ブラジルと言われても、カーニバルがあるらしい、

TOKYO MUSIC BOX #20 POINT・66
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TOKYO MUSIC BOX #20 POINT・66

    in collaboration with KKBOX                  Point・66 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★ 出会い:★★★★★ この一杯:本格麦焼酎 O.Henry       ※プレイリストは記事下部 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。  第20回に紹介するのは、渋谷のPOINT・66。2015年10月にオープンした同店は、ロケーションこそ夜間は閑散としている並木橋エリアにある雑居ビルの4階という目立たないものだが、店内の活気は凄まじい。客の輪の中心にいるのは、西麻布で36年にわたって多くのミュージシャンや著名人に愛されたクラブ、328の元オーナー前園勝次。2015年6月に惜しまれつつ328を閉めた彼が、次に拠点として構えたのがこのPOINT・66だ。年齢や職業を問わず、時にビッグアーティストと学生が肩を並べて飲むことさえある気さくで温かな雰囲気は、328時代から変わらないものだ。   日本にまだクラブカルチャーの影も形もなかった1979年にオープンした328、そしてこのPOINT・66の魅力は、「可も不可もないものは犯罪だよ!」という前園のロックスピリットなくして語れない。       同店は店長の春木をはじめ、スタッフが若い。客層はやはり328からの常連客が多いが、前園はここが同窓会的な場所とならないよう心がけている。 「うちにきて知ってる顔がいないとがっかりする人がいるけど、昔なじみに会うのではなくて今友達を作れ!ってね。音楽も、もちろんクラシックなものも好きだけど、常に新しいものを取り入れてる。最近だとSOPHIEとか、アンドリュー・ウェザーオールの新譜もよくかけてるよ。昔の人は過去の音楽で止まっていたりするけど、それはなんとかしたいよね。だから、僕は引っかけ役、場を引っ掻き回す人なの。人や音楽との新しい出会いを生むためにピエロになる勇気を持つってこと(笑)。お客さんをオープンにするためには自分がオープンにならなくちゃ」。 バーのような雰囲気の同店だが、もちろんDJブースもある。週末を中心に色々なジャンルのDJが入ってプレイしており、DJ NORIなど大物DJがふらっと登場することもある。前園が持つDJ観も独特だ。 「良いDJっていうのは、今誰がやっているのか、ブースを見なくても音だけで分かるような人だよね。僕は80年代のディスコみたいなチクっとこない音楽は嫌いなんだけど、良いDJがかけると苦手な曲でも踊らされている自分がいる。そういうものだよね。『音楽離れ』って言葉を聞くことがあるけど、好きなアーティストのライブに行ってじっとステージを見つめているだけじゃ、そりゃだめだよ」。       店長「春ちゃん」はムードメーカー。前園に負けず劣らずの明るさで愛されている   同店の特等席はこのベランダ席   先日67歳の誕生日を迎えたばかりの前園だが、さらなるプランを思案しているという。 「パリのムーランルージュってあるでしょ。あれの東京版を青山に作りたいんだ。青山って遊び場がないでしょ。音楽とダンスと人が溢れていてカルチャーが生まれる、東京のエンターテインメントの目玉になる場所を作りたい。たとえばトランぺッターの近藤等則とゴールデンボン

TOKYO MUSIC BOX #19 Rock Bar REDSHOES
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TOKYO MUSIC BOX #19 Rock Bar REDSHOES

    in collaboration with KKBOX                  Rock Bar REDSHOES 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★ 出会い:★★★★ ポイント:ジム・ランビーのアート、奥田民生とNaoki Satoのアンプ、池畑潤二のドラムセット この一杯:ドラゴンマティーニ       ※プレイリストは記事下部 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。  第18回に紹介するのは、言わずと知れたロックバーの名店、Rock Bar REDSHOES。ロックを共通言語に様々な交流が生まれるこの店は、国内外の多くの著名ロックアーティストに愛されている店としても知られる。80年代にオープンした西麻布の初代店舗から現在の南青山店まで、30年以上におよぶ紆余曲折の歴史には、まさに伝説と呼べるようなエピソードが数多ある。「今夜は、誰がいるか。何が起こるのか」。レッドシューズを訪れる客は、みんなそんなドキドキを胸に、店の扉を開けてきた。   かの有名なライブハウスグループ、インクスティックのオーナーでもあった松山勲が1981年に初代レッドシューズをオープンしたことが、歴史の始まり。当時の西麻布はまだ閑散としたエリアだったが、松山は風営法改正によってディスコが締め出しを食らっていた時代に、レッドシューズから「カフェバー」という業態を展開し、一大ブームを巻き起こした。間もなくロックミュージシャンたちが集まりだし、ローリング・ストーンズやデヴィッド・ボウイ、ジョー・ストラマー、ブライアン・フェリー、トッド・ラングレン、矢沢永吉、X JAPANなど、国内外のアーティストが現れるようになった。そのころに同店で働き始めたのが、現オーナーの門野久志だ。 「福井県から上京してきたのは、ロックが大好きで、そういうお店を自分でやりたかったから。人づてにレッドシューズを紹介されて、働き始めました。その後、僕が店長になるわけですが、1995年に初代レッドシューズは閉店します。南青山で現在のレッドシューズを再開させたのが2002年。この狭間の時期に僕が始めたラリーというバーに、X JAPANのhideがよく来ていたんですよ。オープンの噂を聞きつけて、ネットも携帯もない時代にわざわざ探してやってきてくれたんです。以来、自宅よりラリーにいることのほうが多いくらい、来てくれてましたね。寡黙に飲んでる時もあれば、暴れるときもあったな(笑)。今のレッドシューズのスタッフや常連客にはhideのファンが結構いますよ」。        キャンドル・ジュンが置いていってくれたという巨大キャンドル     先代から引き継いだ風神雷神が奥でにらみをきかせる現レッドシューズの店内には、ルースターズの池畑潤二が寄贈したドラムセットや、奥田民生やラブ・サイケデリコのNaoki Satoの私物だったアンプが設置されており、いつでもライブやジャムセッションが行えるようになっている。ここで繰り広げられた数々のサプライズな出来事のなかでも、ジャック・ホワイトがシーナ&ザ・ロケッツらとセッションした夜は特に印象的だったと門野は語る。 「その日は夜にシーナ&ザ・ロケッツのシーナさんのイベントが入っていたんだけど、昼間には店でジャック・ホワイトのインタ

TOKYO MUSIC BOX #18 THE GUINGUETTE by MOJA
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TOKYO MUSIC BOX #18 THE GUINGUETTE by MOJA

