大学の卒業式でなじみのある袴(はかま)に焦点を当てた展示が、竹久夢二美術館で1月7日(火)から開催。
かつて女学生の通学服であった袴は、明治から昭和初期の、和装から洋装へ移行する時期に花開いた服飾文化だった。しかし、女性の袴が社会的に認められるまでには紆余曲折があり、女性の袴が、女学生のみならず働く女性の装いとしてジェンダーレスな側面を持っていたことは一般にはあまり知られていないだろう。
本展は実物の袴だけではなく、竹久夢二や高畠華宵らの描いた袴も扱い、袴の持つ多面的なイメージを明らかにしている点で、画期的といえる。『ちはやふる』など、現在に至るまでの袴を取り上げ、幅広い鑑賞者が楽しめる展示となっているのも魅力だ。