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レアな下絵にも注目。画鬼、河鍋暁斎の大規模展がいよいよ開催

河鍋暁斎

2018年4月1日、『暁斎・暁翠伝 ー先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄ー』がいよいよ開幕した。河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)を、日本絵画史を代表する大画家と評しても、反対する人はさほど多くないだろう。しかしながら、2008年に京都国立博物館で開催された大回顧展『没後120年 河鍋暁斎展』より以前は、これほどポピュラーな存在ではなかったように思う。1998年に『幕末明治の天才絵師 河鍋暁斎展』が、滋賀県立近代美術館や秋田県立近代美術館を巡回しているものの、現在ほどの絶大な人気を誇る画家とは言いがたかった。

それでは暁斎は、いわゆる無名の天才だったのか。そうではない。幕末から明治にかけて活躍した暁斎は、紛れもなく当時から売れっ子の絵師で、海外での人気もすこぶる高かった。そんな大画家がいっとき忘れ去られてしまったのには、変幻自在の画風や、異形のものを好んで描いたまがまがしい画風などが、「文明開化」にはやる時代と相容れなかったからということもあるのかもしれない。

暁斎と言えばカラス。「榮太樓飴」で有名な榮太樓(えいたろう)が当時としては高額の100円で購入した『枯木寒鴉図(こぼくかんあず)』(写真中央)は、「百円鴉」とも呼ばれている

1993年末からロンドンで開催された『Demon of painting : the art of Kawanabe Kyosai』は、大英博物館で初の日本人画家の個展だった。生前、外国人とも盛んに交流した暁斎らしい、華々しい復活と言える。同展にも出品されていた暁斎直筆の下絵などの貴重な資料を所蔵し、研究活動を続けてきたのが、暁斎の実のひ孫であり、河鍋暁斎記念美術館(埼玉県蕨市)の館長を務める河鍋楠美(くすみ)だ。

実のひ孫で、河鍋暁斎記念美術館館長の河鍋楠美

下絵も間近で観覧できる

河鍋暁斎記念美術館が主催に名を連ねる展覧会『暁斎・暁翠伝 ー先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄ー』は、八王子の東京富士美術館での開催。創価学会名誉会長の池田大作が創立した美術館として有名だが、話がややこしくなりそうなので、とりあえず今は置いておこう。同展でも、本画や浮世絵をはじめ、下絵やデザインの仕事など、幅広い作品群で、暁斎を改めて総合的に展望する。また、暁斎の娘、河鍋暁翠(きょうすい)の作品が観られる点でも、貴重な機会となっている。

父同様、幅広い作品がある暁翠だが、やはり動物は外せない

謡曲にもなっている伝説「江口」に題材を取った作品(右)。普賢菩薩の化身である遊女を乗せた白象の表情に癒される

資料の展示も充実

6月24日(日)までの開催で、会期中展示替えあり。会期中には様々なイベントも予定されており、手前味噌ながらタイムアウト東京代表の伏谷博之が、河鍋楠美らとともに登壇するトークイベントなどもあるので、チェックしてみてほしい。

『暁斎・暁翠伝 ー先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄ー』の詳しい情報はこちら

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