    in collaboration with KKBOX                  THE GUINGUETTE by MOJA 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★ 出会い:★★★ この一杯:メーカーズマーク オレンジソーダ       ※プレイリストは記事下部 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。  第18回に紹介するのは、渋谷宮益坂の上、ハイレベルなカフェが立ち並ぶ美竹通り沿いの一軒、THE GUINGUETTE by MOJA。人気のダイナーMOJA in the Houseの地下階にある同店は、内装やメニュー、ライブイベントにいたるまで徹底したコンセプトを貫いており、普通のライブバーやDJバーでは味わえないエンターテインメント空間を楽しむことができる。               フレンチポップスのアンニュイなメロディーが聴こえてきそうな華やかな内装は、「禁酒法時代のアメリカにあったフレンチビアホール」がコンセプト。照明やステージ、バーカウンターはもちろんだが、壁や通路に配されている飾り物など、店内の細かな部分を見て回るだけでも楽しい。           不思議の国にでも繋がっていそうなこの扉の向こうは、宴会予約も可能な大部屋。イベント時はVIPルームとして使われる               同店は週末の夜を中心にライブイベントを開催している。マンスリーまたは隔月で行われているレギュラーイベントもあり、ニューオーリンズテイストなファンクセッションや、ジプシーやカントリー、ブルースなどをテーマにしたライブ、はたまたバーレスクダンサーをフィーチャーしたイベントなど、音楽を聴きながらシネマティックな気分に浸ることができる。バーレスクダンスを見ながらバーボンを傾ける……となれば、多少の正装もしてみたい。たまにはちょっと粋で気張った音楽の楽しみ方をしてみるのも新鮮かもしれない。   店の雰囲気と見事にマッチするのがこの『メーカーズマーク オレンジソーダ』。ハイボールにレモンでは、キマらない           取材時には、三浦拓也(depapepe)やアントン(BlackBottomBrassBand)らによるファンクセッションが行われていたのだが、後半にはトロンボーンプレイヤーやボーカリスト、ラッパーが乱入して白熱のジャムを展開。どこからともなく現れて飛び入りで参加した彼らは、実は全員この店のスタッフだという。ニューヨークならまだしも日本ではなかなか見かけない光景だが、ほとんどのスタッフが楽器や歌などの一芸を持っているため、こうしたことも日常茶飯事だ。 店長を務める臼井俊輔も、Shadeの名で1MCのスタイルからバンドスタイル、フリースタイルセッションまで、幅広い形態で活躍するラッパーなのだが、同店が作成するプレイリストは彼を中心にほかのスタッフも交え、THE GUINGUETTE by MOJAのルーツとなる曲をセレクトする。 第1弾の10曲がこちら。いきなりヴィンテージ感全開の1曲目、ハバナのマンボアレンジャーでピアニストのレネ・トゥーゼ率いるRene Touzet and His Orchestra『La Bella C

TOKYO MUSIC BOX #17 新宿ドゥースラー
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TOKYO MUSIC BOX #17 新宿ドゥースラー

    in collaboration with KKBOX                  新宿ドゥースラー 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★ 出会い:★★★★ この一杯:アブサン   テキスト:高岡謙太郎 ※プレイリストは記事下部 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第17回は、今年で7年目を迎える新宿ドゥースラー。ベースミュージックを中心にしたクラブミュージックフリークがたむろするカフェバーだ。 月の半分はDJイベント、ラウンジパーティーが行われており、低音重視の迫力ある音に浸りながら、音楽好きの若者たちが気軽に交流する場として定着している。         新宿駅南口から徒歩5分。雑居ビルの階段を登り切った5階に新宿ドゥースラーはある。ジャングル、ドラム&ベース、ダブステップ、グライムなどのベースミュージック系に特化しているのがこの店の特徴だ。現在進行形のクラブミュージックで身体を揺らせる希少な店である。オーナーはジャングルDJでもあるDONとタナコのふたり。メニューは、ドライグリーンカレーやタコライスなどで、若手DJにも人気だ。味には定評があり、ライブハウスやクラブでの音楽イベントにメニューをケータリングすることも。水タバコもあり、楽しみ方は幅広い。                     同店の音へのこだわりは目に見えない細部にまでいたり、ターンテーブルの配線もハンダ付けして改造済み。DJミキサーのケーブルも自作というこだわりようだ。のちのちはスピーカーも自作をしていきたいという。 店内で行われているイベントも個性的だ。なかでも自作の音源を持ち寄るビートメイカー同士の戦い『Voodoo Beat Battle』は、優勝者にレコードを100枚プレスする権利が与えるという。3日間連続で行われる周年イベントも毎年激しく盛り上がる。店主のDONは音楽シーンに関わって約20年。ドラム&ベースが全盛期だった大学生時代から、イエロー、リキッドルーム、マニアックラブなどのクラブに行くようになったという。「遊び始めていくと、この曲なんだろう?って気になって、その当時ドラム&ベースのパーティー『DBS』をオーガナイズする神波さんが編集していたフリーマガジン『Future』を読んで、レコードを買うようになりましたね。レコードは集めると繋げたくなもので、ターンテーブルを2台揃えたのがDJを始めたきっかけです。リキッドルームに通って、自作のDJミックスのカセットテープを渡したりしていましたね。フライヤーをレコード屋に置いたり、クラブの折り込みに入れてもらったり、そこから輪が広がっていった感じですね」。その繋がりは、ドラム&ベースの元であるジャングルまで遡り、さらにそのルーツであるレゲエまでに至ったそうだ。 そのうちに、巷にはレゲエバーやソウルバーはあるけれど、自分たちが聴いているジャンルの店がないと気付き、ドゥースラー開店を思い立った。「僕の聴いているジャングルやベースミュージック自体が、そもそも聴いている層が限られているんです。マニアックな音楽だからこそ、この店があることで広がりができて、聴く人たちが増えればいいなと思っています。カウンターで話していることはくだらないことも多くてシモネタバーと言われ

TOKYO MUSIC BOX #16 MILLIBAR
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TOKYO MUSIC BOX #16 MILLIBAR

    in collaboration with KKBOX                  Beat Cafe 値段:¥¥ 音量:★★★ 照度:★ 出会い:★★★ ポイント:ワールドワイドなレコードコレクション この一杯:マルチニーク島のラム   テキスト:高岡謙太郎 ※プレイリストは記事下部 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第16回は、レコードの聖地、渋谷宇田川町に居を構える、MILLIBAR。店内では、レゲエをはじめとする様々なワールドミュージックが流れ、それらにマッチする洋酒を味わいながら、各国の料理に舌鼓を打てる。今年で20年目を迎え、老舗ならではの安心感のある店だ。   センター街の喧噪を抜けた先、東急百貨店本店の向かいのビル3階にある同店は、東急百貨店本店の向かいのビル3階に見逃してしまいそうな場所にひっそりと佇む、アットホームなバーだ。入口には、パンク写真家の菊地昇によるThe Clashの写真や、イラストレーター八木康夫によって描かれたダブのレジェンド、オーガスタス・パブロの名盤『Ital Dub』のジャケットの原画が飾られている。元々はレコードショップで働いていた店長の清野は、音楽だけでなくそれにまつわる周辺文化についても造詣が深い。 「(店内BGMは)レゲエだと、60年代から90年代前半まで。そのほかのジャンルになると幅広くて、最近のワールドミュージックだとジプシー系のミクスチャーものとか。ワールドミュージックというジャンルは最近、アナログはおろかCDすらも手に入りにくくなっていて、ダウンロードで探していくしかないですね。レゲエも同様ですが」。レゲエといえば7インチというイメージだったが、それも昔の話だそうだ。店内BGMに使用される音源は古いものが多めで、レコード、CD、MDからピックアップされる。         聴いてきた音楽の影響がフードメニューにも色濃く反映されているのもユニークな点だ。1番人気の料理はニューオリンズ料理をアレンジした『チキンガンボ』。そのほかのメニューも、『ジャーク・ラム・ソテー』、『カリビアン・ドライカレー』など手間をかけた料理が多い。珍しいメニューの数々に、想像力が働く。 「お酒はマルチニーク島のラムがオススメですね。ジャマイカなどのイギリス領はラムを糖蜜から作っているんです。フランス領になると砂糖から作るので、ジューシーでフルーティーなものになります」。     MILLIBARがオープンした1996年は、レコードバブルの時代。宇田川町は世界一レコードショップが立ち並ぶ街であった。レコード店をハシゴして店に寄る客も多かったという。「自分は元々レコードショップに勤めていたんですが、レコード屋って自分のかけたいものばかりをかけられたり、好きなものばかりを売ることができるわけではないので、それなら飲食店の方がその点で自由度が高いんじゃないかと思って。最初は、渋谷にあったレゲエバーのロシナンテに長く勤めて、その後に自由が丘のニューオリンズリズム&ブルースの店でも働いて、それから独立しました」。 この店のBGMに引き寄せられたミュージシャンも数多い。ダブトランペッターのこだま和文、ジャパニーズレゲエのオリジネイターのランキン・タクシーなどの重鎮も近くで

