3年前に東銀座にちょこんと開店したイバイアは、その店名こそフランスバスク料理店に変わりないが、今やグリル肉を専門としているのが特徴の典型的なビストロとして人気だ。そんな現状になっていったのは、大きな肉の塊に奇跡を起こすシェフがいるからこそ。オープン後、ひとたび彼のその才能が披露されると、客から絶賛され、その腕前を磨いていくことになった。
銀座の高級過ぎないエリアに隠れ家のように佇む同店は、20席あるが常に満席だ。常連はハーブとガーリック入りのパン粉をまぶして黄金色になるまで焼いたオーストラリア牛の厚切りヒレ肉に、完熟トマト、赤ワイン、ポルト酒などを使ったソースを添えた『牛のヒレカツ』などを求めて通う。もう1つの傑作は、アペタイザーの『牛ハツのスパイシー串焼き』。大きめの牛ハツ3つを刺した串2本を、両面に焦げ目が付く程度まで炭火焼きし、パプリカ、玉ねぎ、ハラペーニョをトッピングした一品は、軽く燻された柔らかい牛ハツにスパイシーなトッピングが絶妙に合う。
しかし、イバイアは肉好きのための店というわけではない。埼玉にあるオーナー家族の自家農園から野菜が届き、週替わりの特別なサイドメニューに変身する。ビストロでありがちな新鮮さを失ったサラダよりワンランク上の野菜が、ボリュームのある肉とのバランスを見事に補ってくれるはずだ。
店の予約は1ヶ月前までにはしておきたい。肉の達人がグリルする姿を見たい人には、カウンター席を勧める。
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