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規制緩和を開始したスペイン、7月に観光客受け入れへ

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Hanako Suga
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長期にわたる厳しい隔離生活を経て、スペインでは「フェーズ0」から「フェーズ3」の4段階に区切られた外出制限緩和措置を開始している。5月25日現在、多くの地域が「フェーズ1」の段階に移行し、バーやレストランなどの飲食店もテラス席50までの集客が可能になった。バルセロナでも、屋外であれば200人規模の文化活動も認められるようになるなど、少しずつだが小規模での音楽イベントなどの開催にも期待が集まっている。

営業を再開したバルセロナのカフェの様子。ソーシャルディスタンシングを保つため、テラス席のみ通常の半分の客数にとどまる

 

また、スペイン政府観光局は5月23日、日本人を含む外国人観光客の受け入れを再開することも発表した。2019年にスペインを訪れた観光客はおよそ8300万人。フランスに次いで世界で2番目に大きな観光地となっている。観光客の受け入れとともに、これまで外国からの入国者に義務付けてきた2週間の自己隔離処置も解除される見込みだ。

首相のペドロ・サンチェスは「スペインに来る人が安全な目的地として到着し、その地で危険にさらされることなく過ごすこと、同時に地元の人々にも危険をもたらさないために最善の注意を払わなければならない」と述べている。

もちろん、今後各地からの旅行を可能にするには欧州レベルでの合意が求められる。欧州連合は域内の移動や旅行の再開に向けたガイドラインを加盟国に掲示しているが、どう対応するかの判断は各国に委ねられている。すでにギリシャが観光客の受け入れを先駆けて発表しているが、これまでのように自由に欧州各地を飛び回るには、もう少し時間がかかりそうだ。

スペイン国内でも、人々の慎重な様子は変わらない。外出にはマスクが義務付けられ、他県への旅行や移動などは未だに禁止。また、閉鎖された空間への出入りなどの規制は引き続き厳しく行われ、ナイトクラブなどの営業再開は未定となっている。

夏のバケーションを諦めかけていた人にとって、スペインへの入国緩和は朗報かもしれない。しかし、スペイン国内での新型コロナウイルスによる死者は累計2万8000人を超え、今もなお医療施設では医師や看護師たちが命がけで働いているのが現状だ。ウイルス感染拡大の第二波を恐れている住人の気持ちを配慮することと、旅行者にも責任ある行動が求められるだろう。自らの安全を守るためにも今年の夏は慎重なバケーション選びをしてほしい。 

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