超福祉
Photo: Keisuke Tanigawa左から伏谷、堀口、手塚、国友

「超福祉展」と連動、観光からライフスタイルを見直すイベントが配信中

手塚マキや堀口ミイナも参加、「ニューノーマル、新しい観光 超福祉編」

作成者: Time Out editors
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今年で最後となる『超福祉展』が閉幕を迎えた。同イベントはあらゆる「ちがい」が混ざり合うダイバーシティーな渋谷の街を目指す展示会イベントで、NPO法人ピープルデザイン研究所が2014年から開催してきた。

開催を記念して、2020年9月2日にはトークイベント『ニューノーマル、新しい観光 超福祉編』も開催、公式YouTubeでも配信された。このトークイベントは、8月にタイムアウト東京主催で開催したトークイベント『ニューノーマル、新しい観光』の超福祉編。

セッションは二つに分かれており、セッション1では、國友尚(アソビジョン代表取締役)、手塚マキ(Smappa! Group会長)、高橋政司(ORIGINAL Inc. 執行役員シニアコンサルタント)を迎え、堀口ミイナ(タレント、ラジオのナビゲーター)、伏谷博之(ORIGINAL Inc. 代表取締役、タイムアウト東京代表)が進行役を務めた。

セッション2では、玉置泰紀(KADOKAWA・2021年室エグゼクティブプロデューサー担当部長)、マーカス・ウェブ(ORIGINAL Inc. エディトリアル・ディレクター)、トップ・カオソンプーン(タイムアウトバンコク編集長)が加わった。

各セッションでは、まずキーワードを高橋がレクチャーし、それを巡って議論が交わされるという方式で進められた。

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右から堀口、伏谷Photo: Keisuke Tanigawa

伏谷は、冒頭で観光と超福祉の関係について「観光が日常のライフスタイルと境目がなくなりつつある。観光を話すことで、日常のライフスタイルの変化や方向性が見えてくるのではないか」と語った。

セッション1:SDGsとグリーンリカバリー

最初のキーワードはSDGs(Sustainable development goals)。2015年に国連で採択された世界を変えるための17の目標で、「『誰も置き去りにしない世界』を目指して」をキーワードに、先進国、途上国関係なく皆で2030年までに達成することが求められている。

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高橋政司Photo: Keisuke Tanigawa

高橋はこの中から、飢餓人口を例にとって、日本全体の食品ロス(食べられるのに捨ててしまった食品)が643万トン(2019年)発生していることから、これらをなくして世界の飢餓人口が少しでも食べられる社会を作るのが目標と指摘した。

高橋の説明に対し、手塚は「私たちが生活でロスを出さないことが、途上国の食料に回せるのか、それは現実的な気がしない」と述べ、高橋はそれを認めながらも、食べるものという資源が少しでも途上国に回るような社会を作ることが目標だと応じた。国友もこの議論にデザインマネジメントの観点から意見を述べて、ディスカッションは進んだ。

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国友(右)、手塚(左)Photo: Keisuke Tanigawa

SDGsの後のキーワードは「グリーンリカバリー(Green Recovery)」。EU各国を中心に発表された構想で、2020年4月にコロナ禍からの経済復興策と気候変動緩和策を組み合わせ、今まで解決できなかった気候変動緩和策に資する分野に復興予算を回していこうとする考え方だ。

高橋はここでも「我慢をしていることで新たな技術の革新に歯止めをかけているのではないか、我慢できるというのは環境問題の解決にはならない。二酸化炭素をたくさん出すから飛行機には乗らずに電車に乗る、というのはグリーンリカバリー的には望ましくなく、排出を極力少なくするような早い飛行機を開発する方が望ましい」と語る。 

国友は「グリーンリカバリーが4月に誕生していたのがすごいと思う。日本もコロナで世界有数の資金援助をしていながら、そういった指針が出ていなかった。なぜヨーロッパにはできて日本にはできなかったのか」と問題提起し、「ピンチをチャンスに変えるといった欧米の考え方より、ピンチのときはそれに向き合う方が、経営学では持続可能な会社を作れるスタイルだったりもする」と述べた。