TOKYO MUSIC BOX #15 Beat Cafe
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TOKYO MUSIC BOX #15 Beat Cafe

    in collaboration with KKBOX                  Beat Cafe 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★★ 出会い:★★★ ポイント:海外のバーのような雰囲気   テキスト:高岡謙太郎 ※プレイリストは記事下部 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第15回は、渋谷道玄坂のBeat Cafe。ここは外国人が集うバーというより、欧米のパーティー的なコミュニケーションに慣れた人が集まる店、と言ったほうがわかりやすいかもしれない。店内BGMの選曲を担当するKatomanいわく、「海外の人達は自分たちの気にいった事や場所などを気軽にシェアする気質があるかなと。あと、海外の若い人は、音楽に対する自発性が豊かなのでいろいろ知っているんですよね」とのこと。   同店の入口には看板がない。手作り感溢れる店内には、片隅にはライブイベントのフライヤーが散見され、軽くダンスできるスペースもある。奥の部屋の壁には、アーティストたちのサインが大量に記されており、風格が漂う。     ここの場作りに重要なのは、時代のトレンドに敏感なBGM。「こういう感じの店は、東京にはあまりないかな。もちろん音楽好きが集まるし、ファッション好き、アート好き、お酒好きとかいろいろな人たちが来てくれます。かける音楽はイベント以外の時はコンピューターに入れてる音楽アーカイブの中から選曲してますが、大まかなプレイリストの中から今いい感じの音楽をかけてます」。 同店オーナーのGenshoは、現役ミュージシャン。プレ渋谷系バンドのブルートニックや、THE THRILL、ホフ・ディラン、バリアゲイツといったバンドのドラマーとしても知られる。Katomanは元々、90年代初頭からラジオ(Tokyo FM)、ディストリビューター(POPBIZ)、そしてレコードショップ(新宿ナットレコード)のスタッフを経て、現在は自身のインディペンデントレーベル、DOTLINECIRCLEを運営している。今までにBATTLES、THE ALBUM LEAF、No Age、Minus The Bear、にせんねんもんだい、ZZZ'sなど洋邦問わずミュージシャンのブッキング、マネジメントを行ってきている。スティーブ・アオキのレーベルDIMMAKの日本支部として動いてた時もある。GenshoとKatoman、カウンターに立つふたりの繋がりもあって、同店にはアーティストたちもよく訪れるという。       この店はGenshoが、2006年6月から始めた。イベントのブッキングを手伝うつもりだったKatomanは、いつのまにか店で働いていたという。当時、宇田川町にあった小さなバーは、4年前にライブハウスの多い円山町に移転した。取材時、店内で行われるパーティーの準備に来ていた若い帰国子女風の女性いわく「簡単に集いやすい場所。あそこに行けば誰かに会える」という。この感覚に惹かれる人は、ぜひ店の扉を開けてみてほしい。 そんな、Beat Cafeによる初回のプレイリストのテーマは「Monday Cheesewave」。Kato-manの選曲によるジャンルをまたいだスタイリッシュな10曲。先日逝去したデヴィット・ボウイから始まり、ポール・マッカートニー、

TOKYO MUSIC BOX #14 Bar Blen blen blen
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TOKYO MUSIC BOX #14 Bar Blen blen blen

※プレイリストは記事下部   in collaboration with KKBOX                  Bar Blen blen blen 値段:¥¥¥ 音量:★★ 照度:★★★★ 出会い:★★ ポイント:現行のブラジル音楽&酒 この一杯:ブラジルから持ち帰ったカサーシャ テキスト:高岡謙太郎 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第14回は、渋谷のブラジリアン&ブラックミュージックバー、Bar Blen blen blen。ブラジルの現地でのトレンドとリンクした音楽と、本場の料理やアルコールを紹介している。   渋谷マークシティ沿いの長い坂を登り切ってすぐにある同店は、2016年の1月で10周年を迎えた。店内を見渡すと、アート・リンゼイやトニーニョ・オルタのサインも。神楽坂のブラジル、アルゼンチンからの輸入CDを扱うレコードショップ、大洋レコードの試聴販売コーナーもある。        ブラジル音楽といえば、サンバやボサノヴァだが、この店では、現地で今流行しているブラジル音楽を聴くことができる。ヒップホップやドラム&ベースのサンパウロ版など、日本では耳にすることの少ないグルーヴものが中心だ。「日本で知られているブラジル感ではなくて、レゲエっぽいものとかディスコっぽいものもあります。向こうで人気のバンドが日本ではまったく紹介されていない。すごくかっこいいんで俺がかけようかなって。現行のブラジル音楽と言われてもピンとこないでしょ?」と、マルセロD2の曲をプレイ。プロデューサーはビースティ・ボーイズも手掛けるブラジル人、マリオ・カルダート・ジュニア。   「この曲はサンバとヒップホップの融合で、『メイク・サム・ノイズ』みたいなメッセージをポルトガル語で言ったり、ヒップホップIQも高くて、クラブプレイもイケるんです。ブラジルはヒップホップ文化が多くて、グラフィティもあるんですよ」。なるほどドープなヒップホップではなく、ブラジルらしい明るく軽快なヒップホップだ。   おすすめの酒は、ブラジルのカクテル『カイピリーニャ』。蒸留酒であるカシャーサに砂糖とライムを刻んだものを入れて、クラッシュアイスを入れて飲む。様々なカシャーサをロックで飲めるのも、この店ならでは。「それぞれボトルごとに個性があって、向こうの人はストレートでちびちび飲むんですよね。本来はそうやって飲むんです。カシャーサは日本では認識されていないけれど、ラムとかスコッチが好きな人には良い反応なんですよね」。ミナスジェライス州がカシャーサの名産地。現地に行った際に無理して買ってきたという、日本では飲めない銘柄が店に並ぶ。「開高健の『オーパ!』っていう本に『ブラジルの酒はピンガだ。ブラジルの焼酎だ』と書かれていたので、日本のおじさんには「カシャーサ」ではなく「ピンガ」という名で認識されているかもしれないですが、現地ではそれはもう古いかも」。 フードメニューについては、「飲み散らかす食い散らかすみたいなスタイルで、揚げ物や肉が多いですね。『フェイジョアーダ』っていう豆と臓物を煮込んだようなものは定番。移民文化なので、各国の文化がちょっとずつ混ざって変わったものが多いですね」とのこと。   常連の半分はブラジルに関係なく、渋谷界隈で遊んでい

