外出できないスペインでは、アーティストがリレー方式でライブ演奏などを開始

テキスト:
Hanako Suga
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新型コロナウイルスの感染拡大が続くヨーロッパ。国内の感染者が1万人を超えたスペインは、3月14日に非常事態宣言を発表し、それに伴いスペイン全土の住民へ15日間の自宅待機指示を通告した。スーパーや薬局への買い物、犬の散歩など最低限の外出以外は基本的に控えることが義務づけられており、レストランやバー、観光施設などはシャットダウン。いつもは観光客や地元民でにぎわう大通りや広場は閑散とした状態だ。

 閑散としたマドリード

先の見えない日々が続く中、人々は外出のできない15日間をどのように過ごしているのだろうか。多くの音楽イベントやフェスティバルの延期や開催中止も相次ぐ中、オンライン配信型のイベントなどが行われている。

「#yomequedoencasa」(スペイン語で私は家に引きこもる、の意味)というハッシュタグをそのままフェスティバル名にした、『YO ME QUEDO EN CASA FESTIVAL』や、『Cuarentena Fest』などのオンラインフェスティバルは、スペイン国内で人気のインディーロックバンドを中心に開催。

内容は、各アーティストやバンドが自宅からライブ演奏をし、その様子がアーティストのInstagramやYouTube上で生配信されるというもの。配信は週末限定だが、さまざまなアーティストがタイムテーブルに沿ってリレー方式で演奏をするのもユニークだ。

  Cuarentena Festの様子

また、SNS上では、マンションなどの集合住宅地に住む住民たちが自宅のバルコニーからクリエイティブなパフォーマンスを発信していると、話題になっている。

 ベランダからピアノの演奏をする男性(バルセロナ)

また、今この瞬間も働き続けている医師や看護婦など医療機関に関わる全ての人々にエールを送ろうと、毎晩20時にベランダから拍手を送る習慣も生まれた。

コロナショック収束の兆しが見えないスペインでは多くの人が職を失うなど、暗い話が絶えないのも現状。しかし、「こんな時だから」とユーモアをシェアし、感謝の気持ちを忘れず、人々と支え合おうとする明るい国民性からは学ぶことがたくさんある。

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