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日替わり店長のバー・レストラン5選

個性豊かな店長たちから、多様な生き方のヒントを得る

テキスト:
Miroku Hina
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テキスト:倉石真純

「働き方改革」で、副業も推奨されるようになった昨今。一つの仕事に縛られない多様な生き方への関心は、以前にも増して高まっているようだ。そんな生き方を一足先に体現しているのが、「日替わり店長」の店の店主たち。会社員や美容師、ライターなどとして働きながら、多くは副業として自分のペースで店に立つ彼らと話せば、自分なりの働き方のヒントを見つかるかもしれない。知らない業界について聞けたり、店長から人とのつながりが生まれやすいのも魅力。ここでは、都内でもおすすめの5軒を紹介する。

エンカウンター
  • バー
  • 渋谷

渋谷の道玄坂にある日替わりバーテンダーの店。店内にはカウンター席とソファ席があり、グループでも1人でも利用しやすい。

交代で店に出ている8人のバーテンダーは全員副業で、ライターやIT企業、着物屋、メイド喫茶勤務など、本業もバラエティー豊か。知らない業界の話も聞けるかもしれない。1人客も多い同店では店名の通り「縁」をつなぐことを重視しており、カウンターの客同士が仲良くなれるよう配慮しているという。ふらりと立ち寄れば、まだ見ぬ「縁」を紡げるだろう。

料理はメキシカンにこだわり、現地の酒や料理を豊富に取りそろえている。コロナやテカテ(各700円)といったメキシコビールのほか、高級テキーラのドン フリオなどの珍しい酒も常備。隠し味にナチョスが入ったホットコールスロー(500円)は、カルボナーラのような味わいとコクに、病みつきになる客も多い。

ポルト
  • バー
  • 有楽町

曜日によって多様な経歴の店主たちがカウンターに立つ銀座のソーシャルバー。開店から1年で、すでに歯医者や美容師、コンサルタント、ゲストハウスオーナーなど、本業を別に持つ30人近い人が店に立った。

店主たちの多様な顔ぶれは、共同経営者の喜屋武(きゃん)と嶋田のネットワークがあってこそ。10席ほどの小さな店では、店長を交えてほかの客とも気軽に会話ができ、店主や客からまた横の関係が広がっていく、まさに「人が人を呼ぶ店」だ。バイオレットリキュールをベースにしたオリジナルカクテル『ナガサワマサミ』(800円)を飲みながら、多様な生き方に触れてみよう。

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爬虫類館 分館
  • レストラン
  • 多国籍料理
  • 墨田区

押上にある地域密着型のカフェ&バー。珍しい店名とはかけ離れた、人懐っこい笑顔が印象的な吉田が、この店のオーナーだ。老若男女が入りやすく、地域の人々とのつながりを大切にする良い意味での「下町感」があると常連客は口をそろえる。

店に立つ店長の数は20〜30人に上る。年に1回だけや、シーズンに固定で入るなど、出勤率は店長によってさまざまだ。吉田が担当する夜カフェ「自然派フランカ」では、スパイシーカレーセット(850円)など、野菜中心の調味料にもこだわった料理を提供している。

このほか、秋田県出身の店長の稲庭うどんや、デザイナーが作るオムライス、保育士によるワンコイン子ども食堂など、店のあり方も曜日によって変わる。

  • レストラン
  • 三軒茶屋

三軒茶屋駅から徒歩4分。フォートマーケットは、3つのカウンターを併設し、一度に複数の店が楽しめるフードホールだ。現在は7つの店舗が入り、店内に常設する「オリタキッチン」では、日替わり店長がその日だけの特別なメニューでもてなしてくれる。

取材日はかつお節に人生をかけたという女性が、鎌倉野菜とこだわりのかつお節を使った料理を提供していた。気軽に出店できるため、ここで客のニーズをつかんでから本格的に店を出す人も多い。このほかホール内には、素材にこだわった肉料理が人気のBISTROg3や、オーガニック野菜でつくるコールドプレスジュース(1,000円)が楽しめる20%悪魔cafe(土曜のみ)などが並ぶ。それぞれの店長のこだわりメニューを楽しもう。 

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トムズカフェ
  • レストラン
  • 北千住

北千住駅から徒歩8分。白を基調とした内装がゆったりと過ごせる雰囲気のトムズカフェ(Tom's Cafe)は、曜日によって店主や店の雰囲気が大きく変わる。

月曜はカフェ、grama-niとして営業し、自家焙煎(ばいせん)のコーヒーやスコーンで一息つける。水曜に開かれる「旅行と写真好きが集まるカフェバー」には、カメラを持参した旅行好きな客が集うという。

特徴的なのは、土・日曜の店長を担当する卯月の店。ヒーリングミュージックが流れる店内で、スパイスから作る日替わりカレー(1,100円)や、シフォンケーキ(500円)が楽しめる。卯月から「潜在意識」や「引き寄せ」といったスピリチュアルな話を聞けるほか、リクエストすれば無料で音叉(おんさ)ヒーリングも体験できる。心や体に不調を感じている人は、癒やしを求めて訪れてみよう。

ライタープロフィール

倉石 真純 Masumi Kuraishi ライター
環境ビジネス、伝統工芸、職人、日本酒を中心に取材。「環境ビジネス」「SDGs経営」に執筆するほか、「Discover Unknown Janan」では日本についてインバウンド向けに発信。国際利き酒師。

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