Rescubika Studio’s renderings of the carbon-filtering skyscraper
Photograph: Rescubika Studio

ニューヨークに世界一高い「環境ビル」が誕生か?

パリの建築事務所がデザイン案を発表

Collier Sutter
テキスト:
Collier Sutter
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ニューヨークほど象徴的な高層ビル群がある街はないだろう。この街を訪れると、ワンワールドトレードセンターやエンパイアステートビルなど、高くそびえ立つ高層ビルを見上げずにはいられないはずだ。しかし、それらをしのぐビルができるかもしれない。

パリを拠点とする建築事務所、レスクビカ(Rescubika)は、超高層ビル「マンドラゴール(Mandragore)」のデザインを発表した。高さは2418フィート (約737メートル)で、完成すればアメリカで最も高い建物となる。また、このビルはエコフレンドリーであることも意識されていて、ニューヨークの大気中の二酸化炭素削減への貢献も想定されている。

外観は二酸化炭素を捕捉を助ける植物で埋め尽くされ、まるで巨大クルーズ船のよう。(少なくとも部分的には)電源を確保するために、広大な面積のソーラーパネルと多くの風力タービンも見られる。

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Courtesy for renderings Rescubika Studio

レスクビカでは、この建物をルーズベルト島の半分、クイーンズボロ橋から島の南端までの敷地に建てることを想定。今のところは絵に描いた餅ではあるが、この160階建てのこの建物は、二酸化炭素を排出量より多く吸収することで、温室効果に取り組むことができるように設計されていて、世界で最も高い二酸化炭素吸収源となる。

建物の名称である「マンドラゴール」は、多くの民話に出てくる、存在しない魔法の植物にちなんだもの。レスクビカの建築家たちは「この植物は人間のシルエット、生命の同義ともいえる身体の動きを喚起する存在。シンボリックな形は、我々は自然と共生するために、環境を保全しなければならないということを突きつけてくれる」と語っている。

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Courtesy for renderings Rescubika Studio

ニューヨークには、世界中の多くの大都市と同様、最近ユニオンスクエアに出現したクライメット・クロックのように、二酸化炭素排出量を削減する必要性を思い起こさせるものが多い。またニューヨーク市は気候動員法を制定し、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減することを公約している。

このような環境に配慮した建物は、ニューヨーク建築の未来になるかもしれない。

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