インスタレーション「光と花の庭」「残照」
2月1日~5月24日/9時~20時30分(入場は20時まで)/料金は前売り2,800円、小学生以下1,400円/当日3,000円、小学生以下1,500円
イマーシブシアター「花宵の大茶会」
3月20日~5月24日/料金は前売り1万円(プレミアム1万5,000円)/当日1万1,000円(プレミアム1万6,000円)/公演当日の庭園入場料含む

タイムアウト東京 > カルチャー > 蜷川実花・宮田裕章・DAZZLE飯塚浩一郎 「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026」インタビュー
京都の春は言うまでもなく素晴らしい。桜が古都を染める季節というだけではなく、春の陽気の中で、見応えのある文化芸術イベントが次々と開催されるシーズンでもある。中でも「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026 -時をこえ、華ひらく庭」は、多くの人が心待ちにしている春の定番イベントだ。
2026年は、最先端の視覚芸術と舞台芸術の祭典が繰り広げられるという。ここでは、参加アーティスト自身の言葉を交えながら、フェスティバルの見どころを紹介しよう。
KYOTO NIPPON FESTIVALは、1000年の歴史を誇る「北野天満宮」の境内で開催される。記念すべき10周年を迎える今年は、とりわけ入念に準備が進められた。
写真家・映画監督・現代美術家の蜷川実花と、科学者・エグゼクティブディレクターの宮田裕章が率いるクリエーティブチームのEternity in a Moment(エイム、以下EiM)が、名所として知られている梅園「花の庭」を幻想的な世界へと変貌させる。約1200のクリスタルが光を屈折させ表情を変え、万華鏡のような色彩の世界を生み出すのだ。
並び順など一つ一つ自ら手を動かし「光と花の庭」を作り上げた蜷川は、屋外での展示に触れて「ちょっとした光や風の変化を受けやすく、自然の揺らぎを感じやすい作品となりました」と話す。
この「光と花の庭」は、もう一つの「残照」によって補完されている。同作品は、歴史ある茶室「梅交軒」が造花に覆われたインスタレーション。鮮やかな色彩と生命力に満ちた花もあれば、あせた色合いの枯れた花もあり、人生のはかなさを想起させる。
2026年3月20日(金・祝)から5月24日(日)まで開催される「花宵の大茶会」もまた、劇的な二面性を帯びている。「風月殿」を舞台にするこの体験型の公演は、蜷川とEiM、そして日本のイマーシブパフォーマンスの先駆者であるダンスカンパニーのDAZZLEによって共同制作された。
公演は1587年、豊臣秀吉が北野天満宮で開いた「北野大茶湯」を元にする。大名だけでなく庶民も参加し、およそ1000人もの人が集まった前代未聞の茶会で、茶頭を務めたのが千利休だった。
秀吉の豪華絢爛(けんらん)と、千利休が説いた質素な「わびさび」の両美学が相まみえ、乖離(かいり)した日本の視覚文化の画期といえる。
宮田は「花宵の大茶会」を通して、「400年を経た今、DAZZLEのイマーシブ手法との連携によって、『わび』と『花』を融合した新しい美意識を提案し、秀吉と利休の合わせ鏡のような光と影の両面を浮き彫りにして現代に提示してみたい」という。
また、DAZZLEの飯塚浩一郎にとって、北野天満宮はこの野心的な作品を披露するには格好の舞台といっていいだろう。飯塚は、北野天満宮が大茶会に加えて、歌舞伎の発祥地とされていることに触れた後、「新たな文化を表現する場として機能してきた場所で、私たちもまたチャレンジングなパフォーマンスを行うことは、その大きな歴史の流れの一部なのです」と語った。
秀吉の華やかな祝宴は一日で幕を閉じたが、「花宵の大茶会」は、もしもう一夜続いたならどう展開したか、「幻の2日目」を体験させてくれる。
荘厳な伝統建築の中、蜷川とEiMが作り上げた華麗なビジュアルが展開する空間で、観客は五感をくすぐられ、DAZZLEが紡ぐ超現実的なノンバーバルの物語に次第に引き込まれていく。そしていつしか「観客」は、豪華な茶の湯の「参加者」へと転じるのだ。
宮田はイマーシブシアターが今、これほど豊かな体験をもたらしてくれる理由がここにあると考えている。AIやアルゴリズムが支配する現代において、「人間に残された大事な仕事は、五感で感じること。イマーシブシアターは言葉を封じることによって、体全体で感じていただける場所になっています」と説く。
「目の前で人々が踊る姿を見ていると、すごいエネルギーが感じられます。映画の中に入り込んでいるような、今までにない体験ができるでしょう。それを北野天満宮で観られるのですから、二度とない体験になるかもしれません」と蜷川は魅力を語る。
また、観客・役者・舞台といった境界のないイマーシブシアターは、演者にとっても期待感を高めると飯塚は言う。「イマーシブシアターは、観客の参加なしには成立しません。そこが演じる側からしても面白いところです。私たちの作品がどのようなものになるのか、自分も楽しみにしているので、観る側もきっとスリリングな体験になるでしょう。ぜひたくさんの人に観ていただければと思っています」
インスタレーション「光と花の庭」「残照」
2月1日~5月24日/9時~20時30分(入場は20時まで)/料金は前売り2,800円、小学生以下1,400円/当日3,000円、小学生以下1,500円
イマーシブシアター「花宵の大茶会」
3月20日~5月24日/料金は前売り1万円(プレミアム1万5,000円)/当日1万1,000円(プレミアム1万6,000円)/公演当日の庭園入場料含む
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