柳橋といえば、かつては辰巳、新橋などと並んで花街として栄えていたエリア。『百万石』は、そんな花街の面影が今なお残る風情たっぷりの小料理屋だ。カウンター、小上がり、坪庭を囲んで小さな茶室と広めの座敷という造りの店内は、地元の常連客を中心にゆっくり食事を楽しむ客が多い。トンカツ専門店ではあるのだが、酒飲みの心をくすぐる酒肴が揃っており、いくつかおつまみを頼んでから『ロースかつ』や、有頭海老をロース肉で包んで揚げる『海老かつ』などの揚げ物とご飯で締めくくるのがいいだろう。渓流釣りが趣味だという店主が春先に自ら摘んでくる野生のフキノトウを使った『ふきのとうのカツ』は春先限定メニューだが、これが絶品。ロース肉でフキノトウを巻いてカラリと揚げた一品で、フキノトウの香りと特有のえぐみが油で揚げることで一層引き立ち、えも言われぬ香りが口中に広がるオツな味。他に、『トンテキ』や『ぷるぷる』といった揚げ物以外の一品も美味。しかし、ふんわり優しい味わいの『ハンバーグ』も決して忘れてはならない、ご飯にも酒のつまみにも合う最高の味だ。柳橋界隈の至宝と呼ぶべき店。
特集記事
百万石
広告
タイムアウトレビュー
詳細
広告
関連情報
関連情報
Discover Time Out original video