Barcelona vacía a vista de pájaro / Arc del Triomf

現地レポート:外出制限が延長、取り締まりが厳しくなるスペインでは

作成者: Hanako Suga
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新型コロナウイルスの感染拡大が続く欧州では、引き続き人々の外出が制限されている。 東京都でも、不要不急の外出を控えてほしいとの呼びかけがなされているが、実際ロックダウン(都市封鎖)の生活がどんなものなのか、想像できない人も多いのではないだろうか。感染者がイタリアを上回ったスペインでは、スーパーや薬局などでの買い出し以外には「外出証明書」の掲示を求めるなど、取り締まりもさらに厳しくなっている。

Barcelona deserta des de l'aire
Barcelona deserta des de l'aire
FOTO: Mossos d'Esquadra

カタルーニャ州警察がドローンから撮影したバルセロナ市内の写真

「非常事態」をさらに25日まで延長

3月12日に日本からバルセロナに帰国した筆者も、非常事態宣言による外出制限生活を現在も送り続けている。テレビにはベッドの足りない病院や、呼吸器が足りないことで命を落とす老人などの状況が連日映し出され、いまだに油断のできない段階であることを実感する日々だ。スペイン政府は先日、この「非常事態」をさらに25日まで延長することを発表した。

Hospital de Ifema en Madrid

Comunidad de Madrid

マドリードの展示場に急遽設営された巨大病院

日常生活にも大きな制限が

郵便物などの配送は基本的に朝だけになったり、街を繋ぐ高速道路にも規制がかかり、通勤や仕事以外での車の使用もできない。スーパーへは2人以上で行くことが禁止されるなど日常生活にも大きな制限がされている。サマータイムが始まり、一年で一番美しい時期を迎えるバルセロナだが、春を感じることなく「監禁疲れ」してきている住民も増えてきているのが現状だ。ここではこういった状況の中、助け合いを軸に新しく生まれたサービスを紹介したい。

 現在スペイン国内で営業休止となっているバルやレストランなどの飲食店は、31万5000軒にも及ぶ。Uber Eatsなどの配達システムを開始したレストランもあるが、デリバリー対応のできない店舗なども多い。そんな飲食店への支援運動として開設されたのが、行きつけの店を探して直接のサポートができるプラットホーム、salvemosnuestrosrestaurantes.es (スペイン語で、私たちのレストランを救おう)だ。

使い方は簡単で、支援したい店をサイトから探し、10ユーロから250ユーロまでの前売り食券を買うというシステム。購入した食券は、営業を再開した時に店舗で使うことができ、支払った金額がそのまま店の口座に届くので、直接の手助けとなる。

Botigues Obertes
Botigues Obertes
FOTO: botiguesobertes.barcelona

 ロックダウン中での営業しているサービスを簡単に検索できる Botiguesobertes.barcelona 

筆者の住むバルセロナでは、ロックダウン中でも営業しているスーパーや薬局などの所在地、営業時間などを簡単に検索できるウェブマップが開設されている。サイトでは、ビジネスを営む経営者自ら店の登録をすることもできるので、営業時間を縮小してオープンしている小さな店舗や、クローズ中だがデリバリーやテイクアウトのみ行っているレストランなどの宣伝となり、経営支援にもなっている。

特記しておきたいのが、こうした非常事態宣言が出された時に心配される「買い占め」についてだ。ここスペインでは、都市封鎖となった当日やその前後にトイレットペーパーや肉類などの食料がなくなった瞬間があったが、その後はスーパーの品揃えも戻り、普通に買い物ができている。人気のあるスーパーなどは店内が混み合わないように、一度に入店できる人数制限を設けたりもしているが、みんなルールを守って並び、お年寄りを優先するなどの配慮もなされている。

 
Frena la Cueva
 

また、ロックダウン中の生活支援をサポートするボランティアサイトなども注目されている。Frena la Cuevaは、手助けをしたい人と手助けを必要としている人の所在地をマップ化したシステム。例えば、自宅付近でマスクなどの支援物資を必要としている病院や、買い物代行などのサービスを提供するボランティア側の所在地をすぐにチェックすることができる。

医療現場で働く人々のサポートのため、食料を無料で提供する「#food4heroes」という活動も行われている。日々命を脅かして患者の治療に当たる医療関係者への感謝を込め、主にクローズ中のレストランなどが中心となって始まったムーブメントだ。フードの無料提供だけではなく、病院までデリバリーも行っているサポーターも多い。もちろん、安全面は十分に考慮し、あらかじめデリバリーポイントを病院の外にするなどして実施されている。

屋上で音楽をかけてストレッチをするような風景が日常になりつつある

そのほか、世界中に広がりつつある「医療現場で働く人々への拍手運動」も毎晩8時に継続中だ。バルコニーから拍手を送るご近所さんと、ささいではあるがコミュニケーションをとることは、ソーシャル・ディスタンシングの中で孤立しない良いきっかけにもなっている。こういったバルコニー越しのご近所付き合いは盛んになっており、向かいの家の人とヨガをしたり、屋上で音楽をかけてストレッチをするような風景が日常になりつつある。

外に出ることができなくなってもうすぐ1ヶ月が経つが、できる事は実行し助け合うポジティブな精神は今も健在だ。 

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