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撮影:Keisuke Tanigawa
テキスト:三木邦洋
『FUJI ROCK FESTIVAL '16』の開催終了から1週間がたった。フラッシュバックするのは、体を突き抜けていった歌声、奇跡のような演奏、大自然に音が溶けていく瞬間、仲間と過ごした時間、などなど……。『ポケモンGO』に興じる友人に多数出くわしたことや、dCprGの壮絶な演奏で踊りまくるBABYMETALファンの姿も、忘れられない一幕。今年は20周年であったことも手伝ってか、来場者数は近年で最高の動員を記録したという。天候も全日程が快晴に恵まれ、文句なしの3日間となった。改めて実感し、胸を打たれたのは、アーティストも観客も、すべてにおいてあらゆるジャンル、世代、人種、価値観がごった煮になっていることが『フジロック』の自由な空気の源でありメッセージなのだということだった。ハイライトと言うには部分的すぎるチョイスだが、このフォトレポートで日本が誇るミュージックフェスティバルの雰囲気が伝われば幸いだ。
2日目のヘッドライナーであるBECKの終了後、大トリを務めたのはスイングジャズの巨匠グレン・ミラーの楽曲をテーマにしたプログラム「FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra」。ロサンゼルスの伝説的なスカバンドJump With Joeyが中心となり、加藤登紀子、曽我部恵一、中納良恵(EGO-WRAPPIN')の3名をゲストボーカルに迎えたスペシャルバンドは、グレン・ミラーの『Pennsylvania 6-5000』で華々しく幕を開けた。
曽我部恵一はスイングアレンジのビートルズメドレーを披露。中納良恵は、戦後日本で笠置しず子が歌ったスイングの名曲『買物ブギ』を、加藤登紀子は「Mr.フジロック」こと故 忌野清志郎の『田舎へ行こう』を熱唱。終盤は3人揃ってのジョン・レノン『Power to the People』、RCサクセション『雨上がりの夜空に』を合唱。ラストはグレン・ミラーの『ムーンライト・セレナーデ』の美しいメロディーが締めくくった。
ERNEST RANGLIN & FRIENDS
ロバート・グラスパー・エクスペリメント、カマシ・ワシントンなど、ジャズアーティストが圧巻の演奏を繰り広げた最終日。そのなかでも特筆すべきアクトのひとつが、ジャマイカのレジェンドにして御年84歳のギタリスト、アーネスト・ラングリンを中心に、ジャズやワールドミュージックのミュージシャンから一流のメンバーを集めたスペシャルバンドERNEST RANGLIN & FRIENDS。老境を微塵も感じさせないアーネストの流麗なギタープレイのバックでビートを刻むのは、フェラ・クティとともにアフロビートを発明したドラマー トニー・アレンと、セネガルの名歌手にしてドラマーのシェイク・ロー。さらにイギリス最高のサルサピアニストとも呼ばれるアレックス・ウィルソンや、ジャズとジャマイカンミュージックなどをクロスオーバーさせるサックスプレーヤー コートニー・パインといった面々がメロディーを奏で、ソロを回す。達人たちのセッションは、音楽の喜びそのものだった。
Courtney Pine(ERNEST RANGLIN & FRIENDS)
最終日、フィールドオブヘブンでのdCprGのステージの冒頭で、菊地成孔が「世界は大変に酷いことになっていますが、ここに広がっている風景はなんと素晴らしいのでしょうか」といった意味の言葉を投げかけた。祭りに参加できること、祭りが続いていることの大切さを痛切に感じる一言だった。来年の『フジロック』が今から待ち遠しい。
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