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イタリア北部のエミリア・ロマーニャ州で修行した戸羽剛志が営む「NIDO(ニド)」は、大井町の裏通りにたたずむ温かみのあるイタリアンだ。アンティークのれんがや古材、グリーンに囲まれた店内は、隠れ家のような落ち着いた雰囲気を醸し出している。
同州は、イタリア屈指の美食の宝庫として知られている。パルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノ、モデナのバルサミコといった世界的な食材の産地であり、手打ちパスタの聖地でもある。戸羽はこの地の伝統に魅了され、現地でその技術を習得した。同店で提供されるタリアテッレやラザニアなどのパスタはすべて自家製であり、フォカッチャなどのパンも店内で焼き上げるこだわりようだ。
料理に合わせる酒は、州の特産である微発泡赤ワイン「ランブルスコ」が中心である。まずは「生ハム、サラミの盛り合わせ」(1,400円、以下全て税込み)に、モデナ名物の揚げパン「ニョッコフリット」(750円)をオーダーしたい。熱々の揚げパンに生ハムを乗せ、その脂の甘みと塩気をランブルスコで流し込むスタイルは、現地でも愛される至福の組み合わせだ。地元流に倣い、陶器のカップでワインを啜る体験も、この店ならではの醍醐味といえる。
看板メニューの「ボローニャ風“ラザーニャ”」(1,650円)は、ホウレンソウを練り込んだ緑の生地を幾重にも重ね、ボロネーゼソースとチーズで仕上げる伝統レシピを忠実に再現している。これほどハイクオリティーな郷土料理を、グラスワインとともにカジュアルに楽しめる同店は、まさに大井町に根付いた美食の拠点である。一度訪れれば、その奥深い食文化の虜になるに違いない。
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