赤塚不二夫も愛した白雪鮨が建て替え、趣ある店舗は6月26日で見納め

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Shiori Kotaki
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昔懐かしい空気が残る中井駅周辺。このエリアにある白雪鮨もまた、1948(昭和23)年創業という老舗の寿司屋で、年季の入った建物が良い味を出している。しかし間もなく、この趣ある建物に別れを告げなければならない。白雪鮨は2018年6月26日(火)をもって一時閉店し、新しい店へと生まれ変わるのだ。

店主の磯貝森一

白雪鮨といえば、『天才バカボン』や『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』などの作品で知られる漫画家、赤塚不二夫が行きつけだったことでも知られている。当時は、今はもう使われていない1階の畳の席で、若き日のタモリやプロボクサーのたこ八郎らとよく酒を酌み交わしていたそうだ。赤塚が好んでいたメニューを尋ねると、店主の礒貝森一は「主にお酒を飲んでいたので、食事はさっぱりしたものを好んでいました」と振り返る。この日の取材では、その頃をイメージして、刺身の盛り合わせと、赤塚がボトルキープしていた麦焼酎を出してくれた。麦焼酎の瓶に描かれているのは、赤塚直筆の『バカボンのパパ』と『ニャロメ』のイラストだ。

店内に飾られている赤塚不二夫のサイン

もちろん、せっかく白雪鮨に来たからには、寿司も忘れずに味わいたい。特にランチタイムのメニューは、ネタの大きな寿司をリーズナブルに味わえるとあって、人気を博している。ランチメニューの価格は、握り7つと巻物4つがセットになった1人前が700円、1人前に握りが3つプラスされた1.5人前が1,000円だ(どちらも味噌汁付き)。また、「午後の活力になるように」との理由から、シャリは夜よりも少し大きめに握られている。

ランチタイムに提供される寿司(1.5人前/1,000円)。相談すれば、シャリを夜と同じサイズにしてもらうことも可能
23年間、看板猫として大活躍したちゃん太。ちなみに、現在も店には黒猫のミウがいるのだが、極度の人間嫌いで、残念ながら店に立つことはないそう

建て替えの理由は、建物が老朽化したためとのこと。致し方ないことかもしれないが、これまでの歴史が染み付いた今の店がなくなってしまうのは、なんだか寂しい。白雪鮨の復活は、2020年の春を予定。新しい店内はコンクリート調となり、今とは雰囲気もガラッと変わるようなので、ノスタルジックな気持ちで寿司を味わいたい人は、26日までに駆け込もう。

白雪鮨の詳しい情報はこちら

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