

柳清子コレクション ラオス、幻の布
表参道の「同潤会アパート」に染織専門のギャラリーを開設した柳清子が収集したラオスの希少な織物を展示する展覧会が、「国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館」で開催される。
インドシナ半島に位置するラオスには、インドネシアや日本にもあるかすりをはじめとする伝統的な織物文化がある。北部の山岳地帯では、山々に隔てられた数十の少数民族がそれぞれに独自の意匠を受け継いできた。自然豊かな暮らしの中で生み出された、その鮮やかな色彩と不思議な文様には、アニミズム(自然信仰)に基づいた家族を守ってほしいという織手の女性たちの願いが織り込まれている。
中でも蛇神をモチーフにした「ナーガ」の織物は、2023年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されるほど、デザインとともに高度な技法が評価された。しかしラオスの織物は長らく世界に知られることはなく、内戦により難民となった人々が民族衣装を手放さざるを得なかったことで、皮肉にもその織技が国外にも認められるようになった。
柳は1986年にバンコクの骨董(こっとう)品店で出合った一枚のかすりと紋織の古布をきっかけにラオスの染織を探し求め、散逸から守ることをライフワークとした。本展では19世紀末から20世紀初頭のものを含む貴重な柳コレクションの寄贈品を通じ、神秘のベールに包まれてきたラオスの染織の美を紹介する。
※13〜17時/休館日は土〜月曜(9月19日、10月11・12日は開館)/入場は無料