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西国立駅や立川駅から徒歩圏内にある、ブックティーサロン「狐弾亭(こびきてい)」。2025年2月にオープンした「妖精」をキーに本を取り揃える希有な書店だ。妖精に関連する本が大型書店にないわけではないが、海外の民話一つをとっても、児童文学だったり地理だったり、棚がまちまちなことが多い。同店では3000冊ほど、店主・高畑吉男の視点を通した妖精本が入門書から専門書まで揃い、一度に探すことができる。
妖精の関連本がそんなにあるのか、と思う読者もいるかもしれない。だがその裾野は広く、芸術から民話、神秘学、宗教学、文学と、妖精はどこにでも姿を現す。漫画『葬送のフリーレン』の主人公であるエルフも妖精だ。
高畑は大学で妖精学を教える先生でもあり、作家、ストーリーテラーでもある。アイルランドの民俗学を専門とし、幾度となく民話採集の旅に出かけてきた。高畑の頭の中には、数百の妖精譚(たん)が入っており、毎月「お話し会」も開催している。
アイルランドは国家・国民を形成するために、「ケルト」や妖精を役立ててきた歴史があり、高畑が通うように妖精が今も息づく国である。
日本はどうだろう。アイルランドで幼少を過ごした人物に小泉八雲がいるが、彼が出雲で怪談や妖怪を見いだしたように、かつての日本にも、妖精はそこここにいたはずだ。いや、今も隠れているだけかもしれない。狐弾亭で出合う本の数々は、日常に潜む彼らの存在に気づかせてくれるだろう。
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