「GYRE GALLERY(ジャイル ギャラリー)」で、ロンドンとポルトガルを拠点に活動し、数々の受賞歴を持つアーティスト、ザドック・ベン=デイヴィッド(Zadok Ben-David)の展覧会が開催。大型インスタレーションや映像、新作アルミニウム彫刻など、異なる時期の作品が同じ空間に集まることで、作品間の関連性や繰り返される主題、意図の変化が浮かび上がる。
人類の本質や進化にまつわるテーマを探求するベン=デイヴィッドは、詩的で幻想的と評される作風の中で、ミニチュア作品から大規模なインスタレーションまで制作を続ける。金属素材を用いることが多く、粗野な素材感とそこから生まれる繊細な錯視効果との対比が特徴だ。
彼が選び取る自然界のモチーフは、人間の心理や行動を象徴する。人類はしばしば、自分が自然の一部であり、地球に生かされている存在だということを忘れがちである。本展の映像作品は全て終わりのないループで、残忍な物語や無益な戦争、人類の自滅的行為が繰り返される様を映し出す。
さらに、多くの作品は相反する2つの性質の間で揺れ動く。例えば『The Other Side of Midnight』では、暗闇の中で美しく照らされたチョウの群れが鑑賞者を引き寄せるが、作品の裏側にはゴキブリや甲虫の群れが現れる。同じ羽を持つ虫でありながら、喜びと嫌悪という正反対の感情を呼び起こすことで、人が互いの表面しか見ないことに気づかされる。
個々の作品は単体でも成立するが、空間に集められることでベン=デイヴィッドの表現の発展という新たな物語が立ち現れる。鑑賞者は作品群の中に新しい意味を見いだし、自然界における自身の立場を問い直すことになるだろう。
※11〜20時/休館日は2月16日/入場は無料







