東京在住のアーティスト、岡田舜の個展がギャラリー・コミューンで開催。岡田は、2020年11月にもノイズ作品シリーズで構成された『砂嵐』を開催しており、今回で2度目の展示だ。
本展示では、岡田のメインテーマであるバグ作品シリーズが披露される。バグ映像をテレビゲームの映像からキャンバスへ投影し、その図像を絵筆でなぞるというシンプルな手法ながら、岡田自身がそれを完成したとみなすには途方もない制作期間や紆余(うよ)曲折を経ている。そうして完成した作品は、陳腐な言葉では表現できない力強さと不思議な高揚感を帯びているのが印象的だ。
テレビゲームのバグった映像を初めて見た時、それが完成された絵画のように見えたという岡田は、それをそのままキャンバスに写せばどうなるのかという疑問からこのシリーズの制作を始めた。その写し終えた作品に、たまたま手を加えたことで自分の意図していない変化が生まれたのが、バグ作品シリーズ誕生のきっかけだったとも語っている。
機械には決してまねできない、人間の不確実で偶然性に満ちた創造への挑戦を体験してみては。