TOKYO MUSIC BOX #13 NO TRUNKS
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TOKYO MUSIC BOX #13 NO TRUNKS

NO TRUNKS 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★★ 出会い:★★ ポイント:ヴィンテージのアンプ、スピーカー この一杯:麦焼酎 焼酎屋 兼八 テキスト:高岡謙太郎 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第13回は、中央線の国立駅にあるジャズ&ダイニングバー、NO TRUNKS。ジャズ全盛期の音響機器でレコードを堪能できる数少ない場所だ。録音物の再生だけでなく、小規模のジャズの生ライブもあり、中央線界隈のジャズコミュニティの盛り場となっている。          駅からほど近いビルの5階。手入れが行き届いた店内は、落ち着いた雰囲気で入りやすい。客層は60代から20代の後半で、8割型男性だという。店長の村上寛いわく、「ジャズファンはそもそも年齢が高い」とのこと。 店内を見渡してまず気になってしまうのが、ヴィンテージものの音響機器。60年代のジャズ喫茶で置かれていたアンプとスピーカーで、当時の鳴りを体験できる。セッティングされているアンプは『Macintosh C38』、スピーカーは『AlTEC 828G』。               プレイヤーの再生ボタンを押すと、説得力のある鳴りが響く。ひとつひとつの楽器の音像から演奏者の姿が立ち現れ、しばし呆気に取られた。サウンドシステムの重要性を痛感する。この店でレコードを聴けば、ジャズの魅力がいち早くわかるはずだ。 壁面を見ると、棚にはレコードとジャズに関する書籍が隙間なく詰め込まれ、戸棚を開けると秘蔵のレコードがズラリとお目見え。 ダイニングバーと称するだけあって、キッチンが広く、メニューが豊富だ。アルコールは泡盛、芋焼酎、焼酎が多い。1日に3合は呑むという村上のオススメは、『麦焼酎焼酎屋兼八』。       週末には小規模なライブも行われ、満席になることもしばしば。演奏は主に生音で、ボーカルにはマイクを立てる。『フジロック』などにも出演するビッグバンド、渋さ知らズの小編成ライブが行われる時は、若い客も集まるそうだ。渋さ知らズとは、かつて村上が新星堂に勤めていた時代に彼らをサポートしていた頃からの、長い付き合いなのだそうだ。 ライブのみならず、『新譜試聴会』に『戦前ブラックミュージック』、『ジャンル問わずギターベスト3』『年代を絞り1965年に制作された音源のみ』『アーティストの1周忌』など、趣向を凝らした試聴会イベントも数々企画される。村上のフェイバリットであるジョン・コルトレーンの特集も頻繁に行われているという。 村上のジャズ通は、音楽誌『レコード・コレクター』や『クロスビート』に批評やレビューを寄稿していた過去が裏付けている。彼自身は、音楽評論家の故 中村とうようの大ファンだという。           20代から20年以上、レコードショップに勤務していた村上は、積極的に日本のジャズを後押しし、自らインディーレーベルを立ち上げるほどの熱の入れようであった。その後、2001年にNO TRUNKSを開店する。オープン当初の国立は、ディスクユニオン、オーディオユニオン、国立楽器、クラシック喫茶のジュ

TOKYO MUSIC BOX #12 ロックバー童夢
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TOKYO MUSIC BOX #12 ロックバー童夢

ロックバー童夢 値段:¥¥ 音量:★★ 照度:★ 出会い:★★ ポイント:マニアも仰天な品揃え この一杯:紫の炎(焼酎) テキスト:高岡謙太郎 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第12回は、サラリーマンが行き交うオフィス街の新橋にて、プログレッシブロックの名曲を堪能できる店、ロックバー童夢。キング・クリムゾン、ピンクフロイドなどのバンドが切り開き、70年代に進歩的、発展的と言われて世界を賑わせた「プログレ」。その奥深い世界を腰を据えて聴き入るには最適の空間だ。     新橋駅からほど近い商業地域の、知らないと見逃しそうな雑居ビル、その地下に同店は店を構える。階段を下りて店内に入り、客引きや街頭広告などのノイジーな街の喧騒から、ホッと一息つく。客は40〜50代の会社帰りのサラリーマンが多い。「プログレを聴いている人は孤独な人が多いんです」と店長の関将敏は語る。わいわい騒ぐよりも物思いに耽ることが好きなリスナーに最適な空間だ。 2013年4月に開店したばかりの清潔な店内。バーカウンターの座席は8席のみで、踊るスペースはなく、座りながら聴き入ることを想定した店舗設計。店内の両隅に設置されたモニタースピーカーが放つ、楽器ひとつひとつが聴き分けられるクリアな音に、ゆっくりと酔いしれる。カウンターの奥にはディスプレイも設置されていて、ライブDVDを鑑賞する日もあるという。       同店のBGMは、店長の膨大な量のCDコレクションを取り込んだハードディスクから再生される。2015年12月21日時点での音源の所有数は6731タイトルで、映像は721タイトル。手狭な店舗なのでレコードではすべての音源を置くことはできないが、デジタルデータであればリクエストされた音源を探すのも一瞬だ。 客からのリクエストでは、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルが多く、店内でかかる音楽の割合は、プログレッシブロックが3割、ハードロックが2割、サイケデリックロックが1割、残りはそれ以外のロック全般とのこと。ヒット曲が流れる一般的なロックバーとは異なる、やはりプログレに特化した選曲だ。   バーカウンターから目線を上げると、モーターヘッド、アイアン・メイデンなどの海外アーティストにちなんだ酒瓶がずらりと棚に並ぶ。海外でアーティストの名前の入った酒がリリースされると、まとめて直輸入し、客と飲むイベントを行うそうだ。そのなかでも『AC/DCビアー祭り』は定期的に行われ、アーティストにちなんだ音源を流して盛り上がるという。 酒の種類はこれだけでない。多くのバーは洋酒を取り揃えることが一般的だが、この店のおすすめは日本の酒。なかでも焼酎の凝り具合には目を見張るものがある。『赤霧島』などのメジャーな焼酎から、ここでしか飲めないものも取り揃える。ディープ・パープルの曲名から名前をとったと思われる、鹿児島の芋焼酎『紫の炎』や、プログレ世代的にはウケが良いキャラクターから由来している『宇宙焼酎ゼットン』『ゲゲゲの鬼太郎焼酎』など、ほかでなかなか取り扱わない銘柄が並んで

TOKYO MUSIC BOX #11 シャンソンバー・ソワレ
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TOKYO MUSIC BOX #11 シャンソンバー・ソワレ

シャンソンバー・ソワレ 値段:¥¥ 音量:★ 照度:★★★ 出会い:★★★★ ポイント:日代わりのママ この一杯:越路吹雪(日本酒)  テキスト:高岡謙太郎 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。  第11回は、新宿の一角にある飲み屋街のゴールデン街で個性を放つ、シャンソンバー・ソワレ。シャンソン歌手として長年活動するソワレが開店し、現在は音楽を楽しむことのほかに、オールセクシャルの日替わりママの接客で、濃密なコミュニケーションを楽しんでもらうというスタイルで店内を賑わせている。      ゴールデン街は、50年代から続く新宿の飲み屋街。200店舗近くが開き、その多くは10人入ればいっぱいの席数。その距離の近い「密な」コミュニケーションが取れることが面白さだろう。昭和の頃、作家、詩人、漫画家、映画、演劇などの文化人が集い、酒を飲みつつ議論を交わし親交を深めた地として知られている。 気軽に入れるポップな店から、文壇バー、ゲイバー、一見さんお断りの店まで、店の成り立ちやコンセプトによって、雰囲気は様々。そのなかでもシャンソンバー・ソワレは、越路吹雪を敬愛するシャンソン歌手でもあるオーナーのソワレによって、シャンソンバーとして始まった。        現在、ソワレはオーナーとなりバーカウンターに立つことは稀。その代わり、日替わりママが担当するスタイルだ。ノーマル、ゲイ、バイセクシュアル、レズビアン、FtM、MtFと、ママたちのセクシャルに関しては偶然に豊かなセクシャルが集まっていることから、彼ら彼女らの多様な生き方が話題となることも多いそう。音楽を楽しむというよりも、ママに会いに来て楽しむスタイルになった理由をこう語った。   「当初シャンソンバーとしていたけれど、シャンソンを店で流すのは暗くなるので合わないんですよ。しっぽりした感じというか聴き入っちゃうんですよね。フランス語でシャンソンって『唄』っていう意味なので。だからBGMとして成立しないということが初期に分かって」。      現在は日替わりのママの趣味でBGMが決まり、昭和の歌謡曲が中心に流れる。ソワレは、この店ならではの音楽と人との距離感も考えている。「場所というのは人が作っていくものなので、その人が楽しめるような空気じゃないと、お客さんも楽しめないので、BGMも喋りやすい程度がいいんですよ」。BGMのみを目的としたシャンソンバーとしてではなく、シャンソンという音楽から感じ取れるライフスタイルに共感できる人が集う場となったようだ。 「音楽を自分で浄化したうえでの人間らしさというか個性というものがあると思うんですよ。レゲエの人はラスタマン風とか、スタイルから入っていくというのがあるんです。音楽が循環して、その人の人格やライフスタイルが形成される、そういうところが音楽の魅力なんじゃないですかね」。       同店の歴史は長く、現在12年目を迎えている。開店当時、ゴールデン街にはソワレの知り合いが集うようになっていた。シャンソン歌手の戸川昌子がオーナーのライヴハウス 青い部屋の店長を務めていたソワレは、自分で全部責任を持てる店を作り

