色彩豊かな光表現で知られる写真家、武田陽介の展覧会。極めて強い光にレンズを向けたときに生じてしまう「フレア」や「ゴースト」といった現象を使用して、カメラの外部にある被写体のみを主題にするのではなく、いわば「レンズの痕跡」とでも呼ぶべきものを作品として定着させたのが、武田の代表作である『Digital Flare』だ。
今回は同シリーズの新作に加えて、近年取り組んでいる映像、および映像にまつわる写真作品を展示する。水面を写した写真作品から派生した映像作品も、映像と写真を並置することで、それらメディアの物質的側面に思考を巡らせる作品となっている。