元タイムアウト香港エディターが「ティム ホー ワン 日比谷店」を訪問、本場の味との差は?

テキスト:
Hiroyuki Sumi
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「世界一安いミシュランレストラン」と言われる香港の人気店、添好運(ティム・ホー・ワン)が2018年4月8日(日)、日比谷シャンテにオープンする。日本第1号店として既に大きな注目を集めているようだが、実際のところ香港の店と比べてクオリティはどうなのか。オープンを前に、元タイムアウト香港エディターで、現在はタイムアウト東京で働くケイラ・イマダが店を訪れた。

香港の店はもっとごみごみしている

イマダが最初に気になったのは、店の立地。高層ビルが立ち並ぶエリアに「添好運」と緑字で書かれた看板が見えてくると「上品なエリアにあるし、店がとても大きい」と声を上げた。「香港の店舗は、もっとごみごみした場所にあるからね」。

4月8日にオープンする添好運 日比谷店

店に入ると、ウェイターたちが丁寧に席に案内してくれた。スタッフの1人は、イマダがタイムアウト香港にいたことを知ると、「本店の味を知っているのは怖いですね...」と表情がこわばってしまったが、イマダの第一印象は良好で、「本店はこんなにきれいじゃないし、日本の店員は丁寧だね」と感嘆。テーブルにつくと、イマダは慣れた様子で矢継ぎ早に料理を注文した。

本場はもっと油っこいぞ

温レタスや揚げ春巻き、大根餅、蒸し餃子、マーライコウ、チャーシューバオ、ちまき、ゼリーなど、次々と料理が運ばれ、瞬く間にテーブルは料理でいっぱいになった。イマダが「どれどれ」とばかりに料理を口に運び、味を確かめる。

テーブルを埋め尽くす点心

何度かそしゃくした後、口を開いた。「おいしい!」。本店の味に十分負けていないという。日比谷店のスタッフは、オープンするにあたり、香港とニューヨークで研修を受け、さらに香港から日本にシェフを呼び、味を確かめてもらったという。香港では月1回ほどの頻度で添好運に通っていたイマダも、納得の表情で「おいしい」と繰り返した。

定番料理の大根餅については、「香港の店のものは、もっとべちゃっとしている」という。すると、添好運を経営するWDI GROUP代表取締役の清水謙も「実は、香港のシェフに最初に指摘を受けたのが大根餅でした」と明かし、「『本場はもっと油っこいぞ』と言われました」と苦笑した。日比谷店のものはあっさりした味付けで、日本人の記者は、くどさは感じなかった。

大根餅

サービスについても満足げで、「日比谷店の方が、店員が礼儀正しくていいと思う。香港の店員は大ざっぱ。テーブルにナプキンは用意されていないし、『お皿を換えましょうか』なんて聞いてもくれないよ」と手放しで評価。店内の空間については「とても広々としていて清潔。香港の店舗は古いし、すぐ相席にされるから。オープンキッチンも気に入ったよ」とまくしたてた。

ただ値段については「香港のほうが安い」と指摘。日比谷店のメニューの多くが500〜600円で、「だいたい香港の1.5倍くらい高いかな」と話した。

店内

ちょっと「完璧過ぎる」かな

食事を終え、10点満点中何点か評価を聞くと、「8点」。2点マイナスの理由を聞くと、「店はきれいでいいけど、香港の店のように少し汚いくらいの雰囲気を求める人もいるからね。ちょっと『完璧過ぎる』かな」とした。料理については「香港の店にいる気分を十分味わえるレベル」と太鼓判を押したが、空間については「やっぱり香港の雰囲気は、香港に行かないと味わえないかもね」と評した。

だが基本的に和食ばかりで育った記者にとっては、十分に異文化体験ができた。とにかく安く、味も良かったので、オープンから1ヶ月くらいは大混雑の状況が続くのではないだろうか。

添好運 日比谷店の詳しい情報はこちら

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