

総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景
「東京都写真美術館」で、近年国際的に注目されるイタリアを代表する写真家、ルイジ・ギッリ(Luigi Ghirri、1943〜1992年)のアジア初の美術館個展が開催。初期の代表作から晩年の作品まで約130点を幅広く紹介し、20年ほどにわたるギッリの写真に対する多角的な思索をたどる。
ギッリは測量技師としてのキャリアを積んだ後、1970年代から写真家として本格的に活動を始めた。色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求してきた。
本展では、ギッリが撮影したイタリアや旅先の風景、画家のジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi)や建築家のアルド・ロッシ(Aldo Rossi)といったアーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介する。
併せて、ギッリの活動を語る上で欠かせない存在であり、自身もグラフィックデザイナーとして活動した妻、パオラ・ボルゴンゾーニ(Paola Borgonzoni、1954〜2011年)の作品や資料も並ぶ。また会期中には、2022年に公開されたギッリの貴重なドキュメンタリー映画『Infinito』を、日本初上映する。
ギッリが探求し続けた、終わりのない風景に対する解釈と世界観に触れてほしい。
※10~18時(木・金曜は20時まで、8月14日~9月26日の木・金曜は21時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝休日の場合は翌日)/料金は800円、学生640円、65歳以上・高校生400円、中学生以下無料(8月14日~9月26日の木・金曜17~21時は一般・65歳以上は割引、学生・高校生無料)