TOKYO MUSIC BOX #10 CITY COUNTRY CITY
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TOKYO MUSIC BOX #10 CITY COUNTRY CITY

  in collaboration with KKBOX                  CITY COUNTRY CITY 値段:¥¥ 音量:★★ 照度:★★★★ 出会い:★★★ ポイント:海外買い付けのレコードを販売 この一杯:季節によってオススメするボトルビール テキスト:高岡謙太郎 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第10回は、中古レコードショップとカフェバーが融合した珍しい営業スタイルで10年目を迎える、下北沢駅前のCITY COUNTRY CITY(シティカントリーシティ)。屋根裏の隠れ家を思わせる店内には、下北沢文化の良心を集めたような居心地の良さがあり、セレクトされたレコードが耳元をくすぐるなか、くつろいで食事も楽しめる。下北沢駅南口から徒歩3分と、立地の良い雑居ビル。4階までエレベーターで上がると、入り口には木箱に入ったレコードがずらりと並ぶ。店内の数千枚のレコードから厳選されたBGMには、昼はゆったりしたアコースティック、夜はアルコールのノリに合わせたミドルテンポでグルーヴのある楽曲が流れ、ほどよくリラックスさせてくれる。飲食は生麺を使った明太子のパスタが定番で、日替わりメニューも人気だ。           白を基調にしたナチュラルな佇まいの店内は、明るく開放的な雰囲気。店全体がガラス窓で覆われ、日中は日光が心地よく差し込み、高みから街の喧騒を望むことができる。18時までは禁煙というのも居心地の良さのひとつ。ここには近隣のミュージシャンや界隈の音楽ファンだけでなく、駅前に劇場があることから、劇団関係者、お笑い芸人ファンまでが集う。女性がひとりで入りやすく、待ち合わせやデートにも最適だろう。周知のとおり、この店のオーナーはサニーデイサービスや曽我部恵一BANDで活躍するシンガーソングライター、曽我部恵一。そして店長を勤める平田立朗は、元々は曽我部恵一のファンだったという。その昔、三宿のクラブWebで行われていたパーティで知り合った2人は、レコードを一緒に買いに行く仲にまで発展する。そこから平田は、2004年に始まった曽我部恵一のレーベルROSE RECORDSを手伝うことに。酒の席での「レコード屋をやりたいね」という話題が膨らんで、友達も集まれるようにするためカフェも併設して2006年に開店に至ったそうだ。ファンがアーティストと親密になるという、極めて稀なエピソードを聞かせてくれた。   店頭で扱う中古アナログレコードは、ディスコ、ロック、ソウル、ジャズ、レアグルーヴ、ワールド、レゲエ、和モノなど、オールジャンルのレコードをボーダーレスに取り揃える。年数回の海外での買い付けによりセレクトされ、おすすめのレコードには手書きのコメントが付けられる。店長の人柄の現れた筆跡に思わず読み入ってしまう。     ここは曽我部恵一の店として知られているが、レコードのバイヤーはダンスミュージックにも造詣が深い。それは店名が、ディスコの殿堂であるニューヨークのクラブLOFTの、ガラージクラシックとして有名なWarの名曲『City, Country, City』から取られていることからも察することができる。店内を見渡すと壁面には、足を運んだ国内外のアーティストのサインが記され、LOFTの始祖であるDavid M

TOKYO MUSIC BOX #9 TAICO Coffee & Restaurant
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TOKYO MUSIC BOX #9 TAICO Coffee & Restaurant

  in collaboration with KKBOX                  TAICO Coffee & Restaurant 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★★★ 出会い:★★★ ポイント: ライブあり、世界各国の食事や酒、パクチー料理 この1杯&1皿:ヴァスコベロのスペシャルティコーヒー、子羊のロースト ローマ風   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第9回は、野外音楽フェスティバル『TAICOCLUB』が手がけるカフェレストランTAICO Coffee & Restaurant。街の喧噪から離れた奥渋谷エリアに店を構える同店は、アントワープのスペシャルティコーヒーブランド『ヴァスコベロ(VASCOBELO)』のコーヒーをはじめ、種類豊富なワインや本格的なパスタや肉料理を手頃な価格で提供している。そしてもちろん店内BGMは『TAICOCLUB』プロデュースによる選曲。アンダーグラウンドなDJのミックステープから『TAICOCLUB』に縁のあるアーティストの曲まで、ハイセンスな音楽に出会える。     数多ある野外フェスティバルのなかでも独自のラインナップと絶妙な規模感、そしてすばらしいサウンドシステムと環境整備で人気を博している『TAICOCLUB』が飲食店をオープンしたその意図とは。 『TAICOCLUB』の主催者であり、 同店のオーナー兼スタッフを勤める安澤太郎と、イベント運営の中枢メンバーでありDJとしても活動する大谷飛太いわく「この店は音楽業界以外の音楽好きたちのコミュニケーションの場にしたい。僕らのホームグラウンドも欲しかった。『TAICOCLUB』もこの店も、あと不動産のこいのぼり株式会社も、基本的には4人のメンバーが核になって運営しています。もともと音楽業界出身のメンバーはひとりもいなくて、業界のしがらみみたいなものには縛られずにやりたい、というのは『TAICOCLUB』の運営当初から変わらないことです。それによってひんしゅくを買うことも多いですが(笑)」(安澤) 「ゆくゆくはこのお店で『TAICOCLUB』の過去のライブ音源のリスニング企画とかもやりたいですね。あとは『TAICOCLUB』や『PINK sensation』と連携したイベントも考えています」(大谷)     『ヴァスコベロ(VASCOBELO)』のコーヒーでブレイクタイムを満喫したり、厳選されたワインとともに肉料理やパスタを気軽に堪能できる同店では、店内の客層、時間帯、雰囲気に応じてBGMをセレクトしている。サウンドシステムには『TAICOCLUB』と同じ『Void Acoustics』を導入し、音量の大小を問わずクリアで迫力のある音を楽しむことができる。         そんなTAICO Coffee & Restaurantの気になるプレイリストは、大谷飛太のDJと『TAICOCLUB』のブッカーとしての両方の視点から選ばれたディープなナンバーが並ぶ。 12月25日更新分のプレイリストは店内で最近かかる若手アーティストをジャンルレスに選んだ『TAICO select 1』。MoonchildやMiguel Atwood-Ferguson、ハイエイタス・カイヨーテ、ILLA Jなど、最高にヒップ

