「劇場都市」を目指す豊島区、篠原ともえらと意見交換

テキスト:
Hiroyuki Sumi
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豊島区の夜間経済を考える『第1回豊島区アフター・ザ・シアター懇談会』が12月27日、池袋の自由学園明日館で開催され、出席した行政関係者と有識者らが意見を交わした。

同区では、文化を軸にしたまち作り計画「国際アート・カルチャー都市構想」を2015年に策定。「劇場都市」を将来像に掲げ、演劇やアニメなどのコンテンツ活性化と、公園の劇場化などの空間整備、海外へのPRに取り組んでいる。2020年夏には区庁舎跡地に、8つの劇場を有する新複合商業施設「ハレザ(Hareza)池袋」の開業も予定されている。

懇談会は、演劇などの鑑賞後(アフター・ザ・シアター)も、人々が街を満喫できるようにするためのアイディアを得ようと、区が初めて主催した。出席したのは、区長の高野之夫のほか、A.T. カーニー日本法人会長の梅澤高明や、弁護士の齋藤貴弘、タレントの篠原ともえら約20人。

豊島区長の高野之夫の話に耳を傾ける出席者たち

最初に高野があいさつし、意見交換がスタート。「どんな人に街に来てもらい、どう楽しんでもらうか」と「環境づくりのために何が必要か」の2つをテーマに考えを交わした。齋藤は、「夜間経済活性化の試みは、渋谷や新宿でもある。池袋らしさをどう出すかが大事で、自分はそれはショーパフォーマンスやアニメだと思う」と街の個性の重要性を強調。続いて篠原が「家庭を持つ30代くらいの人たちを、どう夜の街に引き込むかが大切。不良がいるような夜のイメージではなく、寝てもいいプラネタリウムやミッドナイト歌舞伎のような、遊び心のある取り組みがあってもいいと思う」と提案した。

「池袋で何かヴェニューを営業するとしたらどうするか」と聞かれたアソビシステム社長の中川悠介は、「ナイトタイムと聞くとクラブの話が出てきがちだが、大人の遊べるサロンを作ってみたい」と話し、「飲食を利用し、屋台やバーなどをイベント的に出店することで、(区外から)わざわざ来る必要を作ってあげるのが重要では」と持論を述べた。また別の出席者からは、「池袋の良さは多様性。それをブランディングすることで面白くなる」「池袋駅が大きすぎるため、東口側と西口側(の人の流れを)をつなげないといけない」「投資ありきではなく、イノベーションがあっての投資が望ましい」など、幅広い意見が出た。

ディスカッションは約1時間で終了。高野は、「街の特色をもっと出していかなくてはいけないと感じた。(懇談会は)将来への足跡になると思う」と手応えを語っていた。

懇談会は2018年2月にもう一度開催し、4月までに提言を取りまとめる。来年度以降、警察や消防も含めた検討部会を立ち上げる予定だという。

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