日本各地に伝わる「まれびと」伝説と祝祭に関する展示が、
「まれびと」とは、民俗学者で国文学者でもあった折口信夫が提唱した概念で、祭祀(さいし)などの際に超現実の世界から現実を訪れ、再び帰っていく存在とされる。これまでの歴史の中で、私たちは疫病の脅威にさらされるたび、それらを乗り越える経験を重ねてきたが、その中心には祝祭(祭り)と、そこに現れるまれびと(来訪神)への信仰があったのだ。
展示では、石川直樹による写真と、岡本太郎の作品などが並ぶ。日本の一部の地域で今でも行われている不思議な儀式や祭りを通して、現代に生きる人々が「まれびと」という存在をどのように受け止めているのかを知ることができるだろう。
新型コロナウイルス感染症が流行している現在こそ、改めてまれびとと祝祭に目を向けてみては。