「ヨーロッパがこうだから、結果が出そうな場合は特に日本もやってみようといった風潮がある。一回それが必要かを考えるための良いきっかけをコロナはくれた」という指摘もなされた。

セッション2:インフォデミック

セッション2では「インフォデミック」が扱われた。高橋によれば、「インフォデミックは「情報」と「伝染病」を合わせた語で、伝染病の最中に起こる情報過多(いくつかは正確でいくつかはそうではない)を指し、人々が信頼できる情報源とガイダンスを必要としているときにそれらを見つけることを困難にするもの。2003年に政治学者のデイビット・ロスコフが、ワシントンポストで使用したのが最初とされる」という。

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Photo: Keisuke Tanigawa

この説明を受けた伏谷の「日本のインフォデミックで気になることはあるか」という問題提起に対し、玉置は「時代の中で一番遅れているのは新聞やテレビなどオールドメディア。コロナのような分からないことが多いことだからこそ、できるだけフラットに間違っていない方向に行くことが大事。インフォデミックはSNSや新しいメディアのイメージがあるかもしれないが、むしろオールドメディアの中にこそ大きな問題としてあるのではないかと思う」と状況を整理してみせた。

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リモートで参加する玉置Photo: Keisuke Tanigawa

ウェブはロンドンでスロージャーナリズムを提唱するために媒体を立ち上げており、一つのニュースを数カ月経っても追いかけることを目指している。

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伏谷の問いに答えるマーカスPhoto: Keisuke Tanigawa

「イギリスはジャーナリズム発祥の地という側面もあるのに、玉置さんが述べたようなファクトと自分の意見とのバランスについてどう考えているのか」という伏谷の問いには「問題はメディア側だけではない。ある統計ではツイッターの見出しのみで中身を読まないパーセンテージが70%以上だという。ちゃんと記事を読む、なるべくたくさん読む、自分の意見を持つ、その上で拡散するというステップが必要」と指摘した。

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丁寧にタイの事情について説明してくれるトップPhoto: Keisuke Tanigawa

また、カオソンプーンはタイでのインフォデミックなどについて「タイでもインフォデミックはもちろんあった。時間が経つにつれて人々は信頼を寄せるメディアを取捨選択し、大きなメディアに信頼を寄せるようになった」と振り返る。

その後、「取材に来た記者の立ち位置がずれているなとか感じることはあるか」という問題も論じられ、玉置は普段から記者と科学者などの専門家が交流することの重要さを、ウェブは記者にかかるさまざまなプレッシャーを、カオソンプーンは「高品質で信ぴょう性の高いものを情報発信していくというスタンスが、ブランドメディアの責任感と意識の高さ」を説明してくれた。

最後には「コロナで分かったのは何か一つに依存し過ぎてはいけないということ。国内のツーリズムの需要を高めていくのも必要だということ」(カオソンプーン)、「いちジャーナリストとしてこの歴史的な日々を的確に捉えていきたい」(ウェブ)、「日本がオープンになった時に、また違った見せ方ができるような日本になっているといいと思った」(堀口)といった感想が並んだ。

なお、現在渋谷スクランブルスクエア2階では、知的障害のあるアーティストとともに、福祉を軸にした新たな文化の創造を目指すアートライフブランドHERALBONYのポップアップストアが期間限定オープン。今回しか手に入らない「TEEシャツ」など、普段使いしたい斬新なデザインのアイテムが販売中だ。現在は受注生産で対応し、店舗で直接予約をすると、2020年9月20日(日)~30日(水)の間で来店する際に再入荷分が受け取れる。

『超福祉展』は9月8日(火)まで渋谷ヒカリエを中心に開催中だが、本イベントの映像は会期終了後も視聴できるので、こちらのストアと合わせてのぞいてみては。

公式YouTubeチャンネルはこちら

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