ある事件をめぐり、上海のLGBTコミュニティが有名レストランのボイコットを呼びかけ

テキスト:
Hiroyuki Sumi
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上海の北京東路にあるレストラン、ネスト(The Nest)で1217日の夜に発生した事件のニュースで、WeChat(中国最大のSNS)が大騒ぎになっている。上海や北京のLGBTIQコミュニティのメンバーは、店によるヘイトクライム(憎悪犯罪)が行われたと主張し、ネストのボイコットを呼びかけている。

WeChat上では、上海のLGBTIQコミュニティ「The LGBTIQ + Community of Shanghai」が作ったチラシが、中国語と英語の両方で広がっている。 英語版には次のように書かれている。

1217日、コミュニティのメンバーはヘイトクライムの犠牲者になった。レズビアンのカップルが、店の化粧室で警備員に殴られたのだ。 殴られている間、彼女らはレズビアンであることについて憎悪発言を浴びせられた」。

チラシには、「ヘイトクライム」と「ボイコット・ザ・ネスト」という言葉が、大きな赤文字で刻まれている。

1219日、ネストは以下のような声明を発表した。

「ネストは本日、ソーシャルメディアに流れている『ヘイトクライム』の主張を見つけ、ショックを受け、悲しんでいます。3年前にオープンして以来、毎日、私たちはゲスト、チーム、コミュニティのために、あらゆる性的指向、人種、宗教の人々のために、温かく寛容な店であろうと務め、その哲学に誇りを持ってきました。日曜日の夜に発生したのは、誤解から始まったセキュリティ上の事件です。これは慎重な検証が必要で、当事者双方が当局に提出した報告書だけでは十分ではありません。私たちは、事実関係を判断し、適切に対処するために必要な証拠を、両サイドの関係者全員に提供しています。私たちは、自分たちがどうあるべきで、何を信じるべきなのかという考えに従い、適切に対応していきます。快適で安全で楽しい経験を、全てのコミュニティの方に提供することこそ、私たちのミッションです」。

現在も事件に関する新たな情報が寄せられており、事態は、LGBTIQとレストランの両方のコミュニティを巻き込んだ騒動に発展している。レストランレビューアプリのBon Appは、ネストの店舗ページに投稿されていた、事件に関連する記述を削除したため、ヘイトクライムの肩を持っていると非難されている。

これらの批判に対し、Bon Appは「私たちはLGBTコミュニティを完全に支持しています。私たちのウェブサイトに対する非難は受け入れられません。私たちは、レストランレビューサイトです。これは世界中のどのレストランやレビューサイトでもありふれたことなのです。ニュースを見て、私たちはショックを受け、悲しんでいます。 私たちは、事件のあらゆる詳細が明らかになると信じており、この事件を目撃した人々からの証言や情報を待っています。もちろん、ネストの経営陣からの情報も」と応えている。

当事者のカップルは現在のところ、公式なコメントを出していない。

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