ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩

  • アート
  1. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「FACE」
  2. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「FACE」の一部
  3. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「MIDNIGHT SHARK」の一部
  4. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「MIDNIGHT SHARK」
  5. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「ATHOME」
  6. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: AKane Suzuki「ATHOME」の一部
  7. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「FLOWER10」
  8. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「DOGS」
  9. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「CAT02」(左)、「PORTRAIT」(右)
  10. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「CAT」
  11. ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩
    Photo: Akane Suzuki「UNTITLED」の一部
  12. ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK
    Photo: Keisuke Tanigawa佐野凜由輔(「ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK」にて)
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タイムアウトレビュー

日々描き足され、蓄積を重ねた同展の絵画は、鑑賞者のマンネリ気味な感性と美意識を切り裂いて、塗りたての異質な興奮を注ぎ込む永久機関だ。

ロックバンドのKing Gnuとの共作やアートワークを手がけたことでも話題を集めるアーティスト・佐野凛由輔(さの・りゅうすけ)の8回目の個展が渋谷で開催。「ZOOM」をコンセプトに、19枚の絵画を展示する。1枚の中に複数のレイヤーが存在する多角的な作品が特徴的で、マクロとミクロ、具象と抽象など視点・捉え方によって鑑賞者の中にある思いもよらない感情や想像力を引き出す。

同展では、2022年10月に香港で開催した個展の作品が見られるほか、「FACE」「ANIMAL」といった佐野の人気シリーズ作品が楽しめる。

「FACE」は特に見事。初めて見た筆者は、まずエネルギッシュな色彩美に目を奪われる。次に奇々怪界なコラージュや素材の多彩さによって、何かが崩れる前の流動をそこに感じ取り、何度でも鑑賞したくなった。

フリージャズセッションのように今日、今、一瞬ごとに変化する「最高の状態」を求めて書き足されており、いくつかの作品たちは乾ききっていないのも同展の大きな特徴だ。その蓄積が偶発的な味わいに変化していくのも楽しい。

浅草ワトワギャラリー/ザ・ボックス・トーキョーでも、佐野の個展ZOOOOOOOOM/BRUSH WORKを4月16日(日)まで同時開催中だ。浅草会場では、長野県千曲市で制作された風景画などを中心に、佐野自身のみならず親しい人のフィルターを通して生まれた作品12点が揃う。彼の人へのリスペクトが感じられる作品群は渋谷と比べてどこかあたたかみがある。

併せて鑑賞することで、佐野の異なる顔を持つ作品群から、自身の感受性の豊かさを発見できることだろう。

チケットは特設ページでの事前予約制。自身で金額を決定するドネーションシステムを採用している。

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