ローカルレジェンド#19 スナックよーかんちゃんオーナー 宮田羊かん

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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僕がいなくなったら終わる、跡継ぎがいないからね。この店は永遠にあるわけじゃないんだ。クールな話だろ」と、鴬谷のラブホテル街にある会員制のスナックを営むよーかんちゃんこと、宮田羊かんは話し出した。

今年79歳になったよーかんちゃんは、1953年にバックバンドをつけた「音漫才」で知られる宮田洋容(みやたようよう)に弟子入り。その後、松鶴家千とせとコンビを組み、漫才師として活動していた。40歳になった時、表舞台からは遠ざかり、鴬谷に現在のスナックを開いた。「漫才師を辞めたのは、ある意味逃げたんだね。もっと自由にお客さんを楽しませたくなってね」と当時を振り返る。

  よーかんちゃんの店内

店に入ると、サイケデリックな内装に圧倒される。壁には数え切れないほどのCDが貼付けられ、輝く人形や置物などが所狭しと飾られているのだ。よーかんちゃんは、「漫才師時代は、暗い劇場で目立つ様にいつもペンダントを付けてたんだ。店をはじめてからは、お客さんも持ってきてくれて、自分でもつい買っちゃうんだよ。店にあるのはほんの一部。内装や衣装は良く変えてるよ」と教えてくれた。

よーかんちゃんがオリジナル曲を披露するショータイムが、店の見どころ。歌い踊りながらもよーかんちゃんは、客への気配りを忘れない。客と同じ席に座り、下ネタを含んだジョークを交えて、場を和ませてくれる。そんな彼の人柄からか、「会員制」「一見さんお断り」を掲げているのだが、常連客は多く、歌舞伎役者で俳優の中村勘三郎がひいきにしていた店としても知られている。唯一無二のエンターテインメントと、もてなしの神髄を目にしたいのなら夜の鴬谷へ。

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