福井県の仏堂に奉納されていた、手足をかたどった「お手足形」の調査をまとめた展覧会。
武蔵野美術大学の教授である神野善治の調査チームが8年にわたり調査を行ったお手足形とは、手足を病んだ信者が仏堂より持ち帰り、経を唱えて病気回復を祈願するというものだ。回復後はお手足形を返し、新しいものを奉納する習慣があるという。
本展では、若狭地方の三方石観世音の調査で明らかになった6万点ものお手足形のうち、仏師が製作したと思われる精巧なものを含む約1500点を展示する。そのほか、民俗学者 宮本常一の指導により収集された民具を用いて、手の動作がいかに道具に具体化されているかを捉え直す展示などもあり、人と手の関係をさまざまな視点から探る展覧会となっている。