TOKYO MUSIC BOX #8 江古田 フライングティーポット
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TOKYO MUSIC BOX #8 江古田 フライングティーポット

    in collaboration with KKBOX                  江古田 フライングティーポット 値段:¥ 音量:★★★ 照度:★★★★ 出会い:★★★★ ポイント: インプロビゼーションを中心としたライヴイベント、展示、豊富なディスクガイドが並ぶ書棚 この一杯:シナモンやアニスなどのスパイスティー テキスト:高岡謙太郎 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第8回は、学生街でもある江古田駅にあるプログレ喫茶、江古田 フライングティーポット(Cafe FLYING TEAPOT)。プログレッシブロックを中心に19年前から始まり、音楽、漫画、アートを嗜好するこの街周辺の客が集い、ジャンルを横断した交流が行われる場となっている。     副都心線や大江戸線に接続できて交通の便や住み心地が良いが、それほど知られていない街、江古田。駅から徒歩5分ほどの商店街の一角に、フライングティーポットは店を構える。地下1階の店内は、一見すると普通の喫茶店に見えるが、バーカウンター向かいの棚に数えきれないほどのCDとレコードが積め込まれていて圧巻。本棚には各ジャンルごとのディスクガイドの書籍が揃えられ、知識の蓄積が確認できる。 また、音楽だけでなく壁面ではアート作品の展示も行われ、月ごとに作家が入れ替わり、目を楽しませてくれる。アートブックや写真集、漫画が並ぶ書棚もあり、前衛的なものをすべて受け入れる店長の寛容な性格を感じさせる。               店名である「フライングティーポット」の由来は、60年代から活動するプログレッシブロックバンド、Gongのアルバムタイトルから名付けられた。この店の特徴は、ほぼ毎日店内でライブイベントが行われていること。即興演奏やノイズなどの実験的な演奏をするミュージシャンが、プログレッシブでエクスペリメンタルな音を夜な夜な奏でる。70年代からのノイズミュージシャンや、フリージャズを演奏する60代の先輩に、20〜30代が交じることもあるという。 過去にライブした著名アーティストのメンツも個性的だ。フォークロックバンド、たまのメンバーだった石川浩司や、ノイズバンド インキャパシタンツのT.美川、若手では、ギタリストの康勝栄、インディーロックのトクマルシューゴ。海外からは、アバンギャルドロックバンド、Henry CowのメンバーChris Cutler、カンタベリー系バンドのCaravanのRichard SinclairとDave Sinclair。そして今年はGongのデイヴィッド・アレン(Daevid Allen)本人が来店する予定だったが、病気で永逝してしまい残念ながら会えなかったそうだ。   一昔前までは、前衛的なアーティストたちにとって、演奏をさせてくれるライブハウスを見つけることが難しかったが、最近はこの店に似た実験的で自由なブッキングを行う店舗が都内で増えている。「他の国から見ても特異なくらいですよ。知られてないと思いますが、インプロやアヴァンギャルドなどの演奏をこんなに毎日どこかでいくつもやっている国はないですね」と店長は語る。この店で流れる個性的な音楽を求めるリスナーは、イベントスケジュールが掲載されるサイト『ト調』や、海外からであれば『To

TOKYO MUSIC BOX #7 Spincoaster Music Bar

TOKYO MUSIC BOX #7 Spincoaster Music Bar

    in collaboration with KKBOX                  Spincoaster Music Bar 値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★★ 出会い:★★★ ポイント: ハイレゾ音源&アナログレコード、ハイエンドオーディオ、リクエスト有り この一杯:〆張鶴 定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第7回は、キュレーターたちによる音楽情報発信で注目を集めるメディア『Spincoaster(スピンコースター)』が2015年3月31日にオープンしたバー、Spincoaster Music Barだ。 同店の最大の特徴はなんといっても、ハイレゾとアナログレコード、2種類の音源を選ぶことができる点だ。ハイレゾとレコード、それぞれの特性にマッチしたサウンドシステムも用意されており、「何をどう聴くか」を積極的に選べる豊かな音楽体験は、現代ならではだろう。     店は新宿から代々木の間のオフィス街の一角にある。比較的落ち着いた雰囲気のこのエリアを拠点に選んだ理由は、新宿から徒歩圏内であることが外国人観光客にとって重要であること、そして駅周辺にリハーサルスタジオやレコード店があるにもかかわらず、音楽好きのためのコミュニティスポットが存在しなかった代々木という場所に目を付けたためだ。   オープンして半年以上が経ち、ランチタイムはコワーキングスペース、夜間は音楽好きたちのたまり場、という当初のコンセプト通りの利用が浸透してきたと同時に、同店へ向けられる意外な需要も分かってきたという。同店の仕掛人であり、株式会社Spincoaster代表取締役の林潤いわく、「高音質な空間を活用した貸し切りイベントが増えてきた」という。 「自分は、青春時代に親しんだ音源がMDの世代で、結構劣悪な環境で音楽を楽しんでいたんです。だから、聴き慣れた曲を初めてハイレゾで聴いたときは、音のクリアさと臨場感に驚きました。レコードも同様で、レコード独特の音の温もりの虜になりました。ブレスや楽器の音がクリアかつ高密度に聴こえるハイレゾは、歌ものやアコースティックを使った楽曲に。音が太く暖かいレコードはロックやディスコなどのバンドものに適していると思います。楽曲に応じてベストな環境を用意できる場所を作ろうと、このようなスタイルになっています。」 「ハイレゾ音源やアナログレコードは、再生環境が身近にない人がほとんどです。住宅環境の都合で、大きい音をスピーカーで聴くことができない人も多いと思います。高音質かつ大音量で音楽が聴ける、ということで、同じアーティストが好きな人が集まったオフ会や、レコード会社主催の新曲試聴会などのイベントが増えました」。       ハイレゾ用のスピーカーは、気鋭の国産オーディオメーカーKOON製『400NT 3ウェイパッシブスピーカー』     アナログレコード用のスピーカーは高級スピーカー『musikelectronic geithain』   プレーヤーは『Thorens td309』。ミキサーを通すと音質が悪くなるという理由から、ミキサーは使用していない     エントランスの重厚な防音扉。店内の壁も防音処理がされているため、爆音イベントが可能 店内のBGMの選曲は『Sp

TOKYO MUSIC BOX #6 リトルソウルカフェ
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TOKYO MUSIC BOX #6 リトルソウルカフェ

リトルソウルカフェ 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★ 出会い:★★★ ポイント: レコード1万2千枚、リクエストOK、ソファーあり この一杯:ラム酒飲み比べ  定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第6回は、下北沢からその名を世界に轟かしているバー、リトルソウルカフェ。1999年にオープンしたこの店は、DJ、レコードマニア、バイヤーなどが出入りするブラックミュージックの名所として知られている。 飴色に変色した木造の店内には、8席ほどのカウンターと6席ほどのソファー席。音楽にじっくりと耳を澄ましながらアルコールを傾けるには狭過ぎず広過ぎないちょうどいい広さだ。店が所蔵する約1万2千枚のレコードは、壁中の棚にも収まりきらず、部屋の一角にも積み上げられている。   ラッパーのNASをはじめ、来日する有名DJも数多く訪れる同店だが、同店が海外のアーティストやレコードコレクターをも惹きつける理由とは何なのか。店主の宮前伸夫いわく「お店でかかっているのはジャズ、ソウル、ファンク、ディスコといった現在のクラブシーンのルーツとなるような音楽が多いです。昔から日本では古いレコードや音源を掘り起こし、新たな価値を見出して愛情を持って接するという文化が発達していましたし、様々なスタイルのレコード酒場も時代の変化に対応しながら進化し続けています。そういった日本人ならではのレコードを取り巻く文化は、レコード好きの海外の人にとってみればとても興味深く映るらしく、自分の国にもこんな店があればいいのに、という声はよく耳にします。特別なことをしている自覚はないけれど、レコードや音楽をきっかけにいろんな人と出会える毎日が楽しい」。 オープンした当時、渋谷宇田川町周辺のDJカルチャーは絶頂期を迎えていたが、下北沢にはまだソウルやファンク、レアグルーヴを聴かせる店は少なかったという。自分の部屋に友達が遊びに来て、そこで音楽やレコードを囲んでワイワイみたいな雰囲気になればいい、という店内には、幅広い客層が集まってくる。 「昔のレコードに興味を持ったきっかけは、ヒップホップのサンプリング・ソースやブレイクビーツからという、よくあるパターンで、クラブなんかで働いていたこともあり、そのうち、レコードの流れる空間を作りたくなって……まあ、できることがこれしかな

