「小山登美夫ギャラリー京橋」で、柏原由佳の個展「Changing in the Light – 光のなかで変わる」が開催。「やんばるアートフェスティバル2024-2025 山原本然」での出展作と、その後描いた最新作を発表する。
海や大地、自然の根源的なエネルギーを、透明感ある色彩により鮮やかに表現する柏原。作品には人間も動物も登場しないが、作家独自の視点を通すと気配や空気、光といった見えない何かの生命力が映し出されているようだ。異次元を垣間見たような不思議なパワーとざわめきを感じるだろう。
2025年、柏原は沖縄のさまざまな場所でスケッチをし、感じた記憶を頼りに3カ月間の滞在制作をした。そこで、原始の記憶と自分の内側の景色と、認識できていなかったもう片側の世界がつながり、光が差し、新しい世界が開いていくような衝撃的な体験をしたという。
柏原はこの経験により、心のままに描き、情報や常識に捉われない自分の感じる「見えない美しさ」を表現するようになった。自分は何者なのか、何のために生きるのかを知るために絵を描く。
柏原の熱く真摯(しんし)な姿勢は、自己の存在・思考・意識・周りのもの・人・環境・自然を新たな視点で捉え直すきっかけを与えてくれるだろう。
※11〜19時/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料