

沖潤子 STILL
「KOSAKU KANECHIKA 京橋」で、沖潤子の新作約10点を展示する個展「STILL」が開催。過去最大規模となる作品を通じて、素材と向き合う制作プロセスを改めて見つめ直す。
古い布や道具が経てきた時間や物語の積層に、自身の時間を重ねるように刺繍(ししゅう)を施し、新たな生命感や偶然性を宿した作品を発表してきた沖。素材のイメージにスケッチを行い、その筆致に重ねるように刺しゅうを施す手法は、素材ごとに異なる対話から生まれるものだと言う。過去と現在、いくつもの時間の層を重ね合わせることで、新たな風景を見つけることが制作の核にある。
本展は、作品集『STILL PUNK』の刊行時期に合わせて開催。本書では、「still」という言葉が持つ、継続する意志と静けさという二重の意味について思索が巡らされている。
病気の克服や家族関係の変化を経験したこの一年を経て、沖は改めて制作と向き合った。形に収まることなく在り続けたいという静かな決意を持って、針を刺し続ける意志を示している。
※11〜19時/休廊日は日・月曜・祝日/入場は無料