TOKYO MUSIC BOX #5 グランドファーザーズ

TOKYO MUSIC BOX #5 グランドファーザーズ

グランドファーザーズ 値段:¥¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★ 出会い:★★ ポイント: 老舗、リクエストOK 看板メニュー:あたりめ   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第5回は、渋谷の老舗バー、グランドファーザーズ。年季の入った店ならではの味わい深い雰囲気が、JBLスピーカーから放たれる名曲をさらに魅力的に響かせている同店だが、オープンはロック黎明期の1971年。当時はロックのLPを1曲ずつ繋ぐという当時ではまだ珍しい選曲スタイルでスタートしたが、時を経るうちにジャンルは広がり、現在は70年代前後のポピュラー音楽全般、特にAOR、ファンク~ソウルなどを中心とした曲がプレイされている。     1曲ずつレコードを取り替えるスタイルはオープン当初から変わらず、選曲係を勤める店長またはスタッフは、常にターンテーブルに張り付いている。2代目店長の石川徹は学生時代に同店でアルバイトを始め、35年にわたって勤務を続けている。「長くやっていますが、僕が顔と名前、職業まで把握している常連さんって、10人いるかいないか。なぜなら勤務中はずっと選曲してターンテーブルと向き合ってなくてはいけないから(笑)。あまりお客様と会話をするタイプの店ではないですね」。        客層は20代〜50代と幅広い。当時聴いていた音楽をリクエストしにくる客もいれば、古い音楽を求めてやってくる若者も多いという。「今はレコードで音楽を聴ける店、というのが再び重宝されているということかもしれません。20代くらいの女性が『Route 66』をリクエストされたときは驚きましたが、ご両親の影響なのかなと思いますね。アナログレコードはCDやデータで聴くのとは違って、暖かくて太い音が大変心地いいです。うちでかかるのはレコードの良さが際立つもの、ロックでも音に隙間のあるものというか、空間に馴染むものを選んでいるので、ハードな音楽はかけていません。ディスコ系なんかも物によってはありますよ」。         レコード棚にはおよそ2500枚のLPや7インチ、12インチが所蔵されている。開店当初から並んでいるものが大半だが、新譜のチェックも欠かさない。「良いものだったら最近のものも仕入れていますよ。最近だとJoss Stone、Vint

TOKYO MUSIC BOX #4 WORLD KITCHEN BAOBAB
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TOKYO MUSIC BOX #4 WORLD KITCHEN BAOBAB

WORLD KITCHEN BAOBAB 値段:¥¥¥ 音量:★★★(盛り上がってきたら大きくなることも) 照度:★★★ 出会い:★★★★ ポイント: ライブあり、世界各国の食事や酒、パクチー料理 この1杯:アサイービネガービール、モヒート   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第4回は、アットホームなトリップ空間で世界各国の音楽や食事、アルコールを楽しめる吉祥寺のWORLD KITCHEN BAOBABを紹介する。弁天通り沿い、半地下に店を構える同店は、ワールドミュージックファンたちの聖地でもあるのだ。     カリブ、アフリカ、中南米のレコードや雑貨が所狭しと並ぶ店内。そのほとんどは、店主の池端陽介が現地で買い付けてきたものだ。特にレコードコレクションは、池端が各地のローカルなコミュニティに入り込んで掘ってきた貴重な盤ばかり。 もともと旅好きの彼が、旅先でレコードを掘るようになったのは8年ほど前のこと。レコード屋自体が存在しない土地では、現地の年輩者をターゲットに直談判して譲ってもらうことが多いという。「レコードを持ってたら譲ってほしいと言って回ると、家に招待されたり、僕が持参したポータブルレコードプレイヤーでみんなでレコード聴いたり。向こうではレコードプレイヤーってもうほとんど残ってないから、みんな家に眠ってるレコードがたくさんあって、久々に聴くと懐かしがって踊りだすんですよ(笑)。普通に旅するより、さらに一歩踏み込んで現地のコミュニティに入れるんですよね」。     現在でもカーニバルの時期に合わせてブラジルやトリニダードやコロンビア、グアダルーペなどの中南米や、アフリカ1ヶ月の旅などに時間を見つけては現場に出向いている。カーニバルも、様々な音源との出会いの場だ。 そんな本場のバイブスを知り尽くした彼が、各国のカルチャーを空気感と一緒に味わえる場としてオープンしたのが、WORLD KITCHEN BAOBABというわけだ。同店では平日、週末に関わらず不定期でライブイベントも数多く開催しており、ラテンやレゲエ、アフリカ、ブラジル〜サーフミュージックなどの優れた日本人ミュージシャンが出演しているほか、来日アーティストの公演が行われることもある。 ほぼ生音の至近距離で彼らの演奏を観ながら、本格的なローカルフードをパクチーたっぷりのモヒートで流し込む。または、ラム酒片手に踊るのも良い。マイペースに楽しむ常連客たちに教えを請いながら徐々に体を店に馴染ませれば、ここが東京であることを忘れてしまいそうだ。 そんな、オープンな雰囲気のなか未知のグルーヴに出会えるWORLD KITCHEN BAOBABのプレイリストは、古今東西、あらゆる辺境サウンドを網羅した楽曲が並ぶ。 11月20日更新分のプレイリストのテーマは、「Luso Africa〜ポルトガル語圏アフリカ〜」。日本でらあまり知られていないアフリカの元ポルトガル領〜ポルトガル語圏〜のアフリカの国々のサウダージ感溢れる素晴らしい音楽を紹介している。冒頭と締めを飾る松田美緒は、同店が2015年12月3日(木)に開催する『ルゾ・アフリカ&クレオールナイト!!』にも出演する。店主の池端に

