充実のコレクションを誇る東京国立近代美術館の、2016年春のコレクション展は『春らんまんの日本画まつり』。なかでも一番の見所は、六曲一双の大画面に長瀞の桜が描かれた川合玉堂の『行く春』だろう。水面に散りゆく桜の風景は、日本人が自然に見いだす詩情を体現している。そのほか、3月23日(水)から同館で開催の企画展『安田靫彦展』に合わせて、靫彦とともに「紅児会」を結成した今村紫紅をはじめ、ゆかりある作家の名品も靫彦のコメントを添えて展観する。すぐ近くの千鳥ヶ淵緑道は、桜の名所にもなっているので、花見の時期にはぜひ美術と自然とをあわせて楽しんでほしい。
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