能声楽家、青木涼子による新曲委嘱世界初演シリーズ『「能×現代音楽」Vol.8』が赤坂区民センターで開催。『能×現代音楽』は2010年から開催している能の声楽「謡」のために新曲委嘱、世界初演を行うシリーズで、これまでに世界各国の作曲家33人が参加してきた。
8回目となる今回は、ドイツ、フランス、ルーマニアの作曲家による『謡と弦楽四重奏の新曲』3曲の世界初演を行う。各曲は、ドイツを代表する作曲家である、ロベルト・HP・プラッツ(Robert HP Platz)、パリ国立高等音楽院作曲科教授のフランスのフレデリック・デュリユー(Frédéric Durieux)、デュリユーに師事したルーマニアのディアナ・ロタル(Diana Rotaru)の3人が手がけた。
上演前には、青木が能の「謡」と現代音楽についてレクチャー。その後、作曲家が「謡」のために作曲をした感想も踏まえた解説を行う。
新型コロナウイルス感染症のため、作曲家は来日せずにオンラインで参加して質疑に備え、曲の解説も録画で配信するという。また、席数も定員400席を100席に削減しての開催となっている。
このイベントを通じて、伝統が本来持っているはずのアクチュアリティーを考える機会としてみてはどうだろうか。
※本公演は港区文化プログラム連携事業として開催され、文化庁芸術祭参加公演、サントリー芸術財団の佐治敬三賞推薦コンサートにも認定されている。