TOKYO MUSIC BOX #3 DJ Bar Bridge

TOKYO MUSIC BOX #3 DJ Bar Bridge

値段:¥¥¥ (チャージ1,000円) 音量:★★★★(深い時間になるにつれ大きくなる) 照度:★★ 出会い:★★★★★ ポイント:有名DJが連日登場、静かなエリアあり、Wi-Fiあり この1杯:自家製ジンジャエールのモスコミュール   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する新連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第3回に紹介するのは、2014年8月に開店したDJ BAR Bridge。のんべえ横町入り口、渋谷の中心街を見下ろすビルの10階という最高のロケーションに店を構える同店は、曜日ごとのレジデントDJを揃えており、DJ NORI、TOSHIYUKI GOTO、川辺ヒロシ、クボタタケシ、THE MARROWS、DJ WATARAI、KZAらという、錚々たるメンツの生DJプレイをBGMにグラスを傾け、時にフロアで踊ることもできる一軒だ。 開店して1年半足らずだが、すでに一部では定番スポットとして浸透している感があり、音楽やファッション界の業界人もいれば、熟練の遊び人から若いクラブミュージックファンまで、誰もが気取らず、最高の音楽と酒のもとで遊べる空間ができあがっている。   「客層は30代〜40代が中心だけど、若い人もきますよ。ここではみんな平等で、大人の遊び方で遊んでる。紳士な不良中年たちも多いしね(笑)。あと女性客がみんな可愛くて美しいんだよ(笑)。なんか、そう見えるのは俺が年食っただけかと思ったけど、ほかのお客さんに聞いてもそう言うんだから、間違いない」。そう語るのは、店長の有泉正明。1980年代から東京のクラブシーンでいくつもの名店の店長を担ってきた彼は、DJ BAR Bridgeを手がける話が舞い込んだ時、小笠原島で自給自足生活を楽しんでいる最中だった。 島生活の前は大型トラックを乗りまわす野菜の運び屋稼業に精を出すなど一時的に音楽業から離れていた彼は、この渋谷のど真ん中に生まれるDJバーを、雑多な人々が集まる「サードプレイス」にしたいと考えたという。「この前1周年アニバーサリーを7日間やったんだけど、終わってみてなんだか1段階上がった手応えがあったというか。みんなのサードプレイスになってきているし、なにより『Bridgeらしさ』ができてきて、DJもスタッフもお客さんも、それを共有してくれているのを実感している」。   彼はDJ陣に対して、「Bridgeらしさ」をドラマチックに演出するよう常に要求し、コントロールを怠らない。「はじめはみんなラウンジっぽすぎたから、踊りたいお客さんのためにもっと踊れる選曲を、って言ってたんだけど、そしたら最近は逆にクラブと変わらなくなってきちゃったからやめてくれって言ってる(笑)。難しいですね。でも、その場にいる全員がその曲を聴いている瞬間ってあるんだよね。DJたちに、心が躍るドラマチックな選曲を、と要求しているのはその瞬間を生み出してほしいから」。 文化が生まれ、交差する空間としてこれからさらに成熟していきそうなBar Bridgeのプレイリストは、有泉の助言もふまえつつ同店のオープンDJや照明などを担当する高橋基樹が選曲。Bar Bridgeのこれまでとこれからを楽曲で表現する。 11月13日更新分

TOKYO MUSIC BOX #2 ART SPACE BAR BUENA
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TOKYO MUSIC BOX #2 ART SPACE BAR BUENA

値段:¥¥¥ 音量:★★★ 照度:★★ 出会い:★★★★ ポイント:ライブ、落語寄席、トークショーあり、Wi-Fiあり   定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する新連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 第2回に紹介するのは、スナックが軒を連ねる大久保の雑居ビルの一室に店舗を構えるART SPACE BAR BUENA。飲みながら気軽にアート作品を楽しめるギャラリーである同店は、ノイズやアンビエント、電子音楽からポップス、ジャズまで、ジャンルレスで時代性のある音楽を積極的に取り上げる独創的なミュージックバーでもある。 店長の田中晴久は、UN.a、ハチスノイト、AOR、Hakobuneら、エクスペリメンタルかつポップな注目のアーティストの作品をリリースする新興レーベルPURRE GOOHNのオーナーで、自らもノイズ作品をリリースするアーティストだ。 同店で毎月数本行われるライブイベントでは、海外のノイズやアンビエントの大物アーティストを招聘していることも多く、LAFMS(ロサンゼルス・フリー・ミュージック・ソサエティ)のJoseph Hammeも来日公演の際、演奏している。また、日本での活動も有名なギリシャ人デザイナー、ミハイル・ギニスも、ライブイベントで同店を訪れて以来、刺激的なイベントを求めて度々遊びにくるという。   とはいえ、BAR BUENAは決して敷居の高い店ではない。展示やイベントもジャンルではなく「いかにこの店の空間を面白く使ってくれるか」を基準に決めているという。常連客たちも、特定のジャンルのコミュニティというよりは、バラバラの趣向、職業の人々が集まっている印象だ。バーテンダーのスタッフ(アイドルグループ、おやすみホログラムの八月ちゃんや、画家でミュージシャンのきたしまたくやらも勤務している)も皆若く、あらゆるカルチャーを受け入れる好奇心を持っている。 そうした懐の深さは、同店で行われるイベントにも表れている。アート展示、ライブイベントとともに、レギュラーイベントとして人気を博しているのが『柏枝・可女次・鯉八三人会』、通称『ぶえな寄席』と呼ばれている落語会だ。2015年10月には第8回を数えた同イベントは、気鋭の落語家を間近で楽しめるとあって毎回立ち見が出るほどの人気ぶり。また、同じくレギュラーイベントの『あなたの聴かない世界』は、書評家の永田希と「リアルインダストリアルライター」持田保がホストを務めるトークイベント。毎回、「ニューエイジ」「アートとセラピー」「レイヴカルチャーとサイケデリック」などディープなテーマを設け、伊達伯欣や、DJ YOGURTら、ツボを押さえたゲストが登壇してきた。   そんなBAR BUENAだが、店内BGMは田中のiPodからその時その時の雰囲気で店員が選んでいるという。BGMにはノイズやアンビエントが流れることは少なく、客層によって柔軟に対応できるよう、ジャンルレスにエッジのきいたセレクションとなっている。 11月6日更新分のプレイリストのテーマは「breakfast」。ネオソウルの最新型として話題のHiatus Kaiyoteで幕を明け、MatmosやMax Richter、Ryoji I

TOKYO MUSIC BOX #1 Time Out Café & Diner

TOKYO MUSIC BOX #1 Time Out Café & Diner

Time Out Café & Diner 値段:¥¥ 音量:★★★★ 照度:★★★★ 出会い:★★★   ポイント:ライブ、DJイベント、トークイベントあり、Wi-Fiあり  定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する新連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。 記念すべき第1回に紹介するのは、恵比寿のTime Out Café & Diner。都内随一のライブハウスLIQUIDROOMの上階に店を構える、フラットな空間のカフェ&ダイナースペースだ。  ディナータイムにはDJイベントやワークショップなど様々なイベントが行なわれている同所。隣接したギャラリースペースKATAも併用したイベントでは、バンドライブも行なわれることも。音楽、アート、ファッションが自然とクロスオーバーする同所は、感性の鋭い人々が集うサロン的な機能も果たしている。 レギュラーイベントとしては、毎回DJやアーティストをゲストに迎え、松永耕一(COMPUMA)とともに、普段のDJプレイとはひと味違うBGMをテーマに選曲し、様々な音楽の魅力を探る『Background Music』や、「アナタの平日のトーキョーライフをちょっとだけたのしくしてくれる」をテーマに毎回ゲストDJを迎える『トーキョーシティポップス』など、未知の音楽に出会えるイベントが開催されている。 そんな、ディープな音楽好きから厚い信頼を集めるTime Out Café & Dinerのプレイリストを作成してくれたのは、LIQUIDROOMプロデューサーの山根克巳。90年代以降、海外のディープな音楽シーンと東京がタイムリーにリンクする土壌を築き上げた張本人である彼は、Time Out Café & DinerのBGMのセレクターも兼任している。 10月30日更新分のプレイリストは、90年代のドラムンベースシーンの象徴的存在だったGOLDIEで幕を開け、Jamie xxへ、というUKガラージを辿る流れ経て、HECTOR ZAZOUを挟み、パキスタンの国民的歌手Ustad Nusrat、イスラエルの女性歌手Ofra Hazaへとたどり着く、なんとも味わい深くストーリーのある10曲が並んでいる。 ※プレイリストリンク 先:KKBOX【スマートフォン】KKBOX有料会員の方は「アプリを開く」ですぐに全曲試聴できます。アプリをお持ちでない方

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