“もんじゃ焼き”の看板を掲げながら、分厚い牛肉や大ぶりなメンチカツを出す日暮里の『大木屋』が、新店舗をオープンした。場所は市ヶ谷駅から約10分ほど、地下1階にある。日暮里店と同じく、こちらもフードのメニューはない。出されるものは決まっているからだ。基本はコースになっており、鰹のタタキ、厚切りのステーキ、カキやホタテなどの鉄板焼き、大ぶりなメンチカツ、そしてシメに、膨大な量のもんじゃ焼きが出る。このボリュームがこの店の売りだ。
メインのステーキは、5センチを超えるものがテーブルまで運ばれ、目の前でニンニクと一緒に焼き上げられる。焼き上がりはレアに近く、そして食べる前には適度なサイズにスライスされる。味付けはシンプルに塩・コショウ・バター。焼き上がり、厚さ、味のバランスはよく、美味い。そしてもうひとつの名物、メンチカツだが、これは巨大というほどではない。確かに市販のものなどに比べれば厚く、大きくはあるが、人数あたりで割ればやや小さく感じるほどだ。そして最後のもんじゃ焼き。「3人前」とは言うものの、その倍以上はあろうかという量が出てくる。しかしこれが特筆すべき点のないもんじゃ焼き。まるでこれまでの物足りなさを、そのボリュームだけで帳消しにしようとしているかのようだ。
コースは3500円だが、飲み物を頼めば5000円近くにはなる。ひとつのエンターテインメントとして、これだけの値段を払う価値があるかどうかといえる。今のところ、再訪する必要性